ある小説の中に、世界を旅して「何を祀ってあるのかわからないんだけど、地元の人が拝んでいるものには手を合わせることににました。そうしたら、なぜか商売がうまくいくようになったんですよ」というフレーズがありました。SFだし、本筋とはまったく関係ないんだけど、心に残った一節です。そんなわけで(どんなわけで?)、日々の何気ないできごとを綴ってみようかと思います。
2008/08/04  (月) 

弘前へ

友人が弘前へ荷物を運ぶ用事ができ、運転交代要員に雇われて(笑)、深夜の東北自動車道を疾走し(おまわりさんが怖い季節ではありますが)、弘前へやってきました。800キロ強でしょうか、案外、早くつきました。地震の影響は、高速道路にはなかったようです。
 
ねぷた、ねぶたという時期なので、これを見られると思い、引き受けちゃったのであります。今日は、弘前ねぷたを見に行きます。地震でキャンセルも相次いでいるという話も聞きますが、青森県にはさほどの影響もなく、例年通り、にぎやかにお祭りは始まっているようです。



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2008/08/03  (日) 

薬王寺(甲斐霊場第95番)

薬王寺の山号、河浦山は、芦川にちなんだものといわれますが、このお寺があるのはJR身延線芦川駅の近く。芦川の渓谷とは少し離れて、せせらぎも感じられないあたりになります。お墓所はかんかん照りで、車もサウナになりそう。境内には木立が見えますが、中へはクルマでは入れません。階段のギリギリまで寄せさせていただいて、やっと木陰に半分入って停車しました。
 
お寺の正面、入口脇に「後陽成院第八之宮良純親王遺跡」の石標があります。良純親王は、後陽成天皇第八の皇子だそうですが、徳川家康に引き取られたことで一応、歴史上に名前の出てくる人みたいです。天皇家には関心がないので、石原家と関係があるのかと思った(笑) この良純さんが、結局は甲斐に流され、1655(明暦元)年から5年間住んでいたのがこのお寺だそうです。芦川を京都の鴨川に見たてて、親王を慰めるためだったといいますが、似てるのかなぁ、鴨川と。
 
入口から山門へ向かって石燈篭がずらっと並んでいるのが印象的でした。境内には甲斐の七福神のえびす様も祭られていますが、比較的、新しいもののようです。かつては七堂伽藍が建ち並び、多くの人が暮らしていたということですが、いまはひっそりとして、外観だけではあまり特徴のないお寺さんのように感じます。ごめんなさい。

 
 



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2008/08/02  (土) 

光勝寺(甲斐霊場第94番)

静けさや……という句が似合いそうな、山あいの古いお堂が市瀬山光勝寺でした。長い間、無住だったとのこと、もう少しで朽ちてしまうのではないかといらぬ心配をしていまいそうですが、現在は本堂の横手に立派な庫裏も建ち、十分にお世話をしてもらっているようです。
 
長い石段を登っていくと広目天と多聞天が目を光らせている山門があり、その奥の深い木立ちの中に本堂はあります。この山門にはわらじがたくさん掛けられていて、それを見るとここがかつて旅人の守護をしていたお寺であったことが偲ばれます。山を越えて旅をする人々が、道中の安全を願って、ここのわらじを奉納したのうでしょう。鎌倉時代には、武田一族が頼朝への奉仕で交代通行の際に、この寺で人馬の足を休ませたといいます。参 勤交代のようなものが、鎌倉時代にもあったんですね。
 
このお寺は1220(承久2)年、宥教によって高野山金剛頂院の末寺として、真言密教の行の道場として開かれました。いまも高野山真言宗のお寺。ご本尊は千手観音菩薩で、運慶の作といわれますが、ほんとかな? 14世紀初頭には後醍醐天皇の勅願寺となっていたそうです。
  
お寺のすぐ前には芦川の渓流が音をたてて流れていました。岩場があり、流れはなかなかに強そうですが、水量は少ないため、子どもたちの格好の遊び場のようです。夏休みに入った午後、数人の子どもたちの歓声が聞こえてきます。涼しそうでうらやましい限り。紫陽花の季節にはお寺の背後の山を彩り、新緑の頃には渓谷が山吹色に染まるのだとか。自然が堪能できるお寺の一つです。



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2008/08/01  (金) 

信州の桃

心待ちにしていた信州の桃が、今日、届きました。「あかつき」という種類で、大きくて香り高く、「これぞ桃の味!」というさわやかな甘さ。ふわっとしたk柔らかい毛でおおわれた桃のピンクの肌から、丹精込めて作られたという雰囲気が伝わってくるようです。この桃を作っているのは、信州飯田の「かなえちゃん農園」。農薬や化学肥料を使わない栽培法もきちんと情報公開、おいしくなったところで収穫し、安心も一緒に届けてくれる農園です。ここでは写真だけで味や香りをお届けできないのが残念(^_^;)
 
昨年までは、同じ信州でも真田から桃を届けてもらっていました。こちらは90歳も間近な老ご夫妻がふたりだけで育てていた桃で、桃はおいしく育っていたのですが、後継者が育たず……。昨秋、ついにおじいちゃまが寝たきりになってしまって、今年は作ることができなくなりました。
 
「どこかに、おいしい桃はないでしょうかねぇ」とつぶやいた今年の冬、信州木島平スキースクールの先生が「桃なら、ここがピカイチ!」と紹介してくださったのが「かなえちゃん農園」です。この先生にスキーを教わったことはないのですが(^_^;)、スキー大会のオペレーションをやってくださる方で、年に2日、同じ小屋に閉じ込められて一緒に仕事をしています。冬は陽気なインストラクター、夏は木島平で野菜やお米を作っている「熱血! 竹内農園」のヒゲマスター。マスターの育てた野菜は、調布市の「新鮮屋」で買えます。お店が駅からちょっと遠くて、クルマも停められないので、あまりしばしばは行けないのですが(-_-;)
 
冷蔵庫を整理して、桃を冷やすスペースを作ると、夏だなぁと感じます。蒸し暑かったり、蚊に刺されたり、大雨や洪水が起こったり、いやなことばかりが続いている夏に、桃だけは本当にうれしい夏の便りです。
 



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2008/07/31  (木) 

精進料理「柏亭」

今日は法事があり、深大寺(東京都調布市)の「柏亭」で会食しました。深大寺の参道からは少し離れた、奥まったところにある精進料理の料亭です。昨年の春にリニューアルしたとかで、次の間つきの完全個室、静かなお座敷で身内だけで大騒ぎ?(^_^;) ご亭主は無類の商売っ気なしで(笑)、「ブログに書いていいですか?」と聞いただけで、「いや〜、宣伝しなくていいです」と。まあ、個人のゴミのようなブログですから、宣伝効果はないとは思いますが(^_^;) その上、完全予約制で、フリーのお客さんはカン無視です(笑) 悔しいから電話番号(042-485-1211)を書いておこう(^_^;)
 
器に盛られた料理は、季節の野菜や魚、テーブルの上で作られていくお豆腐など、少量ずつ、いろいろ楽しめて、知らないうちにお腹もいっぱい。インゲンの胡麻和えは、お庭にある柏の若葉が敷かれていて、見た目もきれいでした。「この葉っぱも食べられるの?」とバカな質問をしたのは、……、私です。さすがに柏の葉は食べられませんね。
 
アジのお刺身、鮎の姿焼きと精進料理の定番ともいえるお魚もおいしかったのですが、ユニークなのはミニトマトの入ったお味噌汁、というか、スープ風味? みんな「ふーん、珍しい、おいしい」とつぶやきながら楽しんでいました。コンロにかかっている白い液体はなに? 火をつけてしばし待つと、お豆腐になりました。ほどよくかたまり、野菜のフリーズドライのような薬味?でいただきます。これ、いい!
 
〆は深大寺らしく、手打ちのそばで。この辺りも都市化が進んでしまって、いまではもう蕎麦は収穫できないとのこと。茨城の蕎麦粉を使っているそうです。お腹がいっぱいでも、蕎麦って別腹系ですよね。さまざまなお料理でお腹がいっぱいのはずなのに、しっかりいただきました。
 
夏の暑い中に黒服で、法事もなかなかに汗だくなものですが、あっさりした精進料理というのもときにはいいものです。
 



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永泰寺(甲斐霊場第93番)
烏城焼