ある小説の中に、世界を旅して「何を祀ってあるのかわからないんだけど、地元の人が拝んでいるものには手を合わせることににました。そうしたら、なぜか商売がうまくいくようになったんですよ」というフレーズがありました。SFだし、本筋とはまったく関係ないんだけど、心に残った一節です。そんなわけで(どんなわけで?)、日々の何気ないできごとを綴ってみようかと思います。
2008/12/05  (金) 

漢方薬

今日の東京は、風が強くて飛ばされそうなくらいでした。しかも、妙に暖かく……。ささやかな我が家の秋もけっこう風に飛ばされて紅葉した葉も落ち、そろそろ本格的な冬が訪れる気配が濃厚です。週末から寒くなるという予報ですね。
 

先日の、夜中に眼が覚めるほどの腰痛。3年に1回ぐらいしか医者には行かないという私も、這うように整形外科に行ってきました。インターネットで、代替医療に理解のある医院を探して。
 
3年前ぐらいに膝が腫れたときに行った整形外科では、レントゲン撮って、注射器で水を抜かれて、「はい、おしまい」みたいなことで、ちょっと納得がいかなかったのです。次に膝が腫れたときは、冷やしたり、温めたり、自力で治しました(^_^;) 股関節痛に関してはカイロプラクティックのほうが、効果がありました。ヘタなスキーで転げまくった結果として、整形外科だけは縁が切れず、したがって「ちょっとウルサイ」のです(笑)
 

このたびの整形外科は、ペインクリニックも同時に標榜しています。レントゲンを撮ってわかったことは、股関節痛の根本原因はどうも腰骨ではなく、背骨にありそうだということ。スキーでは右の腰が内側に入る癖があるのですが、そっち方向に背骨が歪んでいました。素人目でもわかるほど! それが周囲の筋肉や腱に影響を与えているみたいなのです。
 
原因はともかく、まず痛みをとりたい! その整形外科医が最初にチョイスしたのは、痛み止めの漢方薬でした。私は漢方薬にかなり信頼を持っているので、これは納得。漢方薬というと「ゆっくり効く」「慢性病に効く」と思っている方が多いのですが、実は選択を間違わなければドラスティックに効きます。痛み止めにも何種類かあるようですが、ドクターが選択した薬を5日分、処方してもらいました。もちろん保険で(^_^;)
 
体質に合うか、合わないかは1包目を飲んでみればわかると思っています。というのは、弘前の内科のドクターで50年以上に渡って漢方薬を研究してきた方と以前にお話ししたとき、「飲んでみて、おいしいとか、好きな味」と思える漢方薬はだいだい効く」と伺い、妙に納得した記憶があるからです。
 
私のいちばん好きな味は「五虎湯」で、咳と痰の風邪薬。喉があまり強くないのか、風邪をひくとたいてい咳につかまりますが、「五虎湯」に助けられています。そして、早く飲みたいと思うほど、おいしいと思うのですよ(笑) そして、今回の痛み止め。翌日には痛烈な痛みは去ったのですが、とりあえず5日分、今日で飲みきりました。もう、痛くはなくても飲んだのは、おいしい部類だったからかもしれません。
 
飲み終わったら、「効き目についても聞きたいので、もう一度、来てください」と言われています。明日、行ってこなくっちゃ。背骨のゆがみを治すのは漢方薬の分野ではないので、さて、何をしろといわれるでしょうか? 物理療法とかおっしゃってましたけどねぇ。痛いのと面倒くさいのはイヤです!(笑)
 



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2008/12/04  (木) 

東京の紅葉スポット2「旧古河庭園」

六義園は有名ですが、そこから駒込の駅をはさんで1キロと離れていないところにある「旧古河庭園」のほうは、さほど知られていないようです。同じ都立公園ですが、六義園に比べると規模が小さいからかもしれません。両公園の間には北区のコミュニティバスも運行していて、100円で行くことができます。が、10分かそこらです。散歩がてら歩いてみましょう。バスは1時間に2本だし(^_^;)
 

明治時代には辣腕外相として知られた陸奥宗光の邸宅だったそうです。1897(明治30)年、宗光が肺結核のために53歳で亡くなったのもこの地。宗光の次男が古河財閥創業者である古河市兵衛の養子となったため、古河家の手に渡り、1917(大正6)年に現在の洋館と和風&洋風の庭というかたちになったとか。都立公園として開園したのは1956(昭和31)年)、荒れ放題だった洋館の修復が完了したのは1989(平成元)年。そんなに前のことではありませんね。
  
六義園に比べれば敷地も狭く、庭園もコンパクトですが、その分、凝縮されているような紅葉が見事です。見物客も少なめですが、私はちょうど、修学旅行らしき団体に遭遇してしまいました。しかも男子校らしい(-_-;) スケッチなどをしていて、そんなに騒がしい生徒たちではありませんでしたが、まあ……、ねぇ……。
 
エレガントな洋館の前はバラの庭園になっています。盛りは過ぎていますが、まだ花を咲かせている種類もありました。幾何学的な植え込みで、これはこれで整然とした美しさがあります。自然の地形を利用したのでしょうか、一番上に洋館、階段を下ってバラの庭園、その下に下りていくと和風の庭園というつくりになっています。洋館からはすべての庭が見下ろせそうですね。
 日本庭園は心字池を中心にした回遊式庭園。そぞろ歩きのできる道にはさまざまな起伏があって、庭のいろいろな表情を楽しむことができます。池を離れて奥のほうへいくと、うっそうと茂った林や小川がしつらえてあり、都会の一角ですからさまざまな音は聞こえてくるのですが、「静か」というイメージが漂っています。
 
洋館はルネサンス調というのだそうです。入ってはみませんでしたが、1階は喫茶室になっています。だって、コーヒー1杯840円ですよ〜(笑) 中は食堂やビリヤード室、喫煙室、家族の居室などが残されており、見学することも可能。とはいえ、往復葉書での事前予約が必要なのでふらっと出かけた人には立入禁止です(-_-;) 結婚式場として貸りることもできるそうなので、ご予定のある方はご検討ください(笑)
 



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2008/12/03  (水) 

東京の紅葉スポット「六義園」

「六義園」は、徳川5代将軍徳川綱吉の側用人柳沢吉保の下屋敷の庭園。東京の人は「りくぎえん」と読めるでしょうが、知らなければ「ろくぎえん」って読んじゃいますよね。吉保が、和歌の世界を庭園で表現しようと設計したものだそうです。「古今和歌集」の序文にかかれている「六義(むくさ)」に因んでいて、むかしは「むくさのその」とも呼ばれていたそうです。
 
平坦だった土地に丘や池を掘って造ったものだそうで、さすが権勢を誇った吉保ちゃん、お金持ちだったんですねぇ。こんな庭を独り占めしていたのですから。いまも経済格差は広がる一方と言われますが、裏店の住人は宵越しの銭を持たないんじゃなくて、持てなかった時代ですから、経済格差も半端じゃないといった感じがします。
 
平日でもけっこうな人出で、カップルの姿が目立ちました。「カップル」というと若いふたりを想像しがちですが、こちらは60代、70代ぐらいのご夫妻。もちろん、グループも。団塊の方々が大量に離職して、観光産業を支えているんですよね(笑) 

 

ぬれ落ち葉の、枯れ尾花の、定年離婚の、という話が聞こえてくる中で、仲よく紅葉狩りデートを楽しんでいる方々もたくさんいらっしゃるわけです。ひょっとして、この世代が一番経済的にも安定している方が多いのかな? 入園料300円、65歳以上は半額ですが、この際、倍ぐらい払ってもらいましょうか?(笑)
 
庭園は広々としていて、紅葉もまっさかり。時間や光線の角度によって、ピンクにかすんで見えたり、真っ赤に燃えていたり、さすがに東京を代表する庭園のひとつです。晴れた日には、池の周りに茂る樹木が水面に映って、幻想的な雰囲気をかもしだしています。
 
小さな離れ小島では、水鳥が大きく羽を広げて日光浴。どうやら羽を乾かしているようですが、けっこう長時間にわたって身動きもしないので、置物かと思いました。そばではカラスが飛んできてパシャパシャ。カラスの行水ですね(笑) 

 

これがけっこう長くて、隣を歩いていたおじさまが「カラスはけっこう長風呂だなぁ」と感慨深げにつぶやいていました。うん、うん。同じようなことを考えている人がいるなぁと思わず笑ってしまいました。
 
時間を決めて、ボランティアの方々による園内説明ツアーもあります。私は参加しませんでしたが、あちこちに残されている歴史の片鱗を知るためにはツアーについて行くのが正解かもしれません。

橋や灯籠など、いわれのあるものが随所にあります。私が帰ろうとした頃、このツアーは始まりましたが、何人かのご案内で、何グループかできていたようです。
 



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2008/12/02  (火) 

やっちゃった!

「やっちまったなー」というのは、最近のお笑いコンビのキメセリフのようですが、私も「やっちゃった!」。お財布を落としました。私を個人的に知っている人は、「またか!」と思うに違いありません。そそっかしいというのか、おっちょこちょいというのか、惚けているというのか、首都圏の鉄道の「拾得物センター」とか、タクシーの営業所などには何度、足を運んだことか……(-_-;)
 
でも、そういう拾得物を預かってくれるところに足を運んだということは、「出てきた」ということでもあります。自分のもっている運はすべてそこに使っているのではないかと思われるほど、失せモノ落としモノが拾ってもらって、届けてもらえるという強運を持っているのですよ(笑) 電話ボックスに置いてきた手帳を、次に入った人が発見して、わざわざ送り届けていただいたこともあります。だから、今回もきっと出てくるに違いないと妙に確信をもっていました。そして、ちゃんと拾って届けてくれた方がおりました(^_^;) 落としたのがオペラシティの中だったのが幸いだったかもしれません。
 
これだけ落し物、失くし物をすると、私もちょっと学習します。つまり、どれか一つがなくなっても困らないように小銭とカード類などを分けて持ち歩いているわけです。今回の落し物は、小銭の財布のほう。いつもせいぜい2、3000円しか入れてません(^_^;) その前に食事で2000円払っちゃったので、500円程度しか現金は入っていなかったのでした。しかし、運転免許証とETCカード、1万円ぐらい入ったEdyカードが入っていたので出てきてほしいには違いありません。とくに再発行が面倒な免許証は。
 
最近は電車に乗るときは、これまた別のカード入れのパスモで改札を通り抜けるので、財布を失ったことに気づくのが遅れます。「あれ、ない! どこで?」と考えると、最後にバッグを開いたのは、レストランのレジ。従って、その近辺があやしい……。
 
というわけで、オペラシティの遺失物センターに電話をかけて問い合わせてみましたところ、ちゃんと届いていたというわけです。電話口で優しい声の男性が「でも、お金が入っていないのですが……」と申し訳なさそうにおっしゃいました。お札だけ抜かれた可能性がある、ということですね。よく、盗った人が中身だけを抜いて財布を捨てるという話も聞きますから、心配してくださったようです。「あ、いえ、お金は入っていないんです。免許証が入ってるもんで……」と言うと、「それなら、よかったです」とおっしゃって、免許証が入っていることを確認してくださいました。
 
「お金の入っていない財布」というのが、妙に恥ずかしいような……。「Edyに1万円以上入ってます!」とか、「財布をふたつに分けてます!」とか、こんなところで言い訳してもしょうがないし(笑) そして、今日、受け取りに行ってきました。そのとき、「身分証明となるものを」と問われ、「あの、免許証がそっちに……」と。受け付けてくれた方が、「どうしましょう?」という顔になりました。別のお財布に保険証が入っていることに気づき、それを出しましたが、あれって写真はないんですよね。身分証明書になるんでしょうか? まあ、内容物の照合はできていたので、今回は形式だけのものだったようですが、こういう場合、パスポートでも持っていったほうがいいのかもしれませんね(笑)
 
運転免許証もない、パスポートもない、昨今は保険証も発行してもらえない人々もいるようで、こういう人は、どうやって自分が自分だということを証明したらいいのでしょうか? そんな疑問が次々にわいて、今日は朝から妄想で1日を過ごしました。
 



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2008/12/01  (月) 

N響コンサート

東京オペラシティコンサートホールで行われたN饗コンサートへ行ってきました。オペラシティも巨大なクリスマスツリーのイルミネーションで飾られ、華やかな雰囲気が漂っています。今日のコンサートはNTT東日本の主催で、視聴覚障害者へのご招待席がありました。視覚障害者の友人から、「晴眼者の席がひとつあるから行く?」というお誘いを受け、「ラッキー!」とばかりご相伴にあずかりました。持つべきものはお友だち。なかなかオーケストラを聴きに行くようなチャンスはありません。というか、そんな優雅な生活を送ってないというべきか(^_^;)
 
曲目はロッシーニ「ウィリアム・テル序曲」、フンメル「トランペット協奏曲」、グリーグ「ペール・ギュント組曲」、チャイコフスキー「くるみ割り人形」の中の何曲かで、フンメル以外はクラシック音痴の私でもときおりは耳にするような、なじみのある曲目でした。コンサートの前に、別室でN響のアドバイザーの方から、曲目や作曲家、オーケストラの構成などについてお話をいただきました。裏話などもあり、お話が上手なこともあって、こちらもすごく楽しませていただきました。勉強にもなったし。
指揮者は長命な方が多く、90歳などは当たり前の世界なのだそうです。70代でやっとハナたれ小僧なのだとか。全身を大きく動かしてラジオ体操ばかりやってる職業だから元気なんじゃないですか、と(笑) 今日の指揮者はスイス生まれのシャルル・デュトワさん。年齢は秘密にしているそうですが、やっとハナたれ小僧になったぐらいではないかとのお話です。私には指揮者やその方のかもしだす音の評価なんかはまったくできませんが、ふわっとしたエレガントな指揮棒で、素敵なハナたれ小僧でした。2曲目の「トランペット協奏曲」ですが、ベネズエラ生まれのフランシスコ・フローレンスさんがソロでトランペットを演奏します。トランペットといえばライトスタンドから聞こえてくるヤツしかしらないような(^_^;)私には、華やかでありながらこんなに優しさにあふれた音色が出せるのかと驚かされました。ちなみにトランペットの協奏曲というのは2曲しかないそうですよ。
 
N響には110人が所属しており、今日は77人が演奏。「どの楽器でも給料は一緒なんですか?」という質問をした方がいて、笑えました。音符の数で給料を決めるわけではないので1曲で1回だけシンバルを叩く人も、ずーっと演奏し続けているようなバイオリンも一緒だそうです(笑) チューニングではコンサートマスターが「ラ」の音を出して合わせていきますが、この「ラ」という音は、赤ちゃんが生まれて最初に出す声の音階に近いのだとか。不思議ですね。9000年前に中国で見つかったチューニング用の笛も「ラ」に近い音程だったそうです。
 
チューニングの周波数は国際標準で440Hzと決められているそうですが、守っているオーケストラはほとんどなく、N響は442Hz、ウィーンフィルは444Hzでやってます、などという話もおもしろく伺いました。440Hzというのは、テレビや電話の時報のポーンという音の周波数だそうです。勉強になるでしょ?(笑)
 



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腰痛!
東京の紅葉スポット3「旧岩崎邸庭園」