甲斐霊場めぐり
私は別に悪行を重ねたつもりはありませんが(^_^;)、もし、後になっちゃったら汚れ水を渡らなきゃならなくなるし、ここはひとつ、お付き合いしましょうってんで、甲斐百八箇所霊場めぐりを敢行することにしました。簡単にいえば、要するに運転手。煩悩の数と一緒だし、ちょうどよいのではないかと。いっぺんには無理なので、ちょっとずつね。
霊場はどこでもよかったんだけど(^_^;)、都内は移動に混雑が見込まれるところも多いし、今年は風林火山だろうというので、あっさり山梨県に決定! いいかげんなもんです。ついでに山本勘助の墓参りでもしてきますか<いっぱいあるらしい
というわけで、第一番「善光寺」に行ってきました。一般には甲斐善光寺といわれています。武田信玄が長野の善光寺からご本尊を奪ってきて祀り、また奪い返されちゃって、いまは別の阿弥陀如来がご本尊とか。善光寺というのはもともと土着信仰と関係が深いらしく、調べてもいないのでわからないのですが(無責任!)、けっこう全国に善光寺という名前のお寺がたくさんあるようなんですよね。
甲府は、ちょっと高台のほうに行くと、本当に街全体が見下ろせます。そして山を背負い、三方も山。盆地なんだなぁとつくづく感じられます。今日はめちゃめちゃ蒸し暑かったですが、梅雨の晴れ間で、富士山もくっきり見えました。この高みから富士を目前に拝し、集落全体を見下ろすと、武田信玄ならずとも「要塞堅固っ!」って感じがします。
常在寺(甲斐霊場第33番)
常在寺へ行く道は河口湖沿いのドライブコース。しばし、湖畔でクルマを停めて、富士山はどっちの方向だろうと……。あいにく上空に雲がかかり、方向はわかりましたが、冨士の姿を見ることはできませんでした。湖岸道路からちょっと入ったところに常在寺はありました。
門の前のちょっとした空き地にクルマを停めて長い参道を歩くと先方に鳥居らしきものが……。なんだか神社っぽいけど……。さらにまっすぐ行くと「社務所」がありました。そこではっきり認識すべきですよね、ここが神社だって。でも、社務所に行って聞いてみました。さすがに「ここは常在寺……、では、ありませんよね?」という聞き方になりましたが(^_^;)
ここは武田信玄の祈願所であった御室浅間神社。境内も参道もとても広々としています。n日蓮宗の常在寺はお隣でした。浅間神社の参道を途中で右に折れると、お寺の裏にでることができました。晴天なら境内から見事な富士山の姿が見えるそうです。うーん、相変わらず雲がかかっていて残念。
13世紀頃の開山らしいのですが、このお寺はたびたびの火災で焼けています。1949(昭和24)年にも堂を焼失したそうです。この数度の火災を免れたのは享保年間に作られた山門と宝蔵はだけだそうです。その後、本堂や鐘楼などは再建されています。
常在寺の寺宝には、鎌倉期に作られた金銅薬師如来立像や日蓮上人の直筆「下山御消息」、江戸初期に谷村城主納めたといわれる馬具一式などがあるそうですが、御朱印スタンプラリー程度じゃ見せていただくわけにもいきませんね(^_^;)
お墓所で納骨の儀を行っているご家族がありました。で、周囲を見渡すと、見える範囲内のお墓が全部、同じ名字でした。お〜、一族郎党! こういうお家は、きっと系図などもしっかり残っているのでしょうね。土地にしっかり根を張って生きている人々の姿を見たような気がしました。
称願寺(甲斐霊場第34番)
ナビがあっても行きつ戻りつの甲斐です。当然のことながら、連続Uターンおよび、人を見かければ聞きまくりという状態で、やっと辿り着いた竜玉山称願寺でした。でも、正面入り口がわからず、裏道に路注しての訪問とあいなりました。もう、収穫の終わったブドウ畑の中を走りまくる感じで、めったに人など歩いていないのが泣きどころです(笑)
ここに養護老人ホームがあります。もとは境内だったところでしょう。今日はよいお天気だったので、窓辺に布団がずらっと干してあります。けど、幸い?境内からは見えない位置でした。このホームは、称願寺開山700年を記念して、1975(昭和50年)に造られたそうです。ちょっと違和感がありましたが、お寺が地域社会に貢献するという意味では、趣旨は間違っていないような気もします。
境内にはいまは花も、ほとんど葉もつけていませんが、「ショウガンザクラ」と呼ばれる桜の大木があります。樹齢500年だそうです。この桜は一般の桜と違って、花と葉を一緒につけるそうです。桜の原種に近いものだとか。咲いているところを見たいですね。普通の桜より開花時期が遅いということなので、4月中旬頃でしょうか。
時宗のお寺で、ご本尊は阿弥陀如来。時宗の開祖一遍上人の弟子で、二祖ともいわれる真教上人の坐像を寺宝としていますが、この像の中から上人の舎利がでてきたそうです。ここに葬られたのだとすれば、すごく由緒正しいお寺なのかもしれません。でも、なんだか地味な感じのお寺です(^_^;)