ある小説の中に、世界を旅して「何を祀ってあるのかわからないんだけど、地元の人が拝んでいるものには手を合わせることににました。そうしたら、なぜか商売がうまくいくようになったんですよ」というフレーズがありました。SFだし、本筋とはまったく関係ないんだけど、心に残った一節です。そんなわけで(どんなわけで?)、日々の何気ないできごとを綴ってみようかと思います。
2007/12/01  (土) 

龍華院(甲斐霊場第46番)

龍華院は小高い丘の上にあり、境内からは甲府の街が一望できます。四方に山がそびえ、甲府はやっぱり盆地なんだなぁと改めて実感できます。遠景も美しいのですが、お庭も見事です。
 
サツキの季節が一番美しいとのことですが、晩秋の、いや初冬のかな、いま頃でも十分楽しめます。回遊式大石積庭園というのだそうです。石段にはたくさんのアジサイが植えられていましたから、雨の季節もいいかもしれませんね。
  
1441(嘉吉元)に開かれた寺院で、山号の「吉国山」は徳川家康から与えられたものだとか。ご本尊は釈迦如来で、子授かりの霊験があるそうです。御朱印をお願いすると住職さんが答えてくださり、本堂を開けてくださいました。子授かりは望みませんが(笑)、ご本尊をお参りさせていただきました。

 

そういえば、もう今日から12月ですね。ぎゃ〜〜〜という感じです。今年、1年間で何をしたでしょうか。何もしなかったような気がしますねぇ。ただ息をして、CO2を吐き出し、地球環境破壊に貢献してただけなような気がします。はぁ〜。



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2007/11/30  (金) 

向昌院(甲斐霊場第45番)

向昌院から眺める山は見事です。お庭もよく手入れされていますが、バックの山あってこそという感じです。これはありがたい借景というのでしょうか。

11世紀半ばに真言宗のお寺として開かれ、1520(永正17)年に禅宗に改めたお寺だそうです。200年ほど前に大火で全焼したそうですが、山門、本堂、庫裏は再建されています。再建っていっても200年以上の年月を経ているわけですからね、貴重なものです。
 
道路をはさんでお寺の向かい側には、「藤垈(ふじぬた)の滝」という水量は多くありませんが、清涼な水が湧いています。横には新羅三郎義光の開基といわれる芹沢不動尊があり、堂の前で小さな滝を作っています。向昌院ができた頃はここが祓の場であったとか。
 
瀧の向かいに水場があるのですが、ここの水はおいしいというので、近隣から水を汲みに来る人が絶えないそうです。この日も乗用車に大量のポリタンクとペットボトルを積んだ人、バイクの座席にポリタンクをくくりつけてきた人、何人かが水汲みに余念がありませんでした。私は「日本の名水」というのはよく知らないのですが、リストアップされているのでしょうか、それとも隠れた名水なのでしょうか?
 
滝の周辺は公園になっています。というか、なりつつあります。ただいま整備中という感じですが、いかにも工事中という風情ではないので、いまでも十分、気持ちのいい散歩ができそうです。

 

今月の運勢を更新しました。



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2007/11/29  (木) 

聖応寺(甲斐霊場第44番)

入り口の小さな木橋の下には清流がありました。楓橋と呼ばれるこの反り橋を渡って三門まで、長い参道が続いています。両側に杉の木立が続くいて、荘厳な雰囲気が漂っています。参道の先に現われたのは古めかしい三門。堂々として、威厳がありました。その奥にあるのが本堂かと思ったら、仏殿なのだそうです。
 
1395(応永2)年、武田家に従う豪族だった黒坂信光によって寄進されたという聖応寺は、広済寺とともに向嶽寺派の二大寺として栄えたそうです。20もの子院があり、多くの僧たちが修行していたといいますが、1779(安永8)年にほとんどの建物を大火で焼失したのだそうです。
 
600年の歴史は土の中に埋もれてしまっていますが、石垣をはじめ、お庭の手入れがよく、まるで庭園のようです。仏殿の横には本堂を兼ねた庫裏があり、この建物はなかなか趣があります。が、お留守みたい。
 

仏殿の裏で植木仕事をしていらっしゃる方がいたので、「お寺さんはお留守でしょうか?」と伺ったら、なんとこの方が住職でした。広くて美しいお庭を手入れするのは大変なことのようで、長靴に軍手で汗を流していらっしゃったのでした。すみません、お邪魔して。「御朱印を……」というと、仕事の手を休めて書いてくださいました。
 
そして、「こっちへ来てごらんなさい」といって案内してくださった場所は、甲府の街を一望できるまるで展望台のようなところ。ここから眺める夜景は素晴らしいものだそうです。「まあ、夜になってお墓参りする人もいないので、あまり見た人はいないんですけどね」と。確かに。山が真っ赤に染まる朝焼けも大変美しく、自慢の光景だそうです。住んでいる方にしか味わえない感動かもしれませんね。
 
夜中のお墓参りはちょっとナンですが、早起きの朝焼けは……、いやいや早起きがゴキブリの次に苦手な私にはちょっと無理かなぁ。



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2007/11/28  (水) 

小網神社「どぶろく祭」

名前にひかれて、小網神社のお祭りに行ってきました。どんなお祭だろうと思ったら、お参りした人に巫女さんが「どぶろく」をふるまってくれるというものでした。次の年の豊穣を祈願するために収穫された米と一緒に「どぶろく」を作って神に供える風習をもつ神社は小網神社ばかりではなく、全国にはいくつか例があるようです。

 
そんなに大量にふるまわれるわけではなく、一口ですが、けっこうきついお酒のように感じました。朝から何も食べていない日の午後遅くで、単にすきっ腹にきくぅ〜というだけだったかも(笑)
 
この日は神楽も奉納されるのですが、その時間にはちょっと間に合いませんでした。でも、舞は見られなくても演奏だけは聴けました。ビルとビルの間に挟まれたような予想以上に小さな神社でしたが、建物は尾州桧造の神社建築といって、中央区には現存するものが少なく、区の文化財になっているそうです。5〜6人も入れば社と鳥居の間の境内は満員という感じですが、次々とお参りに来てどぶろくをいただく人で賑わっていました。
 
ここではススキの穂で作られた強運厄除のお守り「下町のみみずく」がいただけます。「どぶろく」付きというのもありました。人と待ち合わせたのがちょうど宝くじ売り場の前。待ち人がちょっと遅れたので、思わず宝くじを買ってしまいました。何年ぶりかなぁ。小網神社でパンパンしてきましたが、はたしてご利益はあるでしょうか?



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2007/11/27  (火) 

難読地名

甲府市内を走っていると「右左口」という交差点にさしかかりました。えっ? 信号の下に欧文が入っていますが、それを読むと「Ubaguchi」。うばぐち? 右と書いて「う」は許します。口は当然「くち」です。しかし、左が「ば」ですか? これは許せない(笑) 「ざ」なら許せるという感じですが。衝撃を受けて、思わず車窓から写真を撮ってしまいました。まったく地名、人名というのは本当に難しくて、ローマ字に教わることも多いです。
←証拠写真(笑)
帰って調べてみたのですが、山梨の難読地名には必ず登場してくるような名のようです。由来はわかりませんでした。「うば」は乳母とか姥とかの当て字なのかと思いましたが、そういった伝説が周囲にあるようでもなさそうです。真剣に追い求めたわけではないので、実際のところはわかりませんが(^_^;) どなたかご存知なら教えてほし〜!<安易ですね、この発言は(笑)
 
そして、その右左口を右に曲がるようにナビにいざなわれ、精進ブルーラインという道をひた走りました。途中に上九一色農産物直売所を発見。店頭に広げられている野菜にひかれてクルマを停めました。そういえば、上九一色だって、かなりな難解地名ですよね。しかし、いまでは全国の人が読めるでしょう(笑) 直売所の方に、「上九一色」と聞くと、反射的に「サティアン」というのを思い浮かべてしまいますねと言ったら「有名になっちゃってありがたいです」ですって。「へ?」、怒られるかと思った……。「地元の人が悪いことしたわけじゃないし、みんながこの土地を知ってくれるなら、なんだっていいんですよ」と笑ってらっしゃいました。そんなものかも(笑) 大根とブロッコリーとねぎとたくわんを買いました。
 
ここの小さなパーキングから眺めた四方の山がとてもきれいでした。いつも地面ばかりみながら生活しているタイプで、あまり自然に親しむことがない私でも、ああ、山はいいなぁ、きれいだなぁ、こんな山里で暮らしたいなぁ、なんて思ってしまうような風景です。こんな景色に囲まれているのだから、「なんだっていいんですよ」という心持ちにもなりますよね。山に緑があり、紅葉している木々があり、青い空があるってだけのものですが、本当に日本に秋があってよかった!と思わせるような美しさでした。
  
こののどかで美しい山里を見せたかったのでしょうか。ナビに従ってさらに進むと、道を外れてどうしようもなく狭い道をウロウロさせられ、あげくに来た道を戻り始め、そして「右左口」に到着し、また左に曲がれと。さっき来たとき直進すればよかったんじゃん! という結末。その先に、確かに目的地はありました。しかも、すぐそこに(-_-;)



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瑜伽寺(甲斐霊場第43番)
大福寺(甲斐霊場第49番)