適当にから揚げディナー
イングリッシュスタイルの軽い朝食をすませると、今日は洗濯をさせてもらったので、晴れたり曇ったりの日ではありますが、まずは干し物。日本との大きな違いは、基本的に日向には干さないこと。他人から見えないように裏に干すというだけではなく、日差しの少ない場所に物干し場があります。たぶん、夏の日差しが強すぎるためでしょう。住宅も、洗濯も、ますは暑いほうに照準をあわせているという感じです。だから、朝起きて、ぱっと洗濯して……という方向性はありません(笑) 適当な時間に洗濯して、適当に広げて……という感じ。私も普段は夜中に選択したりしますが、とりあえず、朝一でお日様に当てたいとは思うので、やはりこれは気象による地域性なのかなとおもいました。
さて、洗濯を終わらせ、シティの中でもノースブリッジというアジア食品の店がたくさんある区画へ行きました。とりあえず、ミソスープのための豆腐を買います(笑) 次にカレンは冷凍餃子を見たいと言って、数件の店を覗き歩きます。餃子は、ダンプリングの表示されていて、基本的には中国のもの。輸入元は、台湾か香港が多いようです。パースに住む中国人が作っている輸入品ではないものもあります。チキンの餃子がほしいといって見て歩くカレンですが、餃子は豚肉か海老などの海産物が主流です。そういえば、日本でもあまりトリ餃子は聞かないような気もしますね。
餃子ウオッチングで、カレンの本領発揮(笑) どの店が安いか、量と値段を引き比べ、手にとって仔細に検討し、やっぱりここは少し高いから、次の店へ……という感じで、結局、悩んで、悩んで買ってくるのをやめちゃいました(笑) から揚げにするチキンを買うにも4軒の中国系の肉屋さんを漂流。値段を聞きまくり、「たぶん、いつものスーパーのほうが安い」と。から揚げなら、まあ、スーパーの安売りでもいいんじゃないですか?(^-^;)
アジア食品の店には、インスタントラーメンもたくさん並んでいます。ほとんどは韓国のもので、中国のものが一部。日本のものとしては、定番の日清カップヌードルと「出前一丁」があります。インスタントでもいいから、ラーメン食べたいなぁと思って、「お昼はこのラーメンにしない?」と提案すると、カレンも食べて見たいとのこと。レジに持っていったら、私が食べたいのだから、私が払うのは当たり前的に知らん振りされました(笑) まあ、2個で2ドル(160円ぐらい)だから、いいといえば、いいですけど、まさに徹底したシブチンです(笑)
から揚げは、鶏肉に醤油と酒に生姜とニンニクをすり下ろしたものを加えてしばし置き、から揚げ粉をまぶして揚げただけ。まあ、こんなもんでしょうという感じですが、お客様ふたりのうち、ひとりは明らかに苦手そうでした。作った人が目の前にいるから、「おいしい!」なんて言ってましたけど、食べ方を見ればわかりますよね(笑) それにしてもナイフとフォークで食べるから揚げとライス、なんとも違和感があります(-_-;;
クリスマスin July
オーストラリア全土にあるのかどうかは知りませんが、パースでは7月は冬のクリスマス月ということになっているようです。普通、クリスマスといえば、12月25日、この時期は夏のオーストラリアではサーフボードに乗ったサンタクロースがプレゼントを運んで来るなどという映像が、日本でもよく放映されています。しかしながら、北半球から移住してきた人がほとんどのオーストラリアでは、どうも寒くないとクリスマス気分ではないということらしく、7月を「X‘mas in July」と位置づけて、いろいろなイベントが行われるようなのです。
もっとも、非常にキリスト教色の強いU.S.Aとは違って、オーストラリアの人はあまり宗教に関心がなく、教会もほとんどみかけませんし、「無宗教です」と公言している人も少なくありません。むかし、外国人に無宗教だと言うと不審がられるので、とにかく「仏教徒です」と言っておきなさい、とモノの本で読んだことがあります。アメリカやヨーロッパはそうではあるかもしれませんが、オーストラリアでは胸を張って「無宗教です!」と言ってOKです(笑) というか、宗教については、ほとんど話題にはならないような。なってても気づかないだけかもしれないけど(-_-;;
さて、その「X‘mas in July」ですが、バーズウッドホテルではカジノのメンバー向けに「10ドルでカジノとランチ」という催しをやっています。しかも、往復のお迎えバスが無料で利用できます。私もメンバーになったので、権利があります(笑) というわけで、今日はカレンとバーズウッドのランチに行って来ました。ランチと言っても、帝国ホテルさんの言うバイキング、北欧ではスモーガスボードというらしいですが、こちらでは普通にブッフェと呼びます。つまりは、食べ放題で、10ドルと言えば約800円、しかもバス付き(15分ぐらいですが)ですから、さすがのカレンが行く気になったようです(笑)
カジノランチ行きのバスは、市内・近郊に10路線ぐらいあるようで、毎日、運行されています。一番近いバス停を探して、出発しました。専用バスは、なんとスクールバスの転用で、乗ってみると高齢者の方々ばかり(笑) たぶん、カレンと私が一番若くて、次に若い人は70歳を超えていたと思います。杖をついたり、車椅子だったりする人もいました。スクールバスというより、老人ホームの遠足みたい(笑) 平日の昼間のイベントですから、高齢者福祉の一環なのかもしれませんね。みなさん、すごく楽しそうでした。
ホテルに着き、メンバーズカードを見せて10ドル支払うと、バウチャーのようなものを渡されます。これを持ってカジノのカウンターに行くと、カジノでのお遊び代2ドルを現金でくれるのです。カジノで遊ばなければ、ランチ8ドルになってしまいます。私たちは時間が早かったこともあり、ちゃんとスロットマシンに向かいました(笑) しかし、私が1ドルでまごまごしている間に、カレンの2ドルが終わってしまったので、そのまま引き上げ、結局、私はランチ9ドル(笑) もう一つKENOというギャンブルの券が1ドル分ついてきて、カウンターで数字を言ってカードをもらうのですが、何が行われているのかわからないうちに、スタッフの人に「残念でした」と言われました(笑) ビギナーズラックはなし(-_-;;
ブッフェはスープ、サラダから、さまざまな煮たり焼いたりした料理、ターキーやローストビーフなど盛りだくさん。デザートも充実していて、飲み物もコーヒー、紅茶、ジュース、コーラなど、いろいろなものが飲み放題。ただし、アルコール類はありません。このときとばかり、食べまくりました(笑) 野菜スープがとてもおいしく、焼き立てを切り分けてくれるビーフやポークもおいしかったです。ターキーだけは、なぜかパサパサだったけど。デザートはケーキやなんだか甘そうなものがたくさんありましたが、自分で注ぐソフトクリームがさっぱりしてておいしかったです。トッピングのチョコレートがうまく乗せられなかったのですが、食べてしまえば同じです(笑)
お腹いっぱいになった後は、ホテルの庭とスワン川のほとりを散歩しました。西オーストラリア州のシンボル、ブラックスワンも気持ちよさそうに泳いでいます。しかし、どこまでが庭か公園か……。ここもやたらに敷地が広いです(^-^;)
英国人気質、かな
リビングのすみっこにガスストーブも発見したんだけど、スイッチを入れたことはないのでしょうか? 家の中でも手が冷たくなって、カップで暖めながら字を書いている状態なのに、ストーブに点火される気配はありません。文句を言ってるわけではなく、十分、言ってますかね(笑)、ここまでくると感心しちゃうという感じであります。ちなみに、いまいる部屋の電気は3つついている電灯のうち2つは取り去られていますし、スタンドにも電球は入っていません。リビングもダイニングも、いつも薄暗い感じなのですが、そこで普通に本を読んだり、字を書いたり……。目が悪くなるってことはないのかしら?
もっとも、こちらの家では蛍光灯というのをあまり見かけません。夜を昼間のように明るくするという発想はないのかもしれませんね。ソーラーで自分の家の電気をまかなっているからか、全然、電気をケチらない日本人の友人の家でもそうです。どこもかしこもバリバリ明るくしたがるのは日本的なのでしょうか?
今日の夕食は、「照り焼きチキン」だと言われました。出てきたのは、ん、焼き? チキン? 若干の醤油味で、フライパンで焼いてあるチキンです。「照り」は、どこへいっちゃったんでしょうね(笑) どうも醤油味で焼いたものは、すべて「照り焼き」と思い込んでいるフシがあります。そういえば、シティで見かけた店に「照り焼きチキン定食」というメニューがありましたが、写真で見る限りは、ちゃんと「照り焼き」だったみたい(笑) 「照り焼き」というのは、日本食のB級グルメの代表格という話も聞いたような。カレンの場合、「しみったれ」だから、ほとんど外食をしないので、きっと「照り焼き」というシロモノを食べたことがないのではないかと思い当たりました(笑) そして、料理に砂糖は使わないものだと思っているようなので、どうしたって「照り焼きチキン」が作れようはありませんね(^-^;) 説明するのは面倒なので、「おいしいよ」って言って食べておきました(笑)
似て非なるモノ
それに「ご飯がまずいのよねぇ〜」というと、ノリコ&ケイティ両先生に大笑いされました。英国系の人の家庭は、しょうがないのだそうです。食べるものに味がついていれば、「それだけで、ありがたいと思え」ですって(-_-;; 朝食はレーズンパンとか英語風のパン(名前は忘れました(^-^;)にバターと蜂蜜を塗って食べます。ヨーグルトにバナナやアプリコットの缶詰を入れたものや、たまに目玉焼きがついたり。あとは、インスタントコーヒーか、紅茶か、ほうじ茶か、玄米茶か、ハーブ茶か、緑茶か……。
このいろんなお茶のティーバッグは、普通にその辺のスーパーでも売っています。私は、緑茶のティーバックを少し持ってきたのですが、これはその辺のスーパーのシロモノより格段においしくて、カレンに持っていかれてしまいました(笑) 日本のそこら辺のスーパーに売っているヤツなんですけどね。緑茶は、日本からの輸入でもなかなかおいしいものがないようです。お金を払うから、帰ったら日本からこのティーバックを送ってくれと頼まれました。いいけど、お金を取るわけにはいかないでしょう、やっぱり(笑)
カレンは和食っぽいものが好きということもありますが、彼女なりに気を使って、私の口に合うような日本食を作ってくれようとします。彼女のレパートリーは焼きそばと肉じゃが。「今日は、焼きそばを作ってあげる」というのですが、この焼きそばは、焼きそばじゃない(笑) 麺はベタベタで、何やら野菜とチキン、白ワインと塩、胡椒で味付けし、醤油をちょっとたらすと日本風だと思っているのではないかと思います。誰か、前に泊まった日本人に教わって、自分流にアレンジしたらしいのですが、たぶん、教えた人の意図は伝わってないと思います(笑) それでも、一生懸命に作ってくれたので、おいしく?いただきました。
そして、もう一つの得意料理という「肉じゃが」も作ってくれました。得意料理といいながら、実はインターネットからダウンロードしたレシピを見ながらですから、得意というより2回目の挑戦ぐらいのようですよ(笑) あまりにも大量にジャガイモとニンジンをむいているので、こっそりレシピをのぞいたら、そんなことは書いてなかったし(^-^;) 日本ではどうやるのだというから、出汁、醤油、酒、みりん、砂糖……と列挙していくと、砂糖はあまり好きじゃないから使わないといいます。そして、もう少し汁を多くするというと、これは圧力鍋だから、そんなに水はいらないと……。まったくレシピは無視です(笑) で、日本ではどうやると聞かれても返答に困ります。
肉じゃがみたいなものは母親の味みたいなものだから、「その家庭、家庭の味があってよいのだよ。カレンも好きにつくりなさい」というと、できたものは「カレン流肉じゃが」と鼻高々です(笑) これって、次にここに泊まる日本人がいたら、「前に泊まったことのある日本人の友だちに教えてもらった肉じゃが」とか言って、披露しそうです。私が焼きそばに困惑したように、その日本人もきっと困惑するでしょうね、何を教えたんだ?って(笑) 教えてませんよ〜(^-^;)
その「肉じゃが」は、いわゆる「おかず」ではなく、主食として食べます。であれば、本当に日本風に作れば味が濃すぎるのは自明です。皿に「肉じゃが」をたっぷり盛り付け、あとはサラダぐらいで夕食を済ませます。日本に行ったことのないカレンは、日本の食事の基本に「ご飯と味噌汁」があって、その「おかず」として肉じゃがもあれば漬物もあれば、ほかのお惣菜もあるという……その意味をまったく理解してくれません(笑) 私の説明が悪いっちゃ悪いんですけど、とにかく「お膳」というスタイルがまったく想像の外にあるみたいで。
「から揚げ定食を食べたときも、ご飯と味噌汁とから揚げだったでしょう」といっても、それはそれが「から揚げ定食」としてのワンセットで、日本人はおかずを取り替えながら、いろいろな定食を食べるのよと言っても、まったくわかった風はありません(笑) 食文化というのは、体験してみないとわからないものなのかもしれません。私も面倒になって、「あなたが日本食を理解するためには、一度、日本に来ないとダメだ」と言って締めくくってしまいます。カレンの返事は、いつも「いつか、行きたい」で、この話は終了です(^-^;
香取神道流
1週間ぶりに友人たちの道場にお邪魔いたしました。朝の早い時間は合気道の稽古、10時ぐらいからお昼過ぎまでは「香取神道流」という古武道の稽古をしています。朝は苦手なので、合気道はパス。古武道のほうだけ、見学というか、冷やかしというか、邪魔というか、端っこに座って、なかなか貫禄のある先生ぶりを発揮している友人たちの写真を撮ったりしていました。真剣なまなざしで木刀や薙刀を振るのは、オーストラリアの青年たち。そういえば、女性のお弟子さんは見たことがありませんが、いないのかしら?
お弟子さんたちのほとんどは、3年前にも見かけているような気がします。8年とか、10年とか、続けている方がほとんどなので、きっとお目にかかっているのでしょう。しかしながら、ハゲてるとかデブとか(^-^;)かなり特徴のある方々以外は、みな同じように見えてしまいます。みんな黒髪か、黒に近い茶髪の人ばかり……。武道にはまり込んだ外国人は、本当に徹底してはまり込むというような人が多いのだけれど、「そういえば、ブロンドで武道やってる人って、見かけたことがないかも……」とノリコ先生も言っていました。ブロンドには袴が似合わないからでしょうか(笑)
道場は、静かな住宅街の一角にあります。めったにクルマも通らない道に「トゥッ!」とか「ヤァッ!」とかいう気合が響くわけで……、知らない人が通りかかったら、びっくりするんじゃないでしょうかね。カレンの家からバスと電車で30分、歩いて10分という距離はちっとも遠いと思わないのですが、「えっ、また歩いてきたの?」と驚かれました。この辺の人たちには、クルマ距離なのでしょう。そういえば、電車に乗っているのは、子ども年寄り学生風が多いかもしれません。武道をやってるのなら、足腰を鍛えるためにももっと歩いたほうがいいですよ(笑)
稽古が終わった後は、先週と同じようにランチ。そして、アグーブーツの工場直営ショップに連れて行ってもらいました。2軒ほど訪ねたのですか、明らかに3年前より高くなっています。2割から、下手をすると1・5倍ぐらいになっているかも。「高くなっているよね?」とノリコ先生に確認すると、少し前までオーストラリアは非常に景気がよかった(いまはEU経済の影響を受けてあまりよくはないらしいですが)ので、人件費が高騰し、国内生産のものは高くなってるとのこと。どこかで聞いたような話ではありますね(笑)
笑いごとではなく、比較的、安価なアグーブーツを置いている店で聞いてみたら、安いのはメイド・イン・チャイナだそうです。材料はオーストラリアから行っているし、縫製も悪くないとお店の人は言います。それは、悪くはないでしょうが、オーストラリアに来てメイド・イン・チャイナを買って帰るというのもいかがなものでしょう(笑) 週末マーケット、工場直営ショップ、小売店、土産物屋、スーパーマーケットと、ありとあらゆるアグーブーツの店を見て回った感じです。そろそろ、どこで買うか、決めなくちゃ(笑)