ある小説の中に、世界を旅して「何を祀ってあるのかわからないんだけど、地元の人が拝んでいるものには手を合わせることににました。そうしたら、なぜか商売がうまくいくようになったんですよ」というフレーズがありました。SFだし、本筋とはまったく関係ないんだけど、心に残った一節です。そんなわけで(どんなわけで?)、日々の何気ないできごとを綴ってみようかと思います。
2008/10/22  (水) 

鍛冶

次大夫堀公園民家園の土蔵の一つで、「鍛冶の会」という方々が、鍛冶の実演をしていました。「動く展示物」ということで、ボランティア活動なのだそうです。「写真を撮ってもいいですか?」とお伺いすると、気軽に「いいですよ」と炎をぶわーっと立ててくださいました。なかなか迫力があります。

昔ながらの方法で、彫刻刀や小刀、ノミ、包丁などを作っているそうです。刃先の切れ味をよくし、丈夫にするために一部に鋼が入れられています。その接続部分、よく研がれた小刀を見せていただきました。まだ、研いでいない刃先にはしっかりと鋼が溶接されています。私には金属のことはまったくわかりませんが、このようなものをトンテンカン、トンテンカンと作るのはなかなか楽しそうです。
 
説明をしてくださったのは、なんと彫刻家の方だったのです。細かい細工をするために、自分の手になじむ彫刻刀を探しているうちについに自分で作ってしまうようになったのだとか。道具入れには完成品やまだ未完成のもの、さまざまな彫刻刀が納められていました。この方の彫った彫刻の写真も見せていただきましたが、繊細で隅々まで心が配られている作品でした。やはり、ものづくりを楽しむ方は、道具にも「こだわり」が生まれるのでしょう。メンバーの中には包丁人などもいらっしゃるようです。道に迷った怪我の功名、珍しいものを見せていただきましたm(_ _)m
 



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2008/10/21  (火) 

次大夫堀公園民家園

喜多見で迷ってウロウロしていたとき、住宅街の中で水田に出会いました。水田といっても六畳ぐらいの広さ。何かの実験用かなと思って近寄ってみると、向かいに次大夫堀公園とあります。次大夫堀というのは、江戸の初期、小泉次大夫という代官の指揮で開発された農業用水の別名だそうです。
 
かつては忘れられ、荒れていた堀にすぐ近くを流れる野川から水を取って、昔ながらのきれいな流れを復元し、本物の水田を作ったのだそうです。流れの側に江戸時代後期の古民家と土蔵、納屋、消防小屋などを移築し、復元したのが次大夫堀公園民家園。
 
家の中や軒下には民具が置かれて、靴を脱いで中にも自由に入ることができ、民具などに触れることもできます。昔の世田谷の農家の暮らしを疑似体験できるかも。ボランティアの方(たぶん)がいらっしゃって、いろいろと説明もしてくださるような。私が行ったときは先客がいて、話し込んでいるようでしたので、お話は伺いませんでした。
 

 
この民家園は、1988(昭和63)年11月に開園。名主だった安藤家のお屋敷には主屋1棟、庭には土蔵があり、ちゃんと門もついています。中に入ると機織機や内倉に収められた櫃などを見ることができます。名主の家らしく式台もついていて、入口の感じは小さいながら本陣の様子にちょっと似ていました。土間も広く、農業用具がたくさんありました。
 
もう一つの民家、加藤家はごく普通の農家だったのでしょうか。広々とした畳の続き部屋が一つと、板の間の囲炉裏の間があり、土間に下りるとかまどからにかけられた鍋からいまにも弓削が上がりそうです。埋め込まれた甕のようなものには、いったい何がしまわれていたのでしょうか。
 
もうひとつの民家は、食堂のようなものになっているようです。何人かの、しかもそうとうにうるさい(笑)子どもたちが駆け回っていたので、入ってはみませんでしたけど(^_^;) 入場無料なので、近所の方々の憩いの場っていう雰囲気もあるようです。あんまりうるさい子どもが多いと、その家族以外の人は憩えませんけどねぇ(笑)
 
消防小屋には、昔の消防に使われたポンプや消防士の衣服などが展示され、消防の歴史なども勉強させてもらえます。隣には半鐘もあり、火事の規模によって半鐘の叩き方の違いなどが掲げられています。なかなかおもしろいですね。この小屋の前で熱心に向かいの民家を写生しているおじさんがいました。わき目もふらず……。
 
そのほかにもう一つ蔵があり、そこは鍛冶場になっていました。鍛冶の話はまた明日(^_^;)
 



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2008/10/20  (月) 

日本橋「べったら市」

日本橋小伝馬町、時代小説ではおなじみの町ですが、毎年、ここで行われる恵比寿講「べったら市」へ行ってきました。「べったら市」は、江戸中期の中期、宝田恵比寿神社の門前で10月20日の恵比寿講のために、前日の19日に市がはじめたことがその起源だそうです。
 
大根のべったら漬けがよく売れ、この麹のついた大根を「べったりつくぞぉ〜、べったりつくぞぉ〜」と叫びながら振り回して売ったことから「べったら市」と名づけられたのだとか。アメと麹で大根を漬け込んだそがべったら漬けで、ほんのり甘くて、おいしい大根になっていました。でも、100gあたり300円とか400円とか、けっこう高価です。大根1本が2,000円ぐらいになってしまうのですよ。
 
恵比寿さまは江戸時代以降、商業の神様として信仰を受け、恵比寿講には多くの商人が集まっています。ここ日本橋の恵比寿講は日本橋七福神の恵比寿さまが祀られている宝田恵比寿神社の前に市が立ちます。「べったら市」とよばれるようになったのは明治以後だとか。
 
今日は、平日の昼間だというのにかなりなにぎわいでした。夕方から、またいっそうにぎわったのではないでしょうか。有名な店が出すべったら漬けの露店のほかにも、たこ焼きやお好み焼き、金魚すくいなどたくさんの露店が建ち並んでいます。こぶりなべったら漬けを1本買うと、露店のおにいさんから「今年は今日で終りだから、また来年、買いに来てね〜」と言われました。鬼が笑う(笑)
 
ビニール袋に入れて、紙で包んで、さらに袋に入れて……。でも、けっこう臭うのですよ。べつに悪臭ではないのだけれど、電車の中でちょっと肩身が狭かったです。とりあえず、友人の事務所に飛び込んで、さらに厳重に、幾重にも袋に入れて縛ってみたのですが、やっぱり、やや臭いが……。通勤ラッシュになる前に、そそくさと帰ってきました(笑) でも、おいしかったです!
 



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2008/10/19  (日) 

喜多見氷川神社「例大祭」

世田谷区喜多見の氷川神社例祭に行ってみました。駅から遠い〜。しかもほとんど人通りのない住宅街で、「お祭りなんか、やってるのかなぁ」という感じです。まっすぐ行けといういうから来たものの……。教えられたほうと逆側から太鼓と笛の音が聞こえてきます。ちょっと戻ってのぞいてみると、氏子さんの詰め所かなにかのようです。お囃子の音はテープで流しているものでした。初老の方がポツンと所在なげに座っています。でも、祭り装束だから、お祭りはありそうです。
 
しばらく行くと、前方にこんもりと森が見えてきました。住宅街の中の森、これは鎮守の森でしょう。氷川神社はきっとそこにあるのだと思い足を速めました。風に乗ってかすかにお囃子の音も聞こえてきます。
 
喜多見氷川神社は740(天平12)年の創建と伝えられ、もっと多摩川に近いところにあったらしいのですが、14世紀の半ばに壊滅。洪水だったのでしょうか。詳細はわかっていないそうです。1570(永禄13)年、江戸開祖の江戸重長の末裔でこの地の領主だった江戸刑部頼忠(後に喜多見氏と改名)がこの神社を修復、1628(天和2)年に喜多見若狭守勝忠が再興したと伝えられています。
 

二の鳥居は 1653(承応3)年に喜多見勝忠の子、重恒と重勝の兄弟によって建立されたもので、都区内の鳥居としては最古の部類に入り、世田谷区有形文化財に指定されています。参道を抜けて社殿入る左側には、付近から出土したという石棒が立石大神として祀られています。そこに卵が備えられていたのですが、なんででしょう?
 
神楽殿では、夕方から里神楽が演じられるそうですが、ちょっと時間が早かったのでお囃子が演奏されていました。あいにくお神輿は巡行にでてしまって、お留守。ひょっとして神様のいない社殿に一生懸命にお祈りしたってことでしょうか(笑) これはお神輿を探しに行かなくては!
 
同じような住宅が建ち並んでいるので、来た道を帰らないと迷子になってしまいそうです。戻りかけると、どこからか太鼓の音が響いてきます。反対方向だけど……、見に行ってしまいました。大勢の子どもたちが引く大太鼓に遭遇。でも、ちょうど休憩に入ったところです。大太鼓の後ろにはお神輿が来るのかな、と。警備の方に伺うと、はるか後方をお神輿が巡行中だそうです。行ってみよう! だいぶ歩いた路地の奥でお神輿を発見。神様はこちらに?
  
で、見事に迷いました。再び、警備の方に道を聞くと、とってもわかりにくいので、とりあえず右に曲がって大きな通りにでなさいととのこと。たぶん、多摩堤通り。広い道に出て、世田谷通りを目指すと、バス停にして2停留所ほど成城寄りに振られてました。さすが世田谷区である、と(笑) 迷ったおかげで、次大夫堀公園という民家園を見つけ、鍛冶仕事を見せていただくという楽しい体験をしました。その話はまた後日。
 



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2008/10/18  (土) 

バラフェスタ「神代植物園」

友人から電話があり、「いまラジオで深大寺でそば祭りやってるってよ。行ってきたら?」と。天気がいいのにグダグダしていたので、それでは行ってみるかと腰をあげました。しかし! 到着したのが午後2時近くで……、そば祭りのイベントは終わっていました。それはそうですね、いま中継してるよって言われてから出たのでは。いくら多摩地域在住でも深大寺の隣に住んでるわけじゃない……(^_^;)
 
深大寺には、その名前の由来でもある「深沙大王」という神様にまつわる「縁結び」の物語あります。毎年(たぶん)、それにちなんだ恋愛小説を募集していて、そば祭りはその受賞作品の発表会も兼ねていたようです。恋愛小説に興味がないのでスルーしました(笑) お正月や「だるま市」には及びませんが、恋愛小説のせいか、お天気がよい週末のせいか、そば祭りのせいか、参道もお蕎麦屋さんも多くの参詣客でにぎわっていました。

  

深大寺といえば蕎麦が有名ですが、近くの畑ではちょうど蕎麦が白い花を風にそよがせていました。もっとも、いまはこのあたりで育った蕎麦が食に供せられるわけではなく、これは見本のようなもの。畑の広さは、2坪といったところでしょうか。このあたりも都市化が進んでいますから、無理もないのでしょう。
 
せっかくここまで来たのだからと、神代植物園へ。ちょうど「秋のバラフェスタ」が開催されています。入口で植物園の雑木林から集めてきたというどんぐりや松ぼっくりを案内していました。小さなお子様にはくださるそうですが、オトナはダメよ、と(笑) バラ園ではジャスのコンサートも行われていました。バラとジャズ、案外、合います。
 


秋のバラは、春のバラに比べると花は小ぶりですが、香り高いのが特徴です。と、園長さんが言っていました(^_^;) いまが盛り! バラは1輪でも華やかですが、たくさんの花が咲きそろうととてもゴージャスな感じがします。大きい花や小さい花、花びらの形や色も多様ですが、どうも遠くで見たほうが美しく感じるものと、近くで見たほうが美しく見えるものがあるように感じます。
 
遠くで見て「わー、きれいだなぁ」と思い、近寄ってみると「カトリーヌ・ドヌーブ」と命名されたフランスのバラでした。濃いピンクで花弁も豊か、近くで見てもきれいでした(笑) 派手な感じがしますが、これぞ薔薇というイメージですね。他にも美しい花がたくさんあります。10月いっぱい開催されているそうなので、御用とお急ぎでない方は、ぜひ見に行ってみてくださいまし。
  

  

  

 



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大分のかぼす
昭和記念公園「コスモスフェア」