ある小説の中に、世界を旅して「何を祀ってあるのかわからないんだけど、地元の人が拝んでいるものには手を合わせることににました。そうしたら、なぜか商売がうまくいくようになったんですよ」というフレーズがありました。SFだし、本筋とはまったく関係ないんだけど、心に残った一節です。そんなわけで(どんなわけで?)、日々の何気ないできごとを綴ってみようかと思います。
2012/09/07  (金) 

誕生日……

今日は私の誕生日でありました(-_-;) 昨日はモモタロウから花束をいただき、今日はおっきいちゃんにご馳走になってしまったのですが……、もう、誕生日はめでたくないのであります。そっと、やりすごしましょう(^_^;) 誕生日がめでたいと思えるのは幾つまでなのでしょうねぇ。数年前の誕生日が旅行中で、グループの人の前でショートスピーチをさせられたことがあります。「やっと大手を振ってお酒が飲める年になりました」と言ったら、爆笑。何が可笑しい!(笑) 明らかに嘘だとわかるから可笑しいのであって、私はどっちの方角から見ても20歳には見えないということですね(^_^;)
 
ちょっと前までは、再びめでたくなるのは幾つからだ? と言っていたのですが、米寿だって、卆寿だって、白寿だって、やっぱり全然、めでたくないのではないかと思い始めました。長生きは、めでたいというより、これはもう、老化との戦いですからねぇ。生物としての人間のピークは、17、18歳ではないでしょうか。確か、水泳のピークと同じ……と聞いたことがあります。でも、昨今のオリンピックなどでは20代が活躍していますから、ピークが少し遅くなったとか? いずれにしても、ピークを過ぎたら、あとは老化との戦いですから、ちっともめでたくはないという感じ(笑) あぁ〜、また年取っちゃった〜。
 
そんなわけで、今日は下北沢でお茶をしていたのですが、夕方、家に帰る途中で買い物をしようと思ったら……、財布がない! 我ながら、「またかよ!」(笑) しかしながら、むし暑い中、汗がさっと引きました。そして、次に嫌な汗が……。とにかく、落し物、失くし物の多い私は、財布の中にはたいてい1,000円札を数枚入れているだけなのですが(お金がないということもありますが)、今回は支払いの振込みをするために、諭吉さんが数枚。わぁ〜、こんなときにどうしよう〜。
 
即座におっきいちゃんに電話をして、「お茶飲んだところまではあったよね?」。その後、まったく財布を出してないので、あの店……。急いで家に帰り、幸いチェーン店だったので、ネットで店の電話番号を調べ、連絡すると……ありましたね、その店に(笑) 失くし物の多い人は、出てくる確率も異常に高いのです(^_^;) Uターンして取りに行ってきました。エジプトで忘れ物をしたのは、チューブ洗顔料だけで(ゼロではないのね〜、やっぱり)、今回は成績優秀と思っていたのに、帰ってきたとたんにこれです。今日は誕生日ではなく、忘れ物記念日とでもしておきたいと思います(-_-;)
 



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2012/09/06  (木) 

山形彰吾さん個展

イラストレーターの山形彰吾さんの個展に行ってきました。場所は、やまがたあけみさんが個展をやったのと同じ「ゑいじう」というギャラリーです。テーマは「Ob-La-Di、Ob-La-Da ビートルズの歌が聴こえる日」。山形さんらしい、明るく、ポップな色彩感覚と楽しい絵で、見ているだけで心が弾みます。浮世のウサ晴らしには、もってこいの個展です(笑) 細部まで一つ一つ丁寧に描かれた絵で、構図もユニーク。どの絵も大好きですが、私はとくに黒バックの絵が気に入りました。黒の背景に、山形さんらしい色遣いが映えています。
 
この絵は、可愛らしかったり、おもしろかったりする額縁で囲まれていますが、この額縁も山形さん本人が製作したものだそうです。アンシンメトリーな物やちょっと変わったデザインのもの、それぞれが絵とマッチしていて、額縁だけでも楽しめます。絵本や版画カードの販売もしているので、プレゼントに1枚購入。私個人としては、カードより絵がほしい(笑) 個展が終わったら、この絵は売ってもらえるのでしょうか? 高いと買えないけど(^_^;) 8日までやってます。ぜひ、見にいってみてください! 気分がうきうきしますよ!

     

  



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2012/09/04  (火) 

帰ってきました

月曜日の夜、無事に帰って来ました。誘拐されるんじゃないかとか、危ないんじゃないかとか、いろいろ言われましたが、まったく安全、快適でございました(笑) 毎週金曜日にはタハリール広場でデモが行われたりしていますが、日本の反原発でもより小規模な感じです(^_^;) 新しい大統領にもかなり不満の声は上がっていますが、相対的に「まあ、ムバラクさんよりまし」と思われているようです。エジプトの新しい国作りはこれからという感じですから、どっち方面にカジをきるのか……。それによって、日本との関係も変わってきそうではあります。
 
帰りの飛行機が高度を下げて、日本の陸地が見えたとき、「緑色だなぁ〜」とつくづく感じました。山があって森があって、林があって、きれいに区画が区切られた田畑が眼下に広がります。エジプトで植物の姿が見られるのはナイル川沿いだけと言ってもいいくらいで、全体的に黄色っぽい砂の色をしています。これだけ風土が違うのだから、伝統も文化も、人や社会も違って当然だろうなぁ〜と妙に納得してしまいます。違っているから、おもしろいのですね、これが。
 
デスクトップの調子が悪くて、帰国報告が遅れました。ノートでやれって!(笑) 帰った早々、忙しいnu-faceさんに時間外労働を強いて、リモートで直してもらいました(^_^;) さて、今日からは「日常」ってものが再開です(-_-;)
 



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2012/09/03  (月) 

スポーツクラブ

エジプト旅行も最終日。連れのおふたりは買い物へいくというので、買い物趣味のない私は所在なく(笑) ひとりで市内でもぶらつこうかなと思っていたのですが、前回、エジプトに行ったときの日本語ガイドをしてくれたシシさんと連絡が取れ、「お茶でもしましょう」ということになりました。「泊まっているホテルは?」と聞かれ、「ギザのアル……なんたら、隣にモスクがある……」なんて言っただけで、「わかった。そちらに行く」と。さすが観光関係者、話がはやい(笑)
 
クルマで迎えに来てくれたシシさんが連れて行ってくれたのは、ギザ郊外のスポーツクラブ。会員制で、かなり高級なクラブのようです。メンバー以外は、しっかり入場料を徴収されます。幾らだったかは知りませんが、相対的に物価の安いエジプトにおいては、安くはなさそう(^_^;) プールにサッカーコートが2面、テニスコートが10面ぐらいあって、素敵なクラブハウスがあります。スポーツクラブから見える建物は、お金持ちの別荘だということで、こちらもすごく立派なご邸宅ばかり。
 
このクラブのある街は「10月6日町」というのだそうです。アラビア語でなんというのかは、まったく聞き取れず、覚えられずでしたが、エジプトにとって10月6日は特別な日。第4次中東戦争の対イスラエル戦勝記念日らしいです。その日の名前が、市の名前になったとのこと。エジプトに限りませんが、このあたり、いやヨーロッパでもそうですが、人の名前や記念日の名前が、駅や橋、通り、広場、街などにつけられていることが多いようです。革命で追放されたムバラク元大統領の名前をとった「ムバラク駅」とかもあったはずですが、「どうなった?」と聞いたら、とっくに名前が変更になっているとか。日本では人の名前を公共物につける習慣はないですよね。例外は「坂本龍馬空港」ぐらい? 
 
クラブ内を案内してもらい、クラブハウスでお茶を飲みました。広いし、あまりに立派なクラブなので「お金持ちなんじゃない!」と言えば、「だった」と。日本語ガイドは、かつてはなかなかいい仕事だったようですが、日本人観光客が激減状態が続いているので、いまはお金持ちではないそうです(笑) でも、2月に行ったときに比べれば、日本人観光客の姿もチラホラ見かけるようになっています。日本で「ツタンカーメン展」をやっていることでもありますし、秋からエジプトを訪れる日本人が増えればいいですね。
 
帰りに「モール・アラビア」という巨大なショッピング・センターに連れて行ってもらいました。エジプトのみならず、中近東でいちばん大きなショッピング・センターだそうです。入口だけで、23箇所もあります。その一つ、一つが巨大なゲートで……。ありとあらゆる店が揃っているそうで、クルマまで売っていました!(笑) もちろんカフェやフードコートもあり、1日いても楽しめそうです。グルッと回っただけで、ずいぶん歩いたと思います。運動不足解消になったかも。天井も高く、圧倒的なスケールです。
 
帰り道、目の前にピラミッドが見えました。今回は行かなかったのですが、やはりピラミッドはエジプトの象徴。遠くから見ても、やっぱり大きいです! しかしながら、砂漠の中ではなく、街中にあるというのが、どうもイメージが……。できれば砂漠の中にあってほしいものですが(^_^;) 動かせるわけもなく(笑) いまピラミッドの近くにカイロ博物館より規模の大きなエジプト博物館を建設中だそうです。革命の影響で、工期に遅れはでているようですが。これができると、ピラミッドと直通の道路だか、なんだかができ(中途半端な情報ですねぇ)、観光客は電動カートか何かで移動するというような計画もあるとか。日本資本が支援しているとか、なんとか(笑) 本当に中途半端な情報です(-_-;) あとで、ちょっと調べてみます(^_^;)
 



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2012/09/02  (日) 

カイロ市街

前回、カイロに来たときは、ずいぶん長い間、カイロ博物館にはまっていました。いま、ツタンカーメン関係の展示物は、だいぶ日本に行ってしまっているのではないでしょうか。確か、まだ上野でツタンカーメン展をやっているはずです。ただし、黄金のマスクは門外不出ということなので、ここにあるはず。何十年か前に日本でツタンカーメンの黄金のマスクが展示されたことがあり、このときは本物だったそうです。ずいぶんな行列ができたそうですね。何年のことなのか、いまちょっとわかりませんが、「あのころはエジプトの経済が大変で、ツタンカーメンが世界中へ出稼ぎに行った」というガイドさん。黄金と出稼ぎ、言葉のイメージのギャップに大笑い。言いえて妙、というやつでしょうか(笑)
 
そのうえ、定番のピラミッドやスフィンクスを見るのに忙しく、そういえばカイロの街はほとんど歩いていませんでした。そこで今回は、せっせと待ち歩きをすることにしました。まずはオールド・カイロへ。カイロ発祥の地で、キリスト教の教会がたくさんあります。マリア様が幼いキリストを抱いてエジプトに逃げてきたとき、ここに3ヵ月滞在したという地下の小部屋を持つ教会もあります。その伝承のためにこのあたりにたくさんの教会が建てられたともいわれます。石畳の路地は、4世紀末から5世紀にかけて建てられた教会の間を縫って続いています。工事中で中には入れなかった聖ジョージ教会などは、10世紀になって再建されたものといいますが、それでも十分、古いです(^-^;)
 
内部は立派な祭壇が据えられています。緞帳のようなもので仕切られている祭壇の内側へは信者のみが入れ、それ以外の人は祭壇の前までというのが、コプト教会の特徴のひとつだそうです。係りの人が、撮影OKの祭壇のところまでわざわざ案内してくれました。そしてローソクをくれました。火をつけて願いごとをしながら祈り、立ててきます。やってみましたが……、神さまも忙しいし、部外者のお願いまではきいてくれないんじゃないかなぁと懐疑的ではあります(笑) ローソクというのが、いかにもキリスト教的な感じがしました。
 
オールド・カイロを後にダウンタウンへ。いわゆる繁華街ですが、荘厳なビルが立ち並んでいて、ヨーロッパに来たようです(行ったことはないので、あくまでイメージですが)。おしゃれなブティックやお菓子屋さんなども並んでいます。おいしいと評判の、行列のできるアイスクリームスタンドで、アイスクリームをテイクアウト。私のはマンゴー&ストロベリーでしたが、100%果汁で甘すぎず、さっぱりしていておいしかったです。ほかにミントやチョコレートなど6種類ぐらいの味がありました。この店には、奥にお菓子のセットがたくさん並べらていて、甘党の人のお土産にちょうどいいかも、という感じだったのですが、運んでいる間にトランク中がハチミツ味になる可能性が大なので断念(笑)
 
ここで探していたアラビア語の数字盤の腕時計を発見。アラビア語の数字は、アラビア数字ではないのです(笑) クルマのナンバープレートはみんなこの数字ですし、お店の定価表示や電話番号などもこの数字で書いてあることも多いので、覚えておくと何かと便利。覚えるためには腕時計は最適です。という理屈は後付けで、とりあえずおもしろい(笑) 1個750円ですから、長持ちしなくても諦めがつくしと思ったら、お店のおばさんがしっかり新しい電池を入れなおしてくれ、しかも中の機械は日本製だから壊れないと。聞いたことのない会社でいたが、確かに「日本製」と書いてあるので、なんとなく信頼感が……(笑)
 
そして、最後は「ハーン・ハリーリ」という巨大なバザールへ行きました。「何でも売ってる!」そうで、ちゃんと見て歩けば1時間で回りきれないぐらいの規模をもっています。それぞれ見たいものが違うので、解散! 1時間後にカフェで待ち合わせることにしました。見て歩くと行っても、歩いていれば、あっちこっちから声がかかります。日本語で「安いよ。見るだけタダ」と何度も言われました。誰が教えたんでしょうねぇ(笑) もっとすごいのは、おじさんが駆け寄ってきて、「バザールでござーる。やまもとやま!」と。エジプト全土の土産物屋さんから、この掛け声をかけられるのですが、「バザールでござーる」はともかく、「やまもとやま」は何? 誰がどのような意図で教えたのか、まったく想像がつきません。そして、それがほぼすべての土産物屋さんに行き渡っているのもなぜだか検討もつきません。もう少しマシな言葉を教えられなかったのかねぇ(笑)
 
このおじさん、ずっと私についてきて、シルバーはどうだ、ガラベーヤはどうだ、Tシャツはどうだ、宝石箱はどうだと休みなく勧める、勧める! 「何もいらない。何も買わない」と何度も言うのですが、聞いちゃいません。何かに足を止めると、色違いもある、柄違いもあると、どんどん広げられるので、思わず日本語で「いらないってば!」(笑) それでもめげないおじさん。どの店のものも勧めるので、どうもお店の人ではなさそうです。ロングスカーフを1枚、探していたタイプのものが800円ぐらいだったので、買うことにしました。買ってしまったら、やっとおじさんから開放されました。あのおじさん、売れた店からマージンを貰っているようです。しつこいわけだ(笑)
 
本当におもしろいのだけれど、妙に緊張感があるのがハーン・ハリーリというバザールです。イスラームのお祈りに使う数珠を見ていたら、おばさんが飛んできて、私の手からすべての数珠を取り上げ、売る気満々だった店番のおにいさんをものすごい勢いで怒鳴りつけていました。このバザールで、「売らない!」という方向性もあるんだ(^-^;) 言葉はわかりませんが、たぶん、「異教徒には持たせない」と言っていたのではないでしょうか。あまりの勢いに店番のおにいさんと顔を見合わせてしまいました。この数珠、その隣の店ではちゃんと売り込みしているのです。確固たるポリシーを持ってるおばちゃん、すばらしいと思います(^-^;) 主たる理由は自分の財布の中身が軽く、欲しくたって買えないという状況があるにしろ、まあ、不必要なものを勢いに負けて購入するという愚だけは犯さずバザールを乗り切りました(笑)

エジプトはナイルの賜。高さ187メートル、カイロタワーからの眺望です。



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エジプト人の家庭
「夢売るふたり」