コテスロー海岸
パースはスワン川の河口にある街で、郊外には美しいインド洋に面した海岸がたくさんあります。今日は、その中でもたぶん一番広くて、美しく、人気のあるビーチ、コテスローに散歩に行きました。家主のカレンには、散歩友だちというのが何人かいて、隔週ぐらいでコテスローを歩く仲間がいます。ひとりは、70歳を超えているという老婦人ですが、元気、元気。クルマもがんがん飛ばしているし、海岸もスタスタ歩きます。階段だけは苦手みたいで、登りにさしかかると「ヒーハー」と言っていました。一瞬、ブラマヨのまね?と思いましたが、さすがにというか、やっぱりというか、ブラマヨは知らないようでした(笑)
コテスローが人気のある一因は、たぶん海岸から急に丘になっていて、丘の上から突然ひらける海の風景の美しさにひかれる人が多いからではないかと思います。函館のチャーミー坂の拡大版みたいな感じです。クルマで内陸部から丘を上がり、頂上に達して下りにさしかかったとき、思わず「わぉ〜!」という声が出ます。今日は、海岸でもうひとりの友だちと出会って、私を入れて4人で海岸と、丘の上の古い公園を歩きました。私はいたって無口なのですが(笑)、おばさん3人は、日本語で書けば「姦」という状態。いまオーストラリアを騒がせている弁護士による妻殺害事件から、政治の話題、そして、「最近の若い者は……」というような話(笑) どこの国でも同じようなものですね。何を話しているのか、日本語が堪能な私にはさっぱりわかりませんが、まあ、つなぎ合わせれば、そんなことみたいです。
丘の上の公園は、昔、移住してきたスペイン人が作ったものだとか。建物は、いまは少し改造されて市民ホールのようなものになっています。庭には、かなり凝った石の階段や飾りを施した塀のようなものもあり、そこらへんの「空き地」的公園とは、少し趣が異なります。この庭で結婚式が行われることもあるそうです。ガーデンパーティって、いかにも西洋的な感じがします。老婦人が、「私の知っている日本人がキングスパークで結婚式をあげた」といいます。花嫁はシホコで、たぶん夫はヨシオ、知っているかと聞かれ……。住んでいるのは東京だといいますが、知っているわけはないでしょう。東京は、みなさんが考えるより、いささか人口が多うございます(笑)
なるべくいままで通ったことのない道を探して歩いているそうですが、今日は門に1930年代の写真を使った家を発見。パース生まれのカレンもはじめて見たと言って、写真を撮っていました。モノクロで、海に入ってる人々は着衣のままです。もともとオーストラリアはイギリス系の移民から始まっていて、イギリス人はどちらかといえば慎み深いという感じですが、当時は本当に、人前で肌を出すなんて考えられないことだったのでしょう。いまは、真冬でも半分裸みたいな格好で海岸を闊歩するお姉さんたちもいっぱいいますけど(笑)
お茶をして帰ってきて、午後はふにゃふにゃしていて、夕方からカレンと一緒にご飯を作り、夜はマリアと3人で定例の木曜日カジノへ。今夜もまた、しっかり1ドル負け、誰も抽選には当たらずに帰ってきました。
キングスパーク
今日は、キングスパークに連れて行ってもらいました。川をはさんで対岸にあるシティが一望できる高台にある植物園です。植物といっても主としてワイルドフラワーですから、つまりはワイルド。野生のままにさまざまな花や草木の世界が繰り広げられているわけです。本当は、野生のままに……というわけではなく、ちゃんと人手をかけてはいるのですが、きれいに花壇に並べてというスタイルではなく、芝生と遊歩道以外のところは、限りなく自然に近い状態で保護されているといったほうがいいでしょう。
こちらは冬真っ只中なので、花らしい花はほとんど咲いていません。8月も半ばを過ぎるとびっくるするほど派手な色だったり、「自然の造形か?」と疑われるようなへんちくりんな形の花が咲き乱れます。中には、これが花なら、私は人間か?というような、わけのわからないものもけっこうあり、一生に一度くらいは見ておくことをお勧めしますって感じです。私は、前回、9月の後半から10月にかけてお邪魔しているので、さんざんあきれさせてもらいました(笑)
平日ですが、いま学校がお休みの週らしく、子ども連れで遊びに来ている人々がかなりいます。仕事は休みではないので、たぶん、専業主婦とか、それに近い人たちだと思います。日本人にはまったく会いませんでしたが、観光客もかなり入っているようで、公園のボランティアガイドが5〜6人1グループで案内をしてくれるようです。ガイドしてるのは年配の女性が多いようで、たぶん退職後のボランティアだろうとカレンは言っていました。私たちが売店で工芸品を見ていたら、ちょうど案内を開始するというお触れがでました。
えっ、えっ、えっ、参加するの? 英語だよ! 無理でしょう、いっくらなんでも……と尻込みしている私をひったてて、カレンはさっさと参加表明。しかたなくついていきましたが、グループの中で英語がわからないのは私だけ。ときどきカレンが噛み砕いて教えてくれますが、ナチュラルスピードの解説なんか……ご勘弁ください(-_-;; ひとりで散歩に来たときは、こういう危険は絶対、冒さないので、意持ちよく散歩が楽しめる公園なんですけどねぇ。
そんなわけで、本日はヘロヘロに疲れきった一日でした。明日は、カレンが友人とブランチの約束があるそうで、それに連れて行くと……。また、英語かよ! 頭が痛いとか言って逃げちゃおうかな(笑) でも、コッテスローのビーチには行ってみたい気もします。友人が一番最初に住んでいたところで、私が初めてオーストラリアの海、インド洋を見たところです。ずいぶん、昔の話になりますが。
アジアの食品
レストランやカフェ、おみやげ物屋、ブティックのようなものなど、たくさんの店が並んでいます。こちらで水着の試着をしている人がいるかと思えば(寒いのに!)、となりでコートの試着をしている人がいたり、ブーツとビーチサンダルが並んで売られていたり……この辺の人って、季節感ってやつがないのでしょうか?(笑) どう見ても、一年中、並んでいる商品は同じようなものばかりなのではないかと……。ただ、いまはバーゲン時期のため、水着なども安くなっています。いわゆる旧モデルなのでしょうか、けっこうかわいらしいのが、2,000〜3,000円ぐらいでした。オーストラリア人は、私たちが持っている西洋人のイメージとは違い、小柄な人が多いので、日本人でもサイズはOKです。が、泳ぐ趣味はないので、私は買いません(笑)
朝のうち曇りがちだった空もきれいに晴れ上がり、やわらかい日差しをうけてテラスの店でコーヒーを飲み、なかなかゆったりした午前中を過ごしました。お昼は家に帰ってあり合わせのものでサンドイッチを作って食べ、午後はノースブリッジというところへ、日本の食材を探しに行きました。カレンは、この街の店をまったく知らなくて、いままで高い店で日本の食品を買っていたとのこと。私が、日本人の友だちから仕入れた情報でノースブリッジのアジア食品の店に案内しました。なんか、逆じゃない?(笑) まあ、私はパースは5回目だし、いささか詳しくもなっておりますが(^-^;)
日本の食品があるといっても、数は少なく、多くは中華食材です。どこの国に行ってもたいがいチャイナタウンはあるようですが、ここも一種のリトル・チャイナタウンといった感じ。売っている食品は、中華食材6、韓国系2・5、日本系1・5ぐらいの割合でしょうか。日本語で書いてあって、いかにも日本の食材に見えるけど、輸入国をみるとチャイナだったり、シンガポールだったり、コリアだったり(笑) 西洋社会では日本食の人気が高いようで、あやかり商品もありそうです。
中国人が作っているという輸入ではない豆腐屋(これもノリコさんに教わったものです)があったので、「フレッシュ・トウフ」っていうのを買ってみました(笑) 今日は、この豆腐(ちょっと甘みがある感じで、私には違和感がありましたが)と残っていた油揚げとこちらでは「スプリング・オニオン」と呼ばれている長ネギで、再び「味噌スープ」なるものを作りました。味噌汁にした豆腐はけっこう滑らかでおいしかったのですが、大きいボールに味噌汁を入れて、スプーンで食べるって……かなりの違和感(笑)
I SPY 、YOU SPY
クラフト作家やまがたあけみさんの本「どこ?」の英語版のタイトルが、「I SPY 、YOU SPY」。スパイって……、007とか? その意味しか知らない単語でした。絵の中から、何をスパイしろというのだ?(笑) と、思いました。スパイという言葉には、もちろん密偵とか、調査員という意味があるそうですが、普通に「探す」という意味もあるそうな。つまりは「私は探したよ、あなたも探してね」という感じのタイトルだったのですね。この英語版は、奇しくもオーストラリアで発売されていますが、日本ではなかなか手に入りません。八重洲ブックセンターでもギブアップされてしまったので、作家本人用の本をあけみさんから略奪してきて、カレンに見せました。
これが大受け! です。すごく喜んでくれて、友だちにも見せまくっています(笑) 「この作家と友だち」なんて言ったら、それだけで「すごい! すごい!」と感心されました。いえ、いえ、私が作ったわけじゃないから……(笑) なんか、七光りみたいな感じです。さっそく版元をメモして帰った人がいるので、オーストラリアでもヒットするかも? みんなに「宣伝しておいてね!」と営業しておきました(^-^;) 版元も西オーストラリアの都市のようですが、パースではなく、私の知らない街でした。もちろん地元の人は知っているのでしょう、「へぇ〜、ふ〜ん」という感じ。
パースは西オーストラリア州の州都ですから、この辺では、一応、いちばん大きな街。一応とつけてしまうのは、大きいといっても街周辺の人口は1万人弱。日本で考えると小さな地方都市の感じです。ですが、オーストラリアでは4番目に大きい都会だったと思います。なにせ世界で6番目に広い国土を持ちながら、総人口が2千万人ちょっとですから、人口密度は当然、低いですよねぇ。道路の広さや家の広さ、庭の造り方、あっちこっちにあるだだっ広い公園や空き地なんかをみると「土地が余ってるなぁ~」と実感します(笑) 都市の中心部には集合住宅もないわけではありませんが、家はほぼ平屋。2階建ての家を発見すると「ほぉ〜?」って感じです。最近は、海辺や立地条件のいい地域では2階建ても増えてきてはいるようですが。
ところで、このブログはベッドの中で書いています(-_-;; 思いっきり風邪をひきました。カレンの家は、寒いっす(笑) 基本的に暖かい、暑い時期が長いので、ここら辺の家は「涼しさ」を求めて作られているようです。せっかくお日様が輝いているのに、家の中に日差しはまったく入らない……。しかも、この家には暖房用品ってのが、まったくないのですよ〜。ストーブか、せめて電気毛布でもくれ〜と言いたいところです(笑) 自分で買ってきちゃうのは簡単ですが、いずれもランニングコストがかかるものなので、居候の身としてはそうワガママも言えません。家主が厚着でしのぐなら、ゲストも厚着でしのぎましょう! と、思ったのですが、ちょっと失敗。本日の午後は、ベッドの中で葛根湯を飲んで過ごしました。明日は、完全復活の予定(笑)
ロッキングハム
家主のカレンの友だちの日本人がロッキングハムというきれいな海岸の近くに住んでるというので、遊びに行ってきました。冬だし、天気もイマイチだったので、きれいな海岸を満喫することはできなかったのですが、夏になると多くの人々が集まってくるパースでも人気のある海岸だそうです。波の向こうに見える島は、ペリカン島だと教えてもらいました。近くでグワッとペリカンに大きな口を開けられると、けっこう怖いんですけどね(笑) ペンギンもいるそうですが、ペリカンとペンギンが同居なんて、ちょっと考えられません。
この島までの海底はすごく透き通っていてきれい。カラフルな魚も泳いでいます。泳いでも行けるんじゃないかと思うくらい近く感じるので、実際、夏になると泳いで渡ろうとする人がいるそうです。しかしながら、海底は落差あり、穴ぼこありで、大変危険なので、絶対に泳いで渡らないように! という注意書きがあちらこちらに掲げてありました。それでも、行っちゃう人って、きっといるに違いありません(笑)
カレンの友だちの家では、ご飯に味噌汁、トリと大根の煮物、ほうれん草のゴマ和え、白菜の漬物という、純和風のランチをいただきました。なんだか、こちらに来て、毎日、毎日、和食ばかり食べているような(笑) そのうえ、帰ってきて、夕食は私が焼きうどんとサラダを作ったのですから、本当に今日は、朝から晩まで醤油味(^-^;)
この家で、ハニーという名前の4歳のオスのプードルに出会いました。かわいい〜! すごく人懐こくて、みんなの手をペロペロなめるばかりではなく、すぐお腹をみせちゃうような(笑) 一緒に海岸を散歩したのですが、貝殻をなげると追いかけて、すぐ見失っちゃうというくり、けっして賢いとはいえないタイプですが、とにかくかわいい! とくにシッポがキュートです。道路を渡るときには、1回おすわりがあるのですが、この後姿がなんともいえないくらいかわいかったです!