鳥の目覚まし
カレンの家にお世話になる最終日、やっぱりけたたましい鳥の声で目が覚めました。朝が遅いのはありがたいといいつつ、けっこう早めに目が覚めてしまったりするのは、この鳥の声のせいでもあります。日本では、鳥の声といえば、チーチーとか、ピーピーとか……、風流な気配が漂いますが、西オーストラリアでは、とんでもない騒音です(笑) 最初は、隣の家の非常ベルがなっているのか、それとも家の前の道路で工事でも始まったか、と思いました。私には鳥の種類はまったくわかりませんが、オウムの仲間がたくさんいます。それと、カラスの仲間。日本のより小型で、あまり人間の近くには来ませんし、威圧感はありません(笑) スズメの親戚みたいな小柄な鳥や、見たこともない鳥たち……。どうも、一番けたたましいのは、オウムの仲間のようです。
今日は、昨日、カジノで出会ったヨーロッパ帰りのジルが、ランチに招待してくれるとのこと。ジルの息子の妻が日本人で、日本にも3回行ったことがあり、息子夫婦が結婚した当初はヨメはまったく英語が話せなかったので、会話はみんな日本語だった、と。したがって、私は日本語が話せると言いますが……、「こんにちは」が言えるレベルでした。そういうの、普通は「話せる」って、いいませんから(笑) 察するに、息子が多少、日本語が話せ、妻も当初は片言の英語で会話をしていたという感じじゃないでしょうかね? いまはヨメは普通に英語を話し、ふたりはシドニーに住んでいるそうです。そんな情報、私に必要?(笑)
ランチの前にそこら辺に散歩に行きましょう、と。そこら辺というのは、クルマでびゅーっとスワン川のほとりの散歩コースということです。そこら辺が遠い……(笑) パースには珍しく7階建て、8階建てという高層集合住宅が並んでいます。昔は、貧乏な人の住む地区だったところで、いまは貧乏な人と単身者のために、高い、高い建物が増えているとのこと。もっと高層マンションを見慣れている土地の狭い日本の住人としては、高層アパート街と言われても、まったく“高層”には感じられません。住み心地がよさそうです。一部は、ホリディアパートメント(週単位で賃貸)になっているそうです。
散歩から帰って、ジルのランチは、やっぱり「ミソスープ」でした。ここら辺じゃ、ほんとに人気があるみたいです。ジルは、少し油を入れていたので、味噌汁というよりは、けんちん汁っぽい感じでした。さすがに日本人のヨメをもつだけあって(笑)、炊飯ジャーはパナソニック、ご飯を炊くだけではなく、スープも、他の料理も作れると威張ってました。私に自慢してどうする?(笑) 確かに私は、そんなに上等な炊飯器はもっておりませんが(^-^;) パースで買ったのではなく、どこか外国(日本ではなく)で買ったらしいです。
ランチが終わって、部屋に帰り、引越しの支度。といっても、トランクに衣料品を投げ込むだけです。部屋とシャワールームの掃除をしていけと言われ、掃除機をかけました。あとは、お迎えを待つばかり。あと2、3日は、ちょっと街歩きをして、ごろごろ過ごす予定です。あ、いままでもけっこうごろごろしてたけど(^-^;)
木曜日は忙しい
木曜日は、おばあちゃまたちグループとコテスロー海岸でウォーキングの日なので、少し早起きします。早起きといっても8時。これが、カレンの習慣の中で一番ありがたいことで、つまりは朝が遅い(笑) 普段はだいたい8時半から9時ぐらいの起床です。それでも私の日常から考えれば早いほうですが(^-^;) 散歩の後に、必ずカフェに入ってブリオッシュを食べるので、今日の朝ごはんは、軽くマフィンだけで、いざ海岸へ。いつものメンバーに、また知らないおばあさんが加わっていました。紹介されましたが、名前が聴き取れないんですよねぇ。もう二度と会わないと思うから、覚える気もなかったりして(^-^;)
今日は、最年長のジーンにつかまり、日本のどこに住んでいるのかとか、家族と一緒に住んでいるのかとか、仕事は何してるとか、根掘り葉掘り聞かれました。一般におばあさんという方々は、詮索好きというやつではないでしょうか(笑) おもしろかったのは、東京の前にはどこにいたのかと聞かれたこと。彼女はニュージーランドから移住してきた人で、お母さんは英国からニュージーランドに来たそうです。どうも西洋人というのは、やたらに移住するみたいなんですよね。とくにオーストラリア(アメリカもそうかもしれないけれど)は、何々系オーストラリア人という分類があります。英国系とか、イタリア系とか。イタリア系の家庭はご飯がおいしいとか……(^-^;)
日本の場合、いまの前はどこ? その前はどこ? などという質問を浴びせられることはほとんどありません。移住があったとしても、せいぜい近県から首都圏へなどの移動があるぐらいでしょう。戦後、ブラジルやハワイに移住した日本人たちはたくさんいましたが、移住先からまた移住して……という話はあまり聞きません。日本人は移動しない民族なんだってば!(笑) そんな話の合間に、あの古い建物は1819年に建てられたものだとか、あのきれいな建物は病院とセットになってる老人ホームだとか……、説明してくださるのはありがたいのですが。話があっち飛び、こっち飛びで、ついていかれませ〜ん(-_-;; でも、本当に元気なおもしろいおばあちゃんです。
朝っぱらから歩きの、しゃべりので忙しい一日は、夕方も昨日のから揚げの残りを刻んでチャーハン作りという労働が待っておりました(笑) カレンが「ミソスープ」には豆腐とわかめが絶対に必要だと思い込んでいるので、大根もおいしいよと作って見せました。ここら辺で大根は「チャイニーズ・ラディッシュ」とか「ホワイト・ラディッシュ」とかいうようですが、なぜか「ダイコン」でも通じます(^-^;) 日本の大根に比べると小ぶりでみずみずしさに欠ける感じですが、普通に大根の味がします。それでも残りの豆腐を入れるんだというカレン……。
豆腐と大根の組み合わせはやったことないけど、まあ、いいか(笑) あとは野菜を刻んで冷ご飯と卵でチャーハン。こういう発想はいままでなかったらしく、色がきれいだ、何と何を入れるんだと聞かれ、「なんでもいいのだ。冷蔵庫の整理なのだ」と言えば、英語にもそういう表現があって「バブル&スクイーク」というのだそうです。手持ちの辞書には、載っていませんでしたが、残り物で作る料理といったような意味合いがあるようです。チャーハンなんて料理のうちには入らないって感じですが、とりあえず食べて、夜は再び木曜日カジノへ。今日もきっちり2ドル負けて、ラッキーは何もありませんでした(笑)
適当にから揚げディナー
イングリッシュスタイルの軽い朝食をすませると、今日は洗濯をさせてもらったので、晴れたり曇ったりの日ではありますが、まずは干し物。日本との大きな違いは、基本的に日向には干さないこと。他人から見えないように裏に干すというだけではなく、日差しの少ない場所に物干し場があります。たぶん、夏の日差しが強すぎるためでしょう。住宅も、洗濯も、ますは暑いほうに照準をあわせているという感じです。だから、朝起きて、ぱっと洗濯して……という方向性はありません(笑) 適当な時間に洗濯して、適当に広げて……という感じ。私も普段は夜中に選択したりしますが、とりあえず、朝一でお日様に当てたいとは思うので、やはりこれは気象による地域性なのかなとおもいました。
さて、洗濯を終わらせ、シティの中でもノースブリッジというアジア食品の店がたくさんある区画へ行きました。とりあえず、ミソスープのための豆腐を買います(笑) 次にカレンは冷凍餃子を見たいと言って、数件の店を覗き歩きます。餃子は、ダンプリングの表示されていて、基本的には中国のもの。輸入元は、台湾か香港が多いようです。パースに住む中国人が作っている輸入品ではないものもあります。チキンの餃子がほしいといって見て歩くカレンですが、餃子は豚肉か海老などの海産物が主流です。そういえば、日本でもあまりトリ餃子は聞かないような気もしますね。
餃子ウオッチングで、カレンの本領発揮(笑) どの店が安いか、量と値段を引き比べ、手にとって仔細に検討し、やっぱりここは少し高いから、次の店へ……という感じで、結局、悩んで、悩んで買ってくるのをやめちゃいました(笑) から揚げにするチキンを買うにも4軒の中国系の肉屋さんを漂流。値段を聞きまくり、「たぶん、いつものスーパーのほうが安い」と。から揚げなら、まあ、スーパーの安売りでもいいんじゃないですか?(^-^;)
アジア食品の店には、インスタントラーメンもたくさん並んでいます。ほとんどは韓国のもので、中国のものが一部。日本のものとしては、定番の日清カップヌードルと「出前一丁」があります。インスタントでもいいから、ラーメン食べたいなぁと思って、「お昼はこのラーメンにしない?」と提案すると、カレンも食べて見たいとのこと。レジに持っていったら、私が食べたいのだから、私が払うのは当たり前的に知らん振りされました(笑) まあ、2個で2ドル(160円ぐらい)だから、いいといえば、いいですけど、まさに徹底したシブチンです(笑)
から揚げは、鶏肉に醤油と酒に生姜とニンニクをすり下ろしたものを加えてしばし置き、から揚げ粉をまぶして揚げただけ。まあ、こんなもんでしょうという感じですが、お客様ふたりのうち、ひとりは明らかに苦手そうでした。作った人が目の前にいるから、「おいしい!」なんて言ってましたけど、食べ方を見ればわかりますよね(笑) それにしてもナイフとフォークで食べるから揚げとライス、なんとも違和感があります(-_-;;
クリスマスin July
オーストラリア全土にあるのかどうかは知りませんが、パースでは7月は冬のクリスマス月ということになっているようです。普通、クリスマスといえば、12月25日、この時期は夏のオーストラリアではサーフボードに乗ったサンタクロースがプレゼントを運んで来るなどという映像が、日本でもよく放映されています。しかしながら、北半球から移住してきた人がほとんどのオーストラリアでは、どうも寒くないとクリスマス気分ではないということらしく、7月を「X‘mas in July」と位置づけて、いろいろなイベントが行われるようなのです。
もっとも、非常にキリスト教色の強いU.S.Aとは違って、オーストラリアの人はあまり宗教に関心がなく、教会もほとんどみかけませんし、「無宗教です」と公言している人も少なくありません。むかし、外国人に無宗教だと言うと不審がられるので、とにかく「仏教徒です」と言っておきなさい、とモノの本で読んだことがあります。アメリカやヨーロッパはそうではあるかもしれませんが、オーストラリアでは胸を張って「無宗教です!」と言ってOKです(笑) というか、宗教については、ほとんど話題にはならないような。なってても気づかないだけかもしれないけど(-_-;;
さて、その「X‘mas in July」ですが、バーズウッドホテルではカジノのメンバー向けに「10ドルでカジノとランチ」という催しをやっています。しかも、往復のお迎えバスが無料で利用できます。私もメンバーになったので、権利があります(笑) というわけで、今日はカレンとバーズウッドのランチに行って来ました。ランチと言っても、帝国ホテルさんの言うバイキング、北欧ではスモーガスボードというらしいですが、こちらでは普通にブッフェと呼びます。つまりは、食べ放題で、10ドルと言えば約800円、しかもバス付き(15分ぐらいですが)ですから、さすがのカレンが行く気になったようです(笑)
カジノランチ行きのバスは、市内・近郊に10路線ぐらいあるようで、毎日、運行されています。一番近いバス停を探して、出発しました。専用バスは、なんとスクールバスの転用で、乗ってみると高齢者の方々ばかり(笑) たぶん、カレンと私が一番若くて、次に若い人は70歳を超えていたと思います。杖をついたり、車椅子だったりする人もいました。スクールバスというより、老人ホームの遠足みたい(笑) 平日の昼間のイベントですから、高齢者福祉の一環なのかもしれませんね。みなさん、すごく楽しそうでした。
ホテルに着き、メンバーズカードを見せて10ドル支払うと、バウチャーのようなものを渡されます。これを持ってカジノのカウンターに行くと、カジノでのお遊び代2ドルを現金でくれるのです。カジノで遊ばなければ、ランチ8ドルになってしまいます。私たちは時間が早かったこともあり、ちゃんとスロットマシンに向かいました(笑) しかし、私が1ドルでまごまごしている間に、カレンの2ドルが終わってしまったので、そのまま引き上げ、結局、私はランチ9ドル(笑) もう一つKENOというギャンブルの券が1ドル分ついてきて、カウンターで数字を言ってカードをもらうのですが、何が行われているのかわからないうちに、スタッフの人に「残念でした」と言われました(笑) ビギナーズラックはなし(-_-;;
ブッフェはスープ、サラダから、さまざまな煮たり焼いたりした料理、ターキーやローストビーフなど盛りだくさん。デザートも充実していて、飲み物もコーヒー、紅茶、ジュース、コーラなど、いろいろなものが飲み放題。ただし、アルコール類はありません。このときとばかり、食べまくりました(笑) 野菜スープがとてもおいしく、焼き立てを切り分けてくれるビーフやポークもおいしかったです。ターキーだけは、なぜかパサパサだったけど。デザートはケーキやなんだか甘そうなものがたくさんありましたが、自分で注ぐソフトクリームがさっぱりしてておいしかったです。トッピングのチョコレートがうまく乗せられなかったのですが、食べてしまえば同じです(笑)
お腹いっぱいになった後は、ホテルの庭とスワン川のほとりを散歩しました。西オーストラリア州のシンボル、ブラックスワンも気持ちよさそうに泳いでいます。しかし、どこまでが庭か公園か……。ここもやたらに敷地が広いです(^-^;)
英国人気質、かな
リビングのすみっこにガスストーブも発見したんだけど、スイッチを入れたことはないのでしょうか? 家の中でも手が冷たくなって、カップで暖めながら字を書いている状態なのに、ストーブに点火される気配はありません。文句を言ってるわけではなく、十分、言ってますかね(笑)、ここまでくると感心しちゃうという感じであります。ちなみに、いまいる部屋の電気は3つついている電灯のうち2つは取り去られていますし、スタンドにも電球は入っていません。リビングもダイニングも、いつも薄暗い感じなのですが、そこで普通に本を読んだり、字を書いたり……。目が悪くなるってことはないのかしら?
もっとも、こちらの家では蛍光灯というのをあまり見かけません。夜を昼間のように明るくするという発想はないのかもしれませんね。ソーラーで自分の家の電気をまかなっているからか、全然、電気をケチらない日本人の友人の家でもそうです。どこもかしこもバリバリ明るくしたがるのは日本的なのでしょうか?
今日の夕食は、「照り焼きチキン」だと言われました。出てきたのは、ん、焼き? チキン? 若干の醤油味で、フライパンで焼いてあるチキンです。「照り」は、どこへいっちゃったんでしょうね(笑) どうも醤油味で焼いたものは、すべて「照り焼き」と思い込んでいるフシがあります。そういえば、シティで見かけた店に「照り焼きチキン定食」というメニューがありましたが、写真で見る限りは、ちゃんと「照り焼き」だったみたい(笑) 「照り焼き」というのは、日本食のB級グルメの代表格という話も聞いたような。カレンの場合、「しみったれ」だから、ほとんど外食をしないので、きっと「照り焼き」というシロモノを食べたことがないのではないかと思い当たりました(笑) そして、料理に砂糖は使わないものだと思っているようなので、どうしたって「照り焼きチキン」が作れようはありませんね(^-^;) 説明するのは面倒なので、「おいしいよ」って言って食べておきました(笑)