ある小説の中に、世界を旅して「何を祀ってあるのかわからないんだけど、地元の人が拝んでいるものには手を合わせることににました。そうしたら、なぜか商売がうまくいくようになったんですよ」というフレーズがありました。SFだし、本筋とはまったく関係ないんだけど、心に残った一節です。そんなわけで(どんなわけで?)、日々の何気ないできごとを綴ってみようかと思います。
2010/10/29  (金) 

明の十三陵

明の十三陵、明大の皇帝13人の陵墓群は、北京の西北郊外、市の中心から50キロほど離れた天寿山の南麓にあります。中国に現存する皇帝陵墓群では最大のものだそうです。さもありなん、山全体が陵墓となっているようです。明代のはじめの皇帝、永楽帝の陵墓がいちばん大きく、前の皇帝より大きな墓を作ってはいけないという取り決めがあったとのことで、当然のことながら、だんだん小さくなって並んでいます。小さくなってといったって……、どれも広大です。
 
明代276年間には、16人の皇帝がいたそうですが、ここに最初の陵墓を作ったのは3代目の永楽帝で、1409(永楽7)年に建設をスタートさせたとのこと。生きているうちから盛大にお墓作りというのもすごいです。陵墓郡は北の山から南へ向い、街を見下ろすように立てられていますが、そういえば徳川家康も西を向いた廟を建て、死んでも西国をけん制したとか。トップに上り詰めた権力を握ったものは同じような発想をするのかもしれませんね。
 
いま一般公開されているのは、永楽帝の陵墓である「長陵」、隆慶帝の陵墓「昭陵」、そして14代目のある万歴帝の陵墓「定陵」だけです。残念ながら、ツアーは地下墳墓が公開されている「定陵」にしか連れて行ってくれませんでしたが。地下墳墓はいくつかの部屋に仕切られ、竜の飾りの付いた皇帝の玉座や鳳凰の飾りが付いた皇后の玉座、万暦帝とその皇后の柩などが安置されています。
 
この地下墳墓は、床から壁面、天井に至るまで大理石で作られています。隙間もなく石が積み上げられ、天井部は見事なアーチ。多額な資金が投入されたことが伺われます。地下墳墓からは、これまでに貴重な副葬品や遺骨など貴重な歴史的資料が数多く発見されたそうですが、布や紙は空気に触れて崩れてしまったとか。なんといっても惜しいのは貴重な書物が失われたことで、これに懲りて他の地下墳墓はいまだに封印されたままだそうです。崩さないですむ技術が発見される、とくに永楽帝の墳墓を開けられたらどんなものが出てくるのか、学術的にも期待がかかっているようです。
 
トコトコ、トコトコ、かなり階段を下った地下墳墓。「見てみたい!」という好奇心より、「こんなに下るって、帰りはかなり昇り……?」と、脚に故障を持つ私メは、そっちのほうが心配でした(笑) しかし、丘陵に作られているため、出口は上のほうにあったらしく、思ったほど昇らないですみました(^_^;)
 



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2010/10/28  (木) 

万里の長城

京に行った動機は、とりあえず万里の長城を一度は見ておこうと思ったからでした。この砦の長さは、遼寧省虎山という東端から、西端の甘粛省嘉峪関まで総延長8,851.8キロもあるそうです。日本列島いくつはいるの?という感じで、そのスケールを一度は目の当たりに見ておきたいと。目的はここだけなので、安いツアーをつかまえて、乗りました。
 
北京ツアーで案内される万里の長城は、市街からもっとも近い八達嶺が多く、かなり観光化されていて、観光客も多いと聞いていたので、金山嶺に連れて行ってくれるというツアーを選びました。まあ、これが間違いのもとだったという話もありますが、それは後日に(笑) 金山嶺も観光地として整備はされていますが、市街地からバスで2時間かかるということもあり、1時間で行く八達嶺よりは静かなようです。
 
早朝にたたき起こされ、バスで運ばれて行ったので、麓には1番乗り。肌寒く、朝日がまぶしい時間です。どんなに眠くても、これは正解です。まだ他に観光客が入っていないので、頑張って先頭に出ると、誰もいない静かな長城を味わうことができます。帰る頃には、遠くの砦まで蟻の行列のように人が歩いている風景に変りますから、ここは早起きは三文の徳ということになるでしょう(笑)
 
見渡す限り、長い長い砦が続いている風景は、さすがに壮観! この長城を作ったのは秦の始皇帝だといわれていますが、その大部分は明代に作られたもので、始皇帝は秦を統一後、それをつなげたということのようです。戦国時代から、いろいろな小さな国が北の異民族に備えるために長城を建設していたとのこと。領土意識の強い国らしく(-_-;)、あちこちで国境に長城を作りまくっていたようです。
 
金山嶺からは、険しい山の上に築かれ、あまり修復されていないという司馬台長城まで歩いていけるそうです。私たちが引き揚げる頃、ハイキング装備のドイツ人の団体が上り始め、9日間かけて長城をたどるのだと聞きました。日本にもこういうツアーがあればいいのに……。観光化されているところを見学するだけではなく、延々と長城を歩き続けるというのもおもしろそうです。全部は歩ききれないでしょうけど(^_^;)
 
ここで困ったのは、どこまでも物売りの人々がついてくることです。ツアーメンバーの数と同じか、それ以上の人数がずっとついてきて、絵葉書や写真集、巾着袋などを売ろうとします。それも、10枚1,000円、20枚1,000円と……。日本人は、とにかく安物を大量に1,000円といえば買うだろうというような感じで……。ばかにされているんじゃないでしょうか?(笑)
 
私は途中から先頭に走り出たのであまりうるさくはつきまとわれませんでしたが、ひとりに「いらない」と言っても、さっと次の人に入れ代わり、また「1,000円」だもの、彼らの貧しさを思うよりさきに気が滅入ります。しかしながら、こうしてどこでも物売りをしている人々は、顔つきが明らかに漢民族ではなく、少数民族のようです。共産主義の国はずだけど、どうも格差や差別はたくさんありそう……。
 



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2010/10/27  (水) 

いまどき北京へ

本日より北京に行って参ります。尖閣諸島だ反日デモだとかまびすしいさなかに何も行かなくても(笑) 計画が浮上し、予約したのはその前だったのですよ(^_^;) もともと中国は嫌いなんですけど(笑)、「万里の長城だけは見ておこうかねぇ」という話になったのは、昨年の暮れ。しかしながら、12月の北京の寒さは半端じゃないということで、いったん立ち消えたかのように思われたのが秋になって復活したのです。それも高い時期が終わって、厳寒になる前のびみょ〜な時期ということで(笑)
 
石原慎太郎東京都知事が、「中国人や中国文化は好きだが、いまの中国は大嫌いだ」とどこかで言っていました。さまざまなことに対する石原都知事の発言や行動は、功罪こもごもな感じで、強引な政治手法はあまり好きではありませんが、この発言に関しては「そうだよなぁ〜」と思ってしまいました。まあ、個人的には中国人や中国文化にもさほど興味はないのですが(^_^;)
 
境を接する国すべての島や土地を「自分のものだ!」と主張している感がありますね。あんな広い土地をもってるのに、まだほしがるわけ? という感じ。まだ未開拓の国土もあるだろうに。さきにそっちを開発しろよ、とか(^_^;) 教育と報道規制もなんとかならないものでしょうかねぇ。そんなこと、憎まれている日本人の市井の人間が言ったって、別に何も変らないのだろうけど。
 
尖閣の報復として、観光客の義務を放棄し、「中国では一銭もお金を落とさない!」と言ってはみたのですが、買い食いしないでいられるでしょうか? まあ、数日のことなので、我慢してみましょう(^_^;) だんだん自分が右翼になって行くようで怖いです(笑)
 



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2010/10/26  (火) 

怒る人

今日、総武線に乗っていたら、どこの駅だったかなぁ、「降りる! 降りるって言ってるんだ!」と大きな声を出して、人を掻き分けて降りて行った男の人がいました。電車が止まって、入口付近にいた人が降り、駅にいた人が乗り始めてからです。うっかり降りる駅になってから気づいたというのではなく、怒りを撒き散らしながら「オレ様が通る、どけっ!」という感じで……。
 
空いている電車なら、止まって、扉が開いてから立ち上がってもいいのでしょうが、混んでいるときはねぇ。降りる人はあらかじめ扉の前に待機し、開いたらさっさと降り、乗ってくる人に道を譲るというのが、正しい作法でしょう(笑) 都内の電車は停車時間も短いし。駅に電車が着いて、扉が開く前にすでに発車ベルがなっていたりしますものね。
 
作法の問題というより、最近は、このように怒りのようなものをつねに内在させている人が増えたような気がします。そして、ほんの些細なことで怒りを噴出させるというのか……。自分に向けられた怒りではなくても、不愉快というより、恐ろしさを感じてしまいます。怒りとか憎しみのオーラを発散させている、なんというか、精神の姿が歪んでいるような。
 
癒しとかリラックスということに焦点が当てられることが多いのは、現実は怒りと緊張に溢れているからかもしれません。なんか、もっと穏やかに暮らしたい……(^_^;)
 



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2010/10/25  (月) 

魔除け

ここのところ、朝、ちょっと早めに出かける日が多くなっていました。もともと朝食を食べる習慣はないのですが、朝が早いと当然のことながら(笑)、起きぬけに飛び出していくことになります。そんなとき、むかし祖母から「お茶一杯だけでも飲んでいきなさい!」と声を掛けられたことを思い出します。「朝、一杯のお茶は魔除けだから」と言われたものです。
 
お茶が悪魔祓いの力を持っているわけではないでしょうが、起きぬけに出かけるにしても、お茶を飲んでいくことで健康にも多少、貢献するということはあるのかもしれません。それに、そんな状態で飛び出していくときは慌てているに違いないということもあり、「ちょっとは落ち着け!」という効果も狙っている可能性もあります。
 
「朝、一杯のお茶は魔除け」というのが一般的に言われているものなのか、我が家だけの格言なのかよくわかりませんが、出かけるとき、ふと思い出して、とりあえず一杯のお茶を飲んでいく……。水やジュースじゃないところが、私もけっこう古風なんじゃないかと思うのですが(笑)
 



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訃報が……
故宮