南松院(甲斐霊場第102番)
「この辺!」とカンで曲がったところの郵便局で道を聞き、細いわき道に入っていきました。右側は川。「通れるのかなぁ」という心配をよそに、細い道は細いまま、どんどん登っていきます。バックで戻るのはいやですよぉ〜。と、大きな金色の仏さまが出迎えてくれました。門前に町の「憩いの家」というのもあり、UターンOK。よかった〜。
山門はそう古いものではなさそうですが、むかしは武田の使者のみがくぐることができたという「武田門」のあったあたりに建てられたもの。武田菱が堂々と輝いています。南松院は、武田家の一門の領主であった穴山信友夫人の葵庵理誠禅尼の菩提所で、禅尼の子どもである穴山信君(梅雪)が16世紀半ばに開山したお寺。南松院の名は、庵の南に禅尼が愛でていた老松があったことによるといいます。
京都「退蔵院」の庭を模したという石庭は、小石の中に大きな石が配してあり、お天気がよければコントラストがきれいだったかもしれません。残念ながら、ここ数日、雨模様の日が多かったので、全体的にどんよりした感じ。お寺さんもお留守のようで、なんとなくうら寂しい感じのするお寺でした。
かつては、甲斐の臨済宗妙心寺派の三大寺で、多くの末寺や修行僧を抱えていたそうですが19世紀半ばに焼失。1894(明治27)年に再建したそうですが、昭和になって無住の期間も長くあり、1989(平成元)にやっと本堂、庭などが整備されたそうです。庭に立って耳を澄ますと本堂の裏手からせせらぎの音が聞こえてきました。
上沢寺(甲斐霊場第101番)
サカサイチョウは、オハツキイチョウとも呼ばれ、史跡名勝天然記念物になっています。これはイチョウの変種で、葉の上に実をつけるイチョウのこと。いまはちょうど実をつけている季節で、実際に見ることができるはずです。が、葉の上に実がついているのは木の上部だけだそうで、目で見える範囲のギンナンは、普通に葉の根元に結実しています。梯子でもないと……。
サカサイチョウは、葉や実に消毒効果があるといい、別名「毒消し銀杏」とも呼ばれています。上沢寺は昔から薬坊としても有名で、いまも「さかさ銀杏」と漢方薬を調合したさまざまな薬を売っています。庫裏は薬坊「法喜堂」。ここには、実際に葉の上につけた実の標本などもあり、住職さん(だと思うのだけど)が、イチョウや薬の説明をしてくれました。この薬を求めて、観光バスなども来るそうです。電話で「送ってくれ」という注文も多いそうですよ。
法喜山上沢寺はかつて真言宗の道場だったそうですが、1274(文永11)年に日蓮宗。 その後3回の火災に見舞われたため、山門も本堂も比較的、新しい建物で、鐘楼は改宗750年記念にと1999(平成11)年に建てられたものだそうです。
大聖寺(甲斐霊場第100番)
大聖寺は声をかけてもお返事はなく、お留守かなぁと思っていたら、お寺の前の畑でお花の手入れをしている女性を発見。伺ってみると、住職さんの奥様のようです。ところが、「嫁がみんなやっているので、ご朱印もどうしていいのかわかりません」とのこと。「もうすぐ帰ってくるので、ちょっと待ってもらえませんか」とおっしゃるので、世間話をしながら、しばし、お待ちしました。
三守皇山大聖寺は1105(長治2)年に、八幡太郎(源)義家の弟、新羅三郎義光によって開かれたお寺。義光の曾孫に当たる加賀美遠光が高倉天皇から清涼殿に安置されていた不動明王と「三守皇山長光王院大聖明王寺」の額を賜わり、その後、三守皇山長光院大聖不動明王寺と称するようになったそうです。その不動明王がいまもご本尊です。 門の横にある堂々たるケヤキは義光が自ら植えたものと伝わっています。高さが25メートル、周囲6.8メートルもあります。
このお寺がある所は「八日市場」という地名なのですが、むかしはこのあたりで市が立っていたそうです。「私が嫁いできた頃は、このあたりもずっと畑でねぇ」と、住職夫人。50年以上前のことだとか。いまは国道も近くを通り、たくさんの住宅が立っていました。お嬢さんが内船寺(第106番)に嫁いでいるとか。そんな話をしているうちに、お嫁さんがご帰還。ご朱印もいただけました。
限定品
これは談合坂SA限定のオリジナル。冷凍で保冷剤を詰めた状態で売られています。ちょっとおみやげを持って帰りたいなと思う人がいるときは、「限定品」といわれるものについ手がでますよね。「ここで買える」といわれると、「行ってきた証明」みたいな気もしますし(笑)
この「限定品」は、なかなかおいしかったです。保冷剤が入っていても、時間がたてば冷凍してあるものは融けてきます。食べる頃には、外側は融けて、確かにしっとり。内側はまだ凍っていて、サクっとしていました。あまり甘くなくて、本当に淡雪のように食感が希薄(笑) なかなか好評で、たまにはSAでおみやげも買ってみるものだと思ったのでありました。
ウォーターリリー
「ウォーターリリー」って、睡蓮のことだそうです。今日、神代植物園で睡蓮を見ながらコンサートを聴きましょうという催しものがあり、けっこう遠くから友人が遊びに来るというので、近くの私はいそいそとつかの間の楽しみを邪魔しに行きました(^_^;)
催し物は、清楚な浴衣姿の女性3人が奏でるクラリネット、フルート、ピアノの温室で行われる「ウォーターリリー・コンサート」。園長も浴衣に麦藁帽子で頑張っていましたが、今日は肌寒くて……。それで演奏の一曲目が「ハンガリア舞曲」って、思いっきりイメージがバラバラでけっこう楽しかったです(笑)
いま、温室から外の池に連れ出されているのは、「熱帯スイレン」だそうです。真夏だけは外でも生きていけるのでしょうが、今日は涼しいを通り越して上着が必要なくらいだったので、本来は熱帯で生きる睡蓮は震え上がっていたかもしれません。
植物園の池には、「温帯スイレン」も花を咲かせていました。「熱帯」と「温帯」の違いは、茎までぐーんと空中に伸びていることと、花だけが水から出て咲いていること。園長さんに教えてもらいました。「温帯」は肩までお風呂に浸かっているけど、「熱帯」はお湯が熱くて首を出しているって感じ。なるほど。
神代植物園の温室では、サボテンやハイビスカスなど、南国の植物がたくさん見られるのですが、なんとも華やかなのが球根ベゴニアの部屋でした。まるで一面に花が咲いたように……、いや、確かに花が咲いているのです(笑)
何か華やかな、きらびやかなものを形容するときに「花が咲いたように」という言葉をよく使いますが、「その実態はこれなのね」と思うような華やかさだったのです。わかったような、わからないような話で失礼します(^_^;)
ついでといってはナンですが、親戚筋のように見受けられる「花蓮」も見て来ました。「なんだか似たような……」と思っていたのですが、比べてみると明らかに違いますね。親戚筋であることは間違いないようですが、いちばんの違いは、蓮は根が食べられること。そして、やっぱり「蓮」のほうには、仏さまを感じます(笑)