ある小説の中に、世界を旅して「何を祀ってあるのかわからないんだけど、地元の人が拝んでいるものには手を合わせることににました。そうしたら、なぜか商売がうまくいくようになったんですよ」というフレーズがありました。SFだし、本筋とはまったく関係ないんだけど、心に残った一節です。そんなわけで(どんなわけで?)、日々の何気ないできごとを綴ってみようかと思います。
2010/11/05  (金) 

頤和園

頤和園は、ものすごく大きな庭園公園。1998年にユネスコの文化遺産に登録されたものだそうです。290万平方メートルもあるとのこと。なんでも大きい北京でも最大の広さを持つ公園です。よく東京ドーム何個分とか言いますが、東京ドームってたかだが4万6,700平方メートルぐらいですよ(笑) 
 
12世紀中頃から、宮廷で使用する水源を確保する貯水池として開発したのがはじまりで、15世紀末あたりからときの権力者の庭園として整備されてきたようです。19世紀に頤和園と名づけられ、かの有名な西太后の避暑地になったそですが、とにかくお金かけすぎで、当時の清朝としてもなかなかシンドイことだったとか。
 
建物はいろいろあり、3階建ての京劇の劇場などもありますが、例によってすすっと行って帰ってくるだけで、じっくり見ることはできません。しかも、土曜日だったせいか、お正月の浅草並みの混雑という感じ。ほとんどは中国各地からの観光客のようです。みんなお揃いの帽子やジャンバーのようなものを着て、旗を立てて歩いています。私たちのガイドさんも旗を立てて歩くのですが、旗を立てての観光って、修学旅行以来って感じです(笑)
 
中国人の観光ツアーのみなさんは、自由人が多いようで、並ばないし、集まりません。旗やお揃いの帽子は必需品でしょうね。なければすぐに迷子になるんじゃないかしら。それにみんな声がでかい(^_^;) それが大勢集まってしゃべくりあっているわけですから、うるさい、うるさい(笑) ガイドさんたちはその中で説明をしなければないので、拡声器を持っている人も多く、そんなこんなでものすごい喧騒です。
 
なので、ちょろっと観光でもお腹いっぱいという感じになりますが、もし、人が少なくて、静かであれば、本当に素敵なところなのではないかと思います。平日の早朝などであれば、いいのかも。ずーっと長い回廊の天井には、素晴らしい文様や絵が描かれていて、実に見事。遠くに築山と建物が見えましたが、そういうところをそぞろ歩いてみたいと(-_-;)


 



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2010/11/04  (木) 

盧溝橋

盧溝橋といえば、盧溝橋事件のことだけを知っているという感じだったので、なんで観光?と思っていました。世界遺産になるような由緒のある橋だとはつゆ知らず(^_^;)  盧溝橋は1192年 に完成。何度か修復が施され、現在は全長266,5メートルの永定河(むかしは盧溝河といったそうな)に架かる石造りのアーチ橋です。橋の欄干は、それぞれが異なる表情や姿をした獅子の像になっています。なんと合計501もあるそうです。
 
マルコポーロが「東方見聞録」の中で、この橋を「世界中どこを探しても匹敵するものがないほどの見事さ」と記したことから、西欧ではこの橋のことを「マルコポーロの橋」と呼ばれているそうです。橋のたもとには乾隆帝の筆と伝えられる「盧溝暁月」の石碑があります。この皇帝がここで月を見たということ、現在でも月見の名所になっているのだとか。
 
日本では、やはり月見の名所というよりは盧溝橋事件の場所として知られていますよね。1937(昭和12年) 7月7日に起きた謎の発砲事件が日中戦争の発端となったと学校でならったのではないでしょうか。この戦闘で日中あわせて100人ぐらいの死傷者を出したとのこと。死傷者は圧倒的に中国側に多かったようですけど。
 
バスを降りて一番先に目に入るのは、橋のたもとにずらりと並べられた大砲です。当然、日本軍がいたほうへ向けられているのでしょう。これはいまでも抗日の象徴なのかな? かつては日本も、そうとうひどいことをやってきましたからねぇ。日本と中国、積年の恨みつらみが、どこにもここにもあるようで、互いに政治が変り、体制が変っても、そう簡単には歩み寄れないねぇと思いました。
 



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2010/11/03  (水) 文化の日

故宮

天安門をくぐって、まっすぐ歩いて行くと故宮です。ここも広い、広い! 歩く、歩く! 故宮の本名は「紫禁城」というのだそうですが、そういえばそんな名前の肉まん屋さんで、よく肉まんを買ってスタジアムにいったなぁと。閑話休題(笑) 明・清時代の古い宮城なので故宮と呼ばれているそうです。約490年間、24人の皇帝の住んでいたのだとか。江戸城も負けますね(笑)  1420年に永楽帝が竣工し、明代末にいったん破壊されたあと、清時代に復興されたもの。
 
南北960メートル、東西760メートルもあり、江戸城跡(皇居)が3つ半ぐらい入っちゃうほどの広さがあります。高さ10メートルあまりの厚い城壁に囲まれ、外堀は幅50メートルを超えるとか。ここに9,000近くの部屋があり、明代には後宮に9,000人の女性と、10万人の宦官が住んでいたといわれます。ガイドさんは「大奥のようなもの」と言っていましたが、スケールが違いますよね。大奥にいた女性は3,000人ぐらいでしょ? 大奥というより、オスマン帝国のハーレムと言われたほうがピンとくるような(笑)
 
現在は、ここにたくさんの美術品や文化財が展示されている博物館がある……はずなのですが、どこにも案内してもらうことはできませんでした。スタスタと建物をいくつか見て歩いただけ。屋根の上に並んでいる魔除けの人形のようなものは、神様、龍など偉い順番にならんでいるなどいくつかおもしろい点もありました。石柱が段々に並んでいて、雨が降るとすべての口から水が流れ出るようになっている排水と美観を兼ねた庭も素晴らしいのだけど……、とっとと案内されたのは裏庭のようなところ。
 
ここにはたくさんの書が飾られていました。ラストエンペラー愛新覚羅溥儀の子孫というおじいさんがいて、書をしたためるところを見せてくれます。それはいいのだけれど、それを掛け軸にして、さあ、買えと(-_-;) 「なんでも鑑定団」に出せば値がつくとか、少し置いておけばもっと高くなるとか……。「なんでも鑑定団」に出品するものを探しに来たわけではないのですけどねぇ。
 
ちょっと偵察と安いツアーに乗っかちゃったほうが悪いといえば悪いのですが、この「買い物」は、事前の案内にあった「ショッピングにお連れします」の項目にはなかったものです。1日2箇所の「ショッピング」は多いと思っても、「安いツアーの宿命」と思ってあきらめていましたが、3箇所目もあったわけです。その上、バスの中でもお土産の押し売りに近い状態。こんな時期に「反日感情は大丈夫?」なんて言われながら北京に行ったわけですが、反日感情というものは表面的には感じませんでした。感じたのは、日本人から搾り取るだけ搾り取ってやろうという商魂でしたねぇ。
      
ちなみに、3万だ、5万だというこの掛け軸を買った人も数人はいました。「なんでも鑑定団」に出品?(笑) 私と姉やんは、ここに限らず、どこでも何も買い物をしなかったので、ガイドさんには嫌われた模様(^_^;) そりゃ、そうでしょうねぇ、マージン商売なのでしょうから。とはいえ、なんとこのツアー、21人の参加でしたが、私が最年少でした。姉やんがその次で、あと60歳代らしき人がひとりぐらい。残りはみーんな70歳以上で、リタイヤ組のご夫妻が多く、女性の5人グループも。みんな財布の紐はゆるいのでしょう。景気の悪い日本の中では「富裕層」ですね(笑)  中国って、年を取ってから行くところだったんだ……(^_^;)
 



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2010/11/02  (火) 

天安門広場

天安門広場にも行きました。だだっ広い……。テレビでよく見かける風景です。「天安門事件」というイメージしかないのだけれど。そんな事件があったからでしょうか、この広場に入って行く地下通路で、荷物検査があります。広場の周りを広―い通りが囲んでいるので、どうも入口はみんな地下通路を通り抜けなければならないようです。連れが呼び止められ……、どうも水の入ったペットボトルがひっかかったような。おお、拘束されちゃうか?と思ったら、団体客だとわかったようで、行け!という感じで通されました(-_-;)
 
門にはおなじみの毛沢東の写真、絵画かな?が掲げられ、広場の南の中華門跡地付近に毛主席紀念堂が建設されています。左を向けば人民大会堂。ここで、さまざまな国際会議なども行われてきたはずです。右を向けば、博物館のようなものが見えます。天安門広場には、最大で50万人を収容できるそうで、ここにぎっしり人が入ったら、すごい景観になるだろうなぁと……。ちょっとビビリますねぇ(笑) 観光客もいっぱい歩いていますが、警備兵も頻繁に行進してたりして、かつて事件が起きた場所でもあるためか、ものものしい気配もしないではありません。
 
さすが14億の民が暮らす国だけあって、何もかも大きいなぁという感じ。ひとりっ子政策によって人口抑制が図られ、2人目を生むとものすごいペナルティがあるらしいです。そこで、公式発表は13億5,000万人ですが、 実は地方には届出がなされていない2人目人口が5,000万人ぐらいいるのだとガイドさんが言っていました。学校などはどうするのだろうと、他人事ながらちょっと心配(^_^;) 
 
このガイドさんは、お子さんがふたりいるそうです。これは奥さんが日本人で、子どもは日本国籍にしているから可能なのだとか。こういう逃げ道もあるのなら、ひょっとして14億人を超えてない?(笑) 世界の人口の5人に1人は中国人なのだそうですが、実は4人にひとりだったりして……。数では太刀打ちできませんね(-_-;)
 



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2010/11/01  (月) 

輪タク

明代から続く北京の街並を構成していた庶民の住宅街を胡同(フートン)というそうで、オリンピックのための市街地整備でほとんど取り壊され、現存しているところはほんの一部になってしまったそうです。自転車タクシー(輪タク)での胡同めぐりが、新たな観光スポットに組み入れられているようです。
 
観光バスで連れて行かれて、バスを降りると、後にリヤカーの座席つき版のようなもを引いた輪タクがずらりと並んでいます。これがまた、すごい数なのです。次々といくつもの団体観光客に振り当てられ、客が乗ったらどんどん走り出すので、渋滞するくらいの輪タク行列ができます。ドライバー?は、たぶん中国語しか話さないのだと思いますが、終始、無言。とにかくリアカーに揺られて街並みをぐるっと回ることになります。住宅街というけれど観光化が進んで、ほとんどは商店になっているような。
    
私たちは何を見ればいいの?と思っているうちに、自転車タクシーは出発点に戻り、チップを請求されて、終了。中国にチップの習慣はないそうですが、欧米人がチップを渡すので、「もらって当然」の雰囲気ができているそうです。140円ぐらいだから、いいんだけどね(笑)
 



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天壇公園
再び、王府井