世田谷散歩/勝光院
ストレスが溜まる一方の幼なじみから突然、電話がかかってきて、「世田谷を歩かない?」と。なんで世田谷? 実は私たちは、あの玉電の沿線の学び舎で机を並べていたのでした。懐かしいといえば、懐かしい……。とはいえ、思い出といえば、寄り道禁止の巡回をしている教師の目を盗んでラーメンを食べたり、ソフトクリームを食べたり、そんなことばかりです(笑) 豪徳寺の商店街も様変わりしてます。駅がずいぶん変りましたからねぇ。玉電もおしゃれな外装になりました。懐かしのラーメン屋さんがあったのですが、移動して改装したのではないかと。記憶にある場所よりだいぶ北に移動している感じです。
そういうわけで食べ物にしか記憶のない私たちは、地図を見て、勝光院へ行ってみることに。学校から徒歩5分ぐらいだと思うのですが、存在すら知りませんでした(^_^;) 勝光院は、1335(建武2)年(1335)に開山、世田谷城主吉良治家が開基となったお寺で、1573(天正元)年、吉良氏朝が父頼康の院号(勝光院殿脱山浄森大居士)から興善山勝光院と改称したそうです。立派な竹林があり、なかなか風情のあるたたずまい。世田谷城にあった千手院の本尊千手観音が、本堂に安置されているそうですが、この日は扉が閉ざされていました。
このお寺のお墓所には吉良氏代々の墓が並んでいます。吉良氏は三河国吉良荘より起こった清和源氏の支族で、世田谷吉良氏はその庶流だそうです。14世紀後半、治家の代に世田谷に居館を構えたと伝えられ、室町・戦国時代は、足利氏一族として世田谷地域を支配していたそうな。江戸時代になって関東が徳川の支配下に入ると所領は移されたものの、幕末まで旗本として存続し、勝光院はずっと吉良氏の菩提寺としてある続け、お墓所には28基の墓石と、いくつもの墓塔があります。
吉良といっても上野介とは関係なさそうですが。このお墓所に山茶花がかわいらしい花をつけていました。私は一瞬、「椿?」といったら、友は「花びらが落ちてるから山茶花でしょう」と言ったあと、「椿はまずいでしょう、吉良だけに」と付け加えました。それが妙におかしくて、「吉良だけに椿はまずいよねぇ」と私はひとりで笑い転げておりました。どうってことはないひと言ですが、これがツボにはまるってやつでしょうか(笑)
世田谷にある梵鐘としては、2番目に古いという立派な梵鐘もあります。1698(元禄11)年、に作られたものだそうです。アジア・太平洋戦争のときに供出されたそうですが、奇跡的につぶされることもなく、しばらくの間、葛飾区東金町の金蓮院に置かれ、1927(昭和52)年に返還されたのだとか。かなり強運な鐘かもしれません。叩くなり、なでるなりしておけば、好運がもたらされる……なんてことは、どこにも書いてありませんでした(笑)
今年最後の贅沢
実は買い物をすませる前に、まずご飯を食べに行きました。お昼が近くなるとあちらこちらで行列ができてしまうので、早めの時間に着いて、まずはご飯というわけです。昨年は海鮮のフライを食べて、これはこれでおしかったのですが、今年はナマモノ狙いです。評判のお店は、すでに数人の行列はできていましたが、素早く立ち回った成果があり、1組ぐらい待てば入れました。今年最後の贅沢!という感じで、今回は「市場すし」というお店でにぎり鮨をチョイス。
しかし、私は高級な食べ物には向かないタイプで(^_^;)、トロは脂っこくて苦手。赤身でもマグロはほとんど食べないので、マグロ漁が禁止されても困らないぞ〜と(笑) そこで、せっかく高級な鮨を注文しても、大トロとか中トロとか、その類のものは、姉やんに「食べて!」と押し付ける、と。 姉やんは、お腹いっぱいになりすぎて、困ってました(笑) 生牡蠣のにぎりというのを初めて食べましたが、これはおいしかった! 本当につるりといった感じです。好きなものだけ頼めばいいのですが、外を見ればもう行列だし、のんびりお好みっていうのも迷惑な話かなぁと……。しかし、スカイツリーから飛び降りるような贅沢をしたのだから、やっぱり好きなものだけを頼めばよかった……。
首級、討ち取ったり!
東銀座あたりを歩いていたら、太鼓の音とエイエイオーの掛け声が……。何かお祭り? と思えば、吉良の首を取った赤穂浪士の面々が意気揚々と行進していました。今日は、義士祭だったんですね。泉岳寺に行ってみようとは思っていましたが、こんなところで浪士のみなさま方に遭遇するとは思いもよりませんでした。今日は、討ち入りの日だったんですね。パレードはどこから来たのでしょうか、ちょうど集合して、築地警察署のおまわりさんと交通安全キャンペーンの写真を撮っているところ。赤穂浪士と交通安全、どうやったらこじつけられるのか、ちょっと楽しみです(^_^;)
パレードを先導していた巡査に、「この浪士の方々は、ここから泉岳寺まで行くんですか?」と聞いたら、「警察は順にバトンタッチをしますが、パレードは第一京浜を通って泉岳寺までいきます」とのこと。では、では、ちょっとついて行ってみましょう。と、思ったのですが、みなさん、ゆっくり歩いているので、先導する形になっちゃいました(笑) どんどん先に歩いて……、気がついたら、浪士の面々ははるか後ろに……。結局、先に行って出迎えようと、スタスタと泉岳寺まで歩いてしまいました。4キロぐらいでしょうか。
泉岳寺では、屋台もいっぱい出ていて、お祭りモード最高潮。赤穂義士の墓所には、線香を手向けようという人で長蛇の列ができています。忠臣蔵が大好きな人って、本当にたくさんいるんですねぇ。いったんは並ぼうかと思ったのですが、なにせ列が長いし、大石さんたちのファンというわけでもないので、やーめたっと。でも、この日でなければ、墓所を見ることはできないのかもしれません。どっちを取るかと……さして迷いもせず、屋台へ直行(笑)
一度、食べてみたいと思っていたラーメンバーガーに挑戦。なるほど、確かにラーメンといえばラーメンの味。スープがたれに濃縮されているため、ちょっと味が濃いかなという感じです。もちろん、たこ焼きも(笑) たこ焼きの中にタコといっしょにウズラの玉子が入っているものを食べてみました。おいしかったのですが、ジャンクフード趣味の私もさすがに全部は食べきれませんでした(笑)
チョコレートが咲いてた!
カラフルなパッケージは全部、チョコレートのようです。ちょっと興味をひかれたのですが、人だかりがしているし……。つつっと通り過ぎて信号を一つ渡ってから、やっぱり考え直して、逆戻り。ちょっとした手みやげによさそうではありませんか。50種類以上あるパッケージのチョコレートは、全部、味が違うようです。「どれが人気がありますか?」と聞いたら、「和三盆」と「ストロベリー」とのこと。和三盆? 和菓子の材料ですね、おもしろそう(笑)
その「和三盆」と「ストロベリー」に加えて「メープル」をチョイス。もう一つ、基本となるのはこれでしょうという感じで、1926年の明治チョコというのを選びました。それこそ、明治時代のチョコレートの味? 目的地はnu-faceさんだったので、着くと同時にチョコレートを広げて薀蓄を披露(笑) 集った4人で味見をしてみることにしました。
それぞれのチョコレートは1枚のいわゆる板チョコ。正方形です。nu-faceのお姉さまがナイフをもってきて4つに切り分けてくれました。そのとき、ナイフを対角線上に入れたので、「ふーむ、理科系らしいな〜」と感心してしまいました(^_^;) ふつう正方形の板があったら、なんとなく縦横にナイフを入れて、小さな正方形を4つ作ろうとしてしまうものではありませんか? その形のチョコレートを見慣れているし。対角線に切れば、2等辺三角形が4つでき、確かに内容量は同じになりますね。子どもじゃあるまいし、大きい小さいでまさかケンカはしないでしょうが(^_^;)
「和三盆」味チョコレートは、マイルドですが、和三盆の味といわれてもよくわかりません。Nu-faceの社長いわく「オレ、ネスカフェの宣伝には出られないなぁ」。そう、違いがわからないのです(笑) 1926年チョコよりはマイルドでした。メープルは口に含んだだけでパッと独特の味と香りが広がります。ストロベリーは、まさに苺がいっぱいの感じ。これ、なかなかおもしろく、いろいろ試してみたくなります。話題づくりにもなり、明治製菓さん、グッジョブ!(笑) ここでしか、買えないのかしら?
観戦仲間と忘年会
去年、というかまだ今年の新年会ですが、参加してくれたメンバーに1歳児の男の子がいます。もうすぐ2歳かな。あれ、2歳になったのかな? 前回は赤ちゃんの感じだったのに、1年経ったら、すっかり少年の顔になっていました。そして、2ヵ月半の妹ができていて、もう「お兄ちゃん」です。おとなは1年ぐらいでは、そう大きな変化は感じられませんが、子どもをみると、その分、確実にトシをとっているのだなぁと……。困っちゃいますね(笑)
場所はいつも同じ中華屋さんですが、ここの餃子はキャベツや白菜のかわりにタマネギを使っているというユニークなものです。甘くておいしいと、評判はいいようです。タマネギが苦手な私としては、まあ、そんなにタマネギ臭くなくて食べられるという程度で……(^_^;) それよりお腹がすいていて、チャーハン! チャーハン!
空腹に昼間からビールなどをいただいてしまって、解散する頃には半分、眠っている感じでした。それで電車に乗ったものだから、川崎で降りる予定が気がつくと次は品川……。慌てて降りて、混んでいる山手線に乗り換えるハメになりました。まあ、南浦和まで行っちゃわなくてよかったというべきか(笑) 明るいうちに別れたのに、家に到着する頃には真っ暗になっていました。知らないうちに1年でいちばん陽の短くなる日が近づいていますね。