文殊菩薩

文殊菩薩は普賢菩薩とともに釈迦牟尼仏の脇に従っています。俗に三人寄れば文殊の知 恵というように、知恵を司る菩薩です。獅子に乗り、右手は施無畏の印を結び、左手に三股杵を持って東方に座し、仏が説法するときに、重要な役を演じています。   文殊菩薩の功徳は知恵です。知恵とは、すべてものごとの現象を知り、理解することです。見聞きしてもそれを理解しなくては何にもなりません。朝になれば朝日が東方に現れ、昇ります。そうすると、いままで闇に閉ざされていた万物がはっきりと見え、理解することができます。虚空蔵によって育てられた万物が、ここにはじめて地上に芽となって現れる因果の理法です。   何ごとも文殊菩薩の智がなければ発展はありません。何ごとも理屈だけでは究極まではわかりません。しかし、万物の本来の姿は動かしがたい厳然たる理法で定められています。智を得るためにはものごとの芽をつんではいけません。仕事の芽、若い者が伸びようとする気持ちなどつまず、反対に助けるように世話をして文殊様を信心するなら、文殊菩薩のご利益を受けられます。文殊菩薩の縁日は二十五日、菅原道真が文殊菩薩の守護を受けたといわれ、天神様の縁日も同日です。   ●卯年の守り本尊です。   

勢至菩薩

勢至菩薩は大精進得大勢ともいい、阿弥陀三尊の一つです。極楽に住んでおり、「南方にあり、知恵光をもってあまねくいっさいを照らし、三塗を離れ、無上力を得せしむるをもって大勢至と名づく」といわれ、すなわち物の盛んなるさまを表す菩薩です。国家、社会、事業をはじめ、家でも身体でも、何ごとも一番の盛りというものがあります。ちょうど太陽が南にあれば正午というように、登りつめたところ、木なら花の咲いたときの状態です。悪業も悪の盛り、善業も花咲き、あとは因果の理で悪業は悪の結果、善業は善の結果があります。   人体にたとえるなら頭、知恵です。国も人民も良知をもち、正しい判断により、国や人の行動を誤ることなく決め、本当に正しい繁栄をすべきです。勢至菩薩はこれらを善いほうに導く菩薩です。人には一寸先は見えません。善行を積まねば菩薩は支援してくれません。人の明らかな判断をくるわすような言行は慎むべきで、他人に対してもよい指導をするようにしてください。勢至菩薩の縁日は二十三日です。   ●午年の守り本尊です。