ある小説の中に、世界を旅して「何を祀ってあるのかわからないんだけど、地元の人が拝んでいるものには手を合わせることににました。そうしたら、なぜか商売がうまくいくようになったんですよ」というフレーズがありました。SFだし、本筋とはまったく関係ないんだけど、心に残った一節です。そんなわけで(どんなわけで?)、日々の何気ないできごとを綴ってみようかと思います。
2008/11/04  (火) 

久遠寺(甲斐霊場第108番)

甲斐霊場巡りの終着点、身延山久遠寺にやっと行ってきました。前に行ったことのあるお寺だったこともあり、ついつい延び延びになっていたのですが、107で尻切れトンボにするのも気持ちが悪いので、「そろそろ山も色づくころかな」を見込んで決行。いちばんきれいだったのは甲州街道の街路樹で、山はもう一つというところでしたが。

 

やっぱり日蓮宗の大本山だけあって、大きなお寺ですね。本堂がとりわけ壮大というわけではありませんが、山全体が寺域というのがスケールの違いを感じさせます。本堂のあるところだけでも、本堂、祖師堂、仏殿、納牌堂、梵鐘と建ち並んでいて、境内はちょっとした運動会ぐらいできそう(^_^;) 

 

1624(寛永元)に造られたという梵鐘は、かつては明六つ、暮六つという感じで近隣に時を告げていたようですが、いまは大晦日に撞かれるだけのようです。落ち葉を掃いていた寺男(というのでしょうか)のような方が、「除夜の鐘を聞きたかったら、大晦日の朝から来てなきゃ、ダメだよ」と教えてくれました。さぞかし、混雑するのでしょう。

 

クルマで裏から回ってきちゃったので上りませんでしたが、正面の石段は287段あるそうです。「菩提梯」と呼ばれているのだとか。400年近く前に、信者が先祖の菩提を弔うために発願し、数代かけて完成したものだといいますが、いや、菩提は弔わなくても……と思わず尻込みするような急な石段です。ここまで来るまでにも山門からずいぶん坂を登り、石段を踏みしめという感じですから、クルマのない時代は信心だって健康じゃなくてはできなかったんですよね、きっと。

 

石段を登りきったところに新しい五重塔が完成しています。明日(11月5日)がお披露目だそうです。かつて身延山には五重塔があったそうですが、何度が火災で焼失。やっと新しい塔が復元されるというので、竣工式が執り行われるのだとか。ご落慶法要は来年の5月だそうです。きっと多くの方々が駆けつけ、にぎわうことでしょうね。ということで、その日は避けて今日にしたという(笑)

 

裏手のロープウェーで山頂まで行ってみました。ここには奥の院、思親閣があります。ロープウェイから眺める山々は秋の気配を濃厚にみせつつ、まだ持ちこたえているといった風情。一面の紅葉という風景ではなくてもなかなか風情があります。自分の乗っているロープウェイの影がくっきりと木々の上を走っていくのもおもしろい風景でした。

 

小春日和だった今日は、空も春霞のようで、ちょっとぼんやりはしているものの富士が姿を見せていました。雪を頂いているときのほうがきれいですが、改めて稜線の美しい山だなぁと感じます。

樹齢700年を越す「日蓮お手植えの杉」というのが4本、残っています。日蓮上人って、なんとなく伝説の人物のように感じていたのですが、確かに「ここで生き、笑ったり、泣いたりしていた生身の人だったんだ!」と太い杉の木を見て改めて思ってしまったのでした(^_^;)

  



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2008/11/03  (月) 文化の日

箱根大名行列

雨ニモ負ズ風邪ニモ負ズ、箱根大名行列を見に行ってきました。雨は降っていませんでしたが、どんよりとした空で、なんとなく生暖かいような風が強かった文化の日の箱根。今年で55回目を迎えるという恒例行事です。余談ですが、箱根登山鉄道は今年で120周年だそうですね。1888(明治21)年創業! こっちのほうがすごいのではないかと思ったりしました。
 
それにしても大混雑。私にしてはちょー早起きで出かけて行ったつもりですが、小田急線のロマンスカーは満席でした。しかたがないので、普通の急行に揺られて箱根湯本へ。ちゃんと午前中に着いたのに、沿道はけっこうな人の波です。駅は、人間が歩くだけでも交通規制が行われるという案内が叫ばれています。

 

駅前で地図を貰って、すでに出発している行列を前から迎え撃とうと出発。途中でおいしそうな豚汁とおにぎりを売っている屋台に出会い、そこでみごとに撃沈されました(笑) 肌寒い中での豚汁は本当にうれしいものです。やっと箸を置いて前進すると、行列はすでに昼休みに入っていました(^_^;)
 
 休憩を終えて行列が出てくるのを待って、見物人がそろそろ座り込みを開始しています。三列目ぐらいにスペースを確保して、待つこと1時間。前座じゃないですが、よさこい踊りと太鼓を披露していただきました。そして、ついに「下にー 下にー」と大きな掛け声が聞こえてきます。わくわくしていると、その声は広報車のスピーカー(笑) これはちょっと……、いかがなものでしょうか(笑)
 
まず登場したのは、火縄銃の操作方法を保存するために発足したという「小田原北条鉄砲衆」。火縄銃の実演をしてくれたのですが、これがけっこうすごい音で、最初の一発は本当に飛び上がりそうになりました。かなり迫力があります。
 
続いて、露払いを先頭に、六尺、挟み箱、毛槍を持った奴さんの登場。歩き方が独特でおもしろいですね。挟み箱と毛槍を空中に投げて相手が受け取るのはすべてのタイミングが合っていて、見ごたえがあります。拍手がわきました。そして弓隊、鉄砲隊、徒士隊と続き、お小姓と大名の駕籠とそれを守る家老たち、奥女中、長持などがやってきます。正直にいうともっと会津祭りのような長い行列を予想していたので、ちょっとあっけなかったですが。
 
江戸時代、大名行列のお供の数や規模は、各大名の領地の石高によって決められていたそうです。この箱根大名行列は、小田原藩11万3000石の格式にならっているとか。まあ、加賀百万石とか篤姫のふるさとの90万石とかに比べれば大藩ではありませんから、こんなものなのかもしれません。
  

行列の末には、地元の小学生や立教大学、在日米陸軍軍楽隊などのマーチングバンドが続いています。そして、最後を飾るのは箱根湯本温泉郷の芸妓さんたちが踊る「ヨッシャ踊り」もパレードします。

  
 パレードが行っちゃっても道がふさがれているので身動きが取れません。パレードとは逆方向に歩いて駅を目指すと旧街道の石畳の坂道に出会いました。箱根の紅葉はまだもう少し先という感じでしたが、古の人々がきっと速足に通り過ぎたに違いないと思われる石畳を踏んでの散策も楽しいものでした。
 
駅に着いたら相変わらず行く人と帰る人でごった返しています。箱根に電車で行ったのは実は初めてで、箱根登山鉄道にも乗ってみようと思っていたのですが、あまりの人の多さにしっぽを巻いて、そのまま帰ってきてしまったのであります。
 



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2008/11/02  (日) 

風邪ひいたかも

今日は鏡池の話題を書こうと思っていたのですが、くしゃみがとまりません。風邪ひいちゃたかも(-_-;) 165歳にもなると、風邪だって命取りですから。そのうえ、酔っ払っているという現象もあります(^_^;)
 
今日は幼なじみの面々とわーわー過ごしたのでした。天保13年生まれの幼なじみってすごいでしょ? みんな超人ですね(笑) 私以外は、みんな昭和生まれらしいです。
 
はやめのパブロン飲んで、さっさと寝たほうがよさそうですね。
 



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2008/11/01  (土) 

ザ・ほうれん草

知らない土地へ行ったとき、そこに住んでいる人に案内していただくと、思わぬ喜びに出会うことがあります。今回の新蕎麦ツアーで、「あれ、どこへいくの?」という感じで連れて行ってもらったのが信濃町の小林農園さんでした。夕暮れが近づいて、かなり寒くなってきた頃、もう店じまい寸前の小林さんのお店に滑り込み。

白菜やキャベツ、色とりどりの大根、トマト、山のキノコ、どれも新鮮で元気いっぱい。中でも出会えていちばん嬉しかったのは、小林さんが5年がかりで改良したというほうれん草です。スーパーマーケットで売っているほうれん草に比べると根も葉も大きく、しゃきっとしています。小林さんが持ち上げた分で、1束2株ですよ! そして、これが100円! ポパイ派の私はほうれん草が大好きなので、そして、ほうれん草は冷凍保存もできるので、2束を買ってきました。
  
家に帰って、もう食事の時間は終わっているにもかかわらず、まず大きな鍋にお湯を沸かし、さっと茹でておひたしにしてみました。つまみ食いみたいなものです。うん、おいしい! なんというのかな、しっかり「ほうれん草」の味なのです。ただの葉物ではないという感じ。さすがは5年もかけて改良したという味わいです。
 
大根もやわらかくて、みずみずしくて、大きいのでも120円ですよ!(笑) そして、その大根を煮て、お客さんにふるまってくれます。お鍋から好きなだけいただいていいんですって。あまりにおいしいので、奥さんに「出汁はなんですか?」と根掘り葉掘り(^_^;) 煮干の出汁だそうです。家には煮干がなかったので、昆布と鰹節と干ししいたけで似てみました。家でもやわらかくておいしい大根の煮物が完成。
 
大根は普通の白い大根のほかに、赤い色のもの、緑色のもの、辛み大根を求めました。赤いのは漬物に、緑色はおろしにして食べました。辛み大根は、これから蕎麦を茹でて薬味に使おうと思っています。白菜やシメジなど、山のように野菜を買ってしまったので、いま我が家の冷蔵庫の野菜室はラッシュ状態。はみ出たものが新聞紙に包まれて台所に転がっています(^_^;)
  
さて、次は何を作りましょうか? 一緒に行った友だちは、私の3倍ぐらい野菜を集めたようで、彼女の家の冷蔵庫は大丈夫なのだろうかと……(笑) 寒くなってきているので、新聞紙に包んで転がしておいてもいいものも多いので、ま、大丈夫なのでしょう。
 



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2008/10/31  (金) 

信州新蕎麦ツアー信濃町「たかさわ」

恒例の新蕎麦ツアーは、メンバーの幼なじみで信濃町に住んでいる人がいつも案内を買って出てくれます。やっぱり現地の情報は地元の人に聞くに限るというわけで、私たちは下調べも何もせず、ちゃっかりご好意に甘えてしまっているわけです(^_^;)
 
今回、連れて行ってくださったのは信濃町の「たかさわ」という店。こちらも香り高い新蕎麦で、歯ごたえも喉越しも文句なし! 戸隠とは盛り付けがちょっと違うのですね。山を降りただけなのに。箸安めに出してくださったシメジの煮物も、山菜やキノコ、山の野菜の天ぷらも本当においしゅうございました。それほどお腹が空いているわけでもないのに、まさに別腹(笑)
 
裏庭から見下ろした谷あいの集落の風景も印象深く、美しいものでしたが、見下ろす辺りはもう新潟県なのだそうです。紅葉の始まっている木々と立ちこめた雲、合間から見える民家の屋根の鮮やかな色が見事なコントラストを見せていました。
 
このあたりのお蕎麦屋さんが集まって、スタンプラリーを実施しているそうです。スタンプを押す台紙をいただきました。順番にいってスタンプを集める……、そういう連続性にひかれるタイプでして(笑) この台紙は来年まで有効ということなので、全8軒、行ってみたくなりました。来年の秋は、お蕎麦の梯子に拍車がかかりそうです(^_^;)
 



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自転車ギコギコ
「レッドクリフ」