甲斐霊場めぐり
私は別に悪行を重ねたつもりはありませんが(^_^;)、もし、後になっちゃったら汚れ水を渡らなきゃならなくなるし、ここはひとつ、お付き合いしましょうってんで、甲斐百八箇所霊場めぐりを敢行することにしました。簡単にいえば、要するに運転手。煩悩の数と一緒だし、ちょうどよいのではないかと。いっぺんには無理なので、ちょっとずつね。
霊場はどこでもよかったんだけど(^_^;)、都内は移動に混雑が見込まれるところも多いし、今年は風林火山だろうというので、あっさり山梨県に決定! いいかげんなもんです。ついでに山本勘助の墓参りでもしてきますか<いっぱいあるらしい
というわけで、第一番「善光寺」に行ってきました。一般には甲斐善光寺といわれています。武田信玄が長野の善光寺からご本尊を奪ってきて祀り、また奪い返されちゃって、いまは別の阿弥陀如来がご本尊とか。善光寺というのはもともと土着信仰と関係が深いらしく、調べてもいないのでわからないのですが(無責任!)、けっこう全国に善光寺という名前のお寺がたくさんあるようなんですよね。
甲府は、ちょっと高台のほうに行くと、本当に街全体が見下ろせます。そして山を背負い、三方も山。盆地なんだなぁとつくづく感じられます。今日はめちゃめちゃ蒸し暑かったですが、梅雨の晴れ間で、富士山もくっきり見えました。この高みから富士を目前に拝し、集落全体を見下ろすと、武田信玄ならずとも「要塞堅固っ!」って感じがします。
高竜寺(甲斐霊場第74番)
狭い道をぐるぐると回り、高竜寺の門らしきものに到着。でも、門だけ? しかも、クルマはこれ以上は進めないようです。ぐるりと回れば、きっと境内に行ける! と固く信じて、いったん門の前を通過し、迂回すると、畑の中の道のようなものがあり、やっぱり本堂の前まで行けました。
このあたりのお寺は、門と参道、本堂と境内が分離しているところが多いような。きっと、できたときは全部がつながっていて広大な敷地だったのでしょう。参道をはさむ森や林が、いつしか農地や宅地に変わって、分離しているような構造になったことが伺われます。
高竜寺の総門から本堂へと続く参道は220メートルあるそうです。これを歩くのもまたよきかなという感じもしますが、諸般の事情により境内に乗り付けさせていただきました。本堂は江戸時代初期の建造だそうです。
いまはひっそりとたたずんでいるという感じの本堂。本堂裏には樹齢400年といわれるカヤの巨木がそびえたっています。市の指定文化財になっているとか。ちょっと足元が悪くて、近くまでは行かれなかったのですが、屋根の上に伸びる枝だけでその大きさは実感できます。
ご朱印をいただいたときに、このカヤの実を一緒にいただきました。このままカリカリと食べるのだそうです。「癖になる味ですよ」 と大黒さん(とは、言わないのかしら? 曹洞宗)はおっしゃいましたが、これしかないと思うともったいなくていまだに食べることができません(^_^;)
実相寺(甲斐霊場第75番)
実相寺は「神代桜」で有名。もう花はすっかり落ちていましたが、先日、テレビで満開のときの映像が映されていました。国指定の天然記念物で、樹齢2000年以上といわれています。さすが古木だけあってかなりの巨樹です。近くには神代桜の子の木や孫の木が30本ぐらいあります。これらは樹齢50年から100年とか。これがいっせいに花をつけたら、さぞや見事なことでしょう。桜のシーズンは臨時駐車場などもたくさんできて、大賑わいのようです。
葉桜でもそれなりに美しく、まだ観光客がまばらながら訪れていました。葉桜見物ではなくて、チューリップ見物かも。見事に畝になったチューリップもとてもきれい。隣には水仙の畝もありましたが、これは9割がた終了というところでした。草花の畑には手入れをしている方々の姿が数人あり、参拝客の目を楽しませてくれるための作業に余念がないようです。
実相寺の境内は約3000坪ほどもあるそうで、山門からお花畑に囲まれた参道を通って本道へ到達します。日蓮宗のお寺で、広い境内の脇には厄除けの霊験あらたかという師祖堂や稲荷社などもあります。