ある小説の中に、世界を旅して「何を祀ってあるのかわからないんだけど、地元の人が拝んでいるものには手を合わせることににました。そうしたら、なぜか商売がうまくいくようになったんですよ」というフレーズがありました。SFだし、本筋とはまったく関係ないんだけど、心に残った一節です。そんなわけで(どんなわけで?)、日々の何気ないできごとを綴ってみようかと思います。
2008/07/26  (土) 

夏の暑さにも負けず

久しぶり、そう、1年ぶりぐらいにやっと東麻布の「魚冶」鮨さんに行きました。いまの旬は、こはだの新子。つまりは子どもなので、食べられる時期は短く、希少品ですよ\(^o^)/ オトナのこはだも好きなので、本当においしくいただきました。そして、煮あわび。しゃきっとした生のあわびも歯ごたえがあっていいものですが、柔らかく、かみ締めるとじわっと口の中に味が広がる煮あわびもおいしゅうございました。
 
私はグルメではありませんが、お鮨のおいしさって、ネタもさりながら、シャリの占める要素があるような気がします。ご飯の量は多からず少なからず、そして握り方のほどよさが、旬の魚や貝たちを「おいしい!」と感じさせるような。お腹いっぱい食べるのは「粋」ではないのかもしれませんが、誘惑に勝てず、お腹いっぱい!(笑) 食べるのに夢中で、写真撮るのを忘れました(-_-;)
 
そのあと、麻布十番のショットバー、セントエルモスバーへ。この店の新宿店はその昔、ときどき行っていました。ある日、通りかかるとなくなっていて、聞けば2年前に閉めたとか。ここ、本店ははじめてだったのですが、かつて新宿店にいたバーテンダーさんがいました。「あぁ、新宿にいた人だ」と思ったものの、知らん顔していたら、わざわざ席まで来てくださいました。
 
覚えてるの? 最後に行ったのは3年ぐらい前で、しかも年に1回か2回しか来ない客だよ? 印象に残るタイプでもないし(-_-;) ちょっとびっくり。そんなに流行ってる店ではなかったかもしれないけど、お客さんの数って、けっこうな人数でしょうにねぇ。そして、プロなんだなぁと感心しました。お酒はたしなむ程度なので(笑)、気楽に1杯だけっていう感じで飲めるショットバー、私は好きです(^_^;)
 
で、飲みすぎたわけではなく、楽しくおしゃべりしていたら、あ、終電が! 私鉄がアウトでしたねぇ(-_-;) 最寄のJR駅までたどり着いて、タクシー。こんなのも3年ぶりぐらいかも。貧乏人のやることじゃね〜! これから、しばらく謹慎生活です。はぁ〜。



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2008/07/24  (木) 

蓮華寺(甲斐霊場第92番)

蓮華寺は、日蓮のお弟子さんで高弟六老僧といわれるひとり、日興が誕生した地で、ここは日興の父、橘光重の館があったところといわれています。お寺の由緒は深いのでしょうが、いまは2000(平成12)年に建てたれたという本堂をはじめ、庫裏なども新しく、あまりピンときません。

 

蓮華寺は、山梨県南巨摩郡鰍沢町にあります。鰍沢というと、落語の世界を思い出すのですが、このあたりはそんなに雪が深かったのでしょうかね。落語はほとんど知らないので、「おやじの骨を身延山に納めるため、参詣かたがたはるばる江戸からやってきた男が帰り道に山中で大雪となり、日も暮れて道に迷って……」という噺だったといサワリのところしか記憶がありません。

 

鯵ヶ沢に行ったときに、ここが落語のご当地だと思い、キョロキョロしたことがあります。鯵ヶ沢って、青森県! 「江戸からこんなところまで納骨に来たのか〜、大変な旅だなぁ〜」なんて(笑) 「鯵ヶ沢の近所に身延山があるか!」なんて、突っ込んでくれる人もなく、大雪というキーワードに引っ張られてか、ずいぶん長い間、鰍沢を鯵ヶ沢と誤解していました(-_-;)

 

日興は、日蓮が身延山に入ってからは出生地の鰍沢をはじめ、甲州、駿河などで布教に力を発揮し、他宗の多くのお寺を日蓮宗に転宗させたそうです。こういうのを功績というのかな。日蓮没後は駿河に大石寺を開き、日蓮正宗を起こした人です。

 



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2008/07/23  (水) 

妙法寺(甲斐霊場第91番)

そろそろ妙法寺かなというあたり、つまりナビから目的地付近で案内を終了するという通達があったころ(笑)、道路が大きな門がかかっているのが見えました。しかも、その先はタジッとするような上り坂です。あれが、蓮華寺の山門かな……。門をくぐって急坂を登って行ってもお寺らしきものは見えません。両脇には歴史を感じさせる建物がちらほらと。このあたりは、かつては妙法寺の門前町として参拝者でにぎわっていたようです。
 
と、正面にドーンと立派な山門が立ちはだかりました。その山門の背後がすべて寺域のよう。妙法寺はいまも山の斜面を独占しているような大きなお寺です。山門は山梨県では身延山に次ぐ大きなものだそうです。急な石段を迂回して、失礼ながらクルマでどんどん上っていくと道の両側に淡い色に咲く紫陽花がたくさん待ち受けていました。
 
クルマを降りるとこじんまりした堂があり、これが本堂だと思って参拝したら、客殿でした。本堂はその奥、かなり急な階段を登った上に大きな境内が開けています。鐘楼もここに。うっかり、本堂を参拝しそこなって帰るところでした(^_^;) 
 
妙法寺は、いまから1300年ほど前に役行者によって開かれたと伝えられています。当時は真言宗のお寺だったものが、1274(文永11)年に日蓮に帰依したとのこと。日蓮聖人直伝という護符が伝えられていて、「小室の毒消し秘妙符」として知られています。お寺の裏にある井戸水でしたためられる護符で、井戸は天竺と底で通じていると伝えられているそうな。けっこう、全国にあるようですね、地下道伝説。明治時代にはこの秘妙符が大変な人気を博していたそうです。
 
もう終りかけてはいますが、客殿の裏の山、経堂のあるあたりから、本堂の裏や脇の山は紫陽花がさまざまな色合いで咲き競っています。1万株も植えられているそうです。6月になると紫陽花見物をかねた参拝者がたくさんやってくるとか。

 

紫陽花は年々成長して花も大きくなっているということで、知る人ぞ知る新名所になってきているようですね。ちょっと遅くはありましたが、遭難しない程度に裏山に登って、最後の一花を咲かそうとしている?紫陽花を楽しませてもらいました。
 



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2008/07/21  (月) 海の日

最勝寺(甲斐霊場第90番)

最勝山最勝寺のある場所は、南巨摩郡増穂町最勝寺。地名にもなっているくらいだから、よっぽど大きなお寺なのではないかと思いました。が、ナビは知らないそうです(-_-;) そこで、人を見かけるたびに聞いてみたのですが、「この辺は最勝寺っていうんですけどね。お寺は……、知りません」。おやおや、困っちゃいますね。やっと道路に出されていた案内板を見つけてたどり着きました。なるほど、小さなお寺です。
 
歴史は古く、749(天平20)年に奈良西大寺の忍正が開いたとのこと。その頃、行基がこの地を訪れて観音像を彫り、「その功徳、最勝なり」としたところから最勝寺という名前がついたともいわれています。このあたりも寺の功徳にちなんで最勝寺地区と呼ばれるようになったそうです。
 
武田滅亡のとき、1582(天正10)年に織田軍によって焼き討ちされたのですが、観音堂だけは焼け残り、さらに1646(正保3)年に火災にあったときもこの観音堂だけは残ったそうです。やっぱり、徳が高かったのでしょうか。二度も難を免れた観音堂は、室町時代の形態を残す、桃山の頃の築造と推定されています。また、ご本尊の聖観音像は鎌倉初期のものだそうです。
  
それだけ由緒正しく、徳も高いようなお寺ですが、最勝寺には檀家が6軒しかなく、それも、もうご近所にはいないということで、寂れかけていたようです。そこで、最勝寺地区の有志が1964(昭和39)年に保存会を作り、寄付を募ってお寺への修復や管理などをはじめたそうです。ちょっと、いい話です。
 
御朱印をお願いした方が、少し手が不自由で、自分で押してくださいと判を渡されました。そして、「これをそこに、これを次に」と一所懸命に説明してくださいます。ご教授を受けて、自分で製作した御朱印。ちょっと曲がってしまいましたが……。
 



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2008/07/20  (日) 

昌福寺(甲斐霊場第89番)

昌福寺の山号は「寿命山」。ありそうでなさそうな名前で、考えてみればなんだかすごい名前のような気もします(^_^;) このお寺は第91番の妙法寺の住職だった日伝の弟、日全によって1298(永仁6)年に開かれたとされています。言い伝えによると、かつてこの地にいた悪霊を、通りかかった日蓮上人が法華経で追い払ったことに人々が感謝し、日蓮宗に帰依して日全を住持に迎えたともいわれます。
 
別名「虫切り寺」と呼ばれますが、霊元上皇が重い病いにかかったとき、このお寺の12代住職が京都の御所に参内して加持を行ったところ全快したため、上皇から「経王祈祷所」の勅願を与えられたのがその始まりとか。この「虫切り加持・護符の秘法」が昌福寺に伝えられたそうです。いまでは子どもの成長を願う行事として「虫切り加持」が残されています。
 
御朱印をいただきにいくと、小さな男の子を連れたお腹の大きな若奥さんらしき方が対応してくださり、御朱印と一緒に「虫切りクッキー」というのをくださいました。ま、普通のクッキーですけど(笑) 子どものためのイベントなども行われているそうで、子どもに親しみのあるお寺なのかもしれません。
 
日蓮宗総本山身延山久遠寺の第81世法主にもなった石橋湛山の父親がこのお寺の住職をしていたことがあったため、湛山はここで幼少時代を過ごしたそうです。湛山は東京生まれですが、父は増穂町出身。このお寺にも湛山の書簡など、ゆかりのあるものが数多く残されているようです。
 



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ネバネバご飯
信州の桃