ある小説の中に、世界を旅して「何を祀ってあるのかわからないんだけど、地元の人が拝んでいるものには手を合わせることににました。そうしたら、なぜか商売がうまくいくようになったんですよ」というフレーズがありました。SFだし、本筋とはまったく関係ないんだけど、心に残った一節です。そんなわけで(どんなわけで?)、日々の何気ないできごとを綴ってみようかと思います。
2013/06/07  (金) 

酒は天下の男山!

旭川は、どちらかと言えば小さな街で、旭山動物園を堪能してしまうと、行ってみたいと思うところは、そう多くはありません。文学館、記念館の類は、対象に大きな興味をもっていなければ、猫に小判ですしねぇ。そこで、のん兵衛の長老が興味を持ちそうな、男山酒造り資料館へ行ってみることにしました。なんてったって、試飲し放題です(笑) こじんまりとした資料館と風情のある庭があり、なかなか楽しい場所でした。
 
資料館とはいえ、つまりはお酒の販売所。入口を入ると、すぐに試飲のカウンターがあり、さまざまな種類の「男山」が展示され、販売されています。普通の清酒は無料で試飲し放題。高級なお酒や希少なお酒は、試飲でも有料でした。といっても100円ぐらいのようでしたが。まずは無料のカウンターへ流れると、「ドライバーさんはどなたですか〜?」と最初に確認されました。運転者には絶対、飲ませないぞ!という固い決意がそこに(笑) 「は〜い!」と手を上げて明るくお返事をした私は、ハナから飲む気はありませんから、ご安心ください(^_^;) 
 
みなさんが、あれこれと試している間に、2階と3階にある資料展示室を見学して歩きました。お酒にはたくさんの人が群がっているのに、資料室はシーンとしています。みんな、目当てはそっちじゃない(笑) 「男山」という酒は、かなり歴史の古い酒で、もともとは江戸で造られていたようです。資料館には数々の浮世絵が飾られていましたが、その中には「男山」と書かれた菰樽が描かれているものもありました。歌麿や北斎などの貴重な作品も所蔵されているそうです。昔の酒造りの道具や樽なども展示されていました。
 
のん兵衛のみなさん、のん兵衛ではなくとも、お土産や贈答としてお酒を選んでいるみなさんはなかなか時間がかかるので(笑)、資料館をあとに庭に出てみました。むかしの樽や桶が並べられていて、水車などもあり、散歩には気持ちのいい庭です。一角には大雪山連峰の万年雪がしみこんだ伏流水を汲み上げている「延命長寿の水」、これで「男山」を仕込むそうですが、これも提供されています。もちろん飲み放題(笑) そうは飲めるものではありませんが、地元の方々がたくさんのペットボトルをかかえて汲みに来ていらっしゃいました。
 



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2013/06/06  (木) 

旭川ラーメン

旭山動物園は、けっして大きな動物園ではありませんが、アップダウンがあり、あちこち見て歩くとかなりへとへとになります。動物たちのモグモグを見た後では、こちらもモグモグしたくなるというわけで、旭川ラーメン! 北海道は札幌が味噌、函館が塩、旭川が醤油と言われていますが、ラーメン好きの私は、実はこれが一番楽しみでした(笑) 旭山動物園の改札のおねえさんに「おいしいところ教えて!」なんて言って、仕事の邪魔をし(^_^;) 近くにラーメン村があることを教えてもらいました。味は好き好きなので……、というのもごもっとも。ラーメン村ならいろいろ選べると思い、そこに照準をあわせました。って、ナビをセットしただけですが(^_^;)
 
「あさひかわラーメン村」というのは、8軒のラーメン屋さんで構成されています。イートインみたいになっていて、それぞれ好きなラーメンを食べられるといいのですが、みんな独立したラーメン屋さんが集まっているということで、結局は8軒のうち1軒を選ばなくてはなりません。有名なお店は知っていたのですが、ほとんど予備知識はゼロ。外に貼り出してあるメニューを見て決めることになります。で、失敗!(笑) 私たちが選んだお店は、失礼ながらラーメンもチャーシューも餃子も、もう二度は来ないなぁという……。やっぱり聞いたことのある店にしておけばよかった(^_^;) 次に来たときは……、と思っても、次に旭川にいつ来られるか、はたして次はあるのか、と思うとラーメンも一期一会なのですねぇ。後悔先に立たず(笑)
 



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2013/06/05  (水) 

旭山動物園

映画にもなって、すっかり有名になった旭山動物園。行動展示というものを一度は見ておきましょうと、実はこちらが旅のメインテーマになってしまったりして。泊まったホテルにはスパやサウナもあり、そちらに駆け込んだ人もいたのですが、私は自室の浴槽で温まり、なんとか風邪をひかずに動物園に行くことができました。当然ながら、朝はのんびりの出発だったので、動物園に着いた頃は、ちょうど動物たちのランチタイム。旭山動物園では「モグモグタイム」と呼んでいましたが、あちこちで動物たちのモグモグを見ることができました。
 
まずは有名なペンギン。有名なのは、冬場の雪道散歩で、夏はただそこにペンギンがいる、と(笑) でも、空飛ぶペンギンですよ。本当に空を飛ぶのではなくて、ペンギンの水槽の下に通路があるので、見上げるとまるでペンギンが頭上を飛んでいるように見えるという趣向です。ところが、みんなモグモグのほうへ行ってしまって、ほとんど空にペンギンはいませんでした。何を見たいかによって、時間帯を選ばなければいけないようですね。しかし。ペンギンって、アップで見ると、そんなに可愛くはないと……(笑)
 
次のモグモグは、白熊。水槽がスパッと縦に切ってある感じで、白熊が小魚を捕まえてくわえるシーンが目前。これはなかなか迫力がありました。ガラスがあるからいいけれど、本当に目の前に出てこられたら、きっと怖いと思うでしょうねぇ。大きいし。モグモグが終わった白熊は、屋外でのそのそ。これを間近でのぞけるカプセルが用意されています。それをまた外から見ると、カプセルの中に人間の頭が出たり、入ったり。どっちが見られているのかわかりゃしない(笑) このカプセルはあちこちにあって、「ウサギ目線でオオカミを見る」とか、なかなか楽しかったです。
 
ゴマフアザラシが水柱をドーンと行ったり、来たりするのも大迫力でした。水のチューブはわかっているのですが、本当に近くて、思わず避けてしまったり。旭山動物園の人気の理由がよくわかります。いろいろ見せ方が工夫されているので、おとなでも本当に楽しめます。私はどちらかといえば動物は苦手(むしろ、怖い)なのですが、それでも楽しかったので、動物好きの人は何度も足を運んでみようという気になると思います。エゾシカやエゾオオカミなど北国の動物をはじめ、猿たちも充実したラインナップ。オランウータンのモグモグはなかなかじれったく(笑)、隣のテナガザルがいろいろパフォーマンスを見せてくれて、のたりのたりのオランウータンをカバーしていました。そのつもりはないでしょうけど(笑)
 



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2013/06/04  (火) 

スタルヒン球場

今回の旅の目的は、旭川で野球を見ること。どうも、本末転倒で、これは口実にされている気配ではありますが(笑) 「今年は北海道へ行こう!」と決めたときは札幌ドームだと思っていました。「れれれ、札幌じゃないの? でも、行こう!」というわけで、やってきたのが旭川スタルヒン球場です。スタルヒン? 野球選手の名前? どこかで聞いたことがあるような気がするけど……。それは、そうでした。スタルヒンは1916(大正5)念生まれ。親より年上(笑) ロシアから日本に亡命して旭川に在住し、野球選手になった人でした。1955(昭和30)年プロ野球史上初の300勝投手になったとか。1960年に野球殿堂入りしているそうです。聞いたことがある程度なのもしかたがないですね(^_^;)
 
旭川スタルヒン球場は、日本で初めて人名をつけた球場として有名なのだそうです。命名されたのは1982(昭和57)だそうです。すみません、知りませんでした(^_^;)  名前はともかく、普通の市営球場なのですが、北海道では珍しい、ナイター設備のある球場ということで、なんと私たちが見た試合が、北海道で初のプロ野球屋外ナイトゲームだったそうで。つまり札幌ドーム以外で初めてのナイター。といわけで、号外まででていて、大盛況。しまった、甘くみていてチケット買ってない……。走って窓口に行き、外野席を購入。いつもは内野派ですが、地方にビジターで行った場合、内野には味方がひとりもいず、外野でも一握りなので、ここは外野を選択しました。
 
スタジアムのイメージがあるので、外野指定……などと思ったのですが、外野は芝生で、どこにでも勝手にシートを敷いて、のスタイル。それは、そうだった、そうだったと気づいたときには後の祭り。人でぎっしりの芝生には、立錐の余地なしに見えました。一握りのベイスターズ応援団が気勢を上げている近くになんとか小さな隙間を見つけ、無理無理に座らせてもらいました。試合前にはブラスバンドの演奏があり、花火も上がり、初ナイター祝賀ムードでいっぱいです。が、試合はベイスターズ側の花火が上がっちゃって、近年まれな大勝。なんとなく申し訳ないような(^_^;)
 
それにつけても寒かったです〜。東京を出るときに天気予報では、旭川は晴れで気温もそんなに低くないということだったのですが、実際は小雨がぱらつき、気温も10℃そこそこ。一応、寒さ対策のコートとウィンドブレーカーは持って行ったものの、到底、これではしのげず、せっかく買ってもらったビールを持つ手が震え、歯の根が合わないというくらいの寒さ。勝っていたから最後までいましたが、負けていたら早々に帰ってしまうところでした。なんのために来たのやら(笑)
 



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2013/06/03  (月) 

富良野

海鮮を堪能したあとは、一路、旭川へ。と、思ったのですが、ゲームは夜なので寄り道していくことにしました。ラベンダーにはまだ早いと知りつつ、富良野へ。寄り道というにはちょっと回り道すぎる感じですが、北海道の道路は広くて、交通量も多くはないので、少々、道を外れても立ち寄る感覚です。富良野をラベンダーの里にしたはじまりは、ファーム富田という……、ファームというくらいですから、農場でしょうかね。まずは、そこへ行ってみました。
 
ラベンダーにはまだ少し時期が早いとは気づいていましたが、やっぱり(笑) ラベンダーは温室の中でした。その代わり、芝桜が満開で、鮮やかなピンクの花が咲き誇っていました。芝桜は、小さな花で可憐に見えるのですが、実はものすごく生命力が強いのではないかと思います。むかし、我が家の庭にも少し植えていたことがあったのですが、みるみる庭を席捲し、他の草花が追いやられるという事態になりました。そのため、ごめんなさいと駆逐してしまったのでした(^_^;)
 
ファーム富田の芝桜はほんの一部に敷き詰められているという感じで、ほとんどはラベンダー畑。ここに薄紫の花が一面に咲いていたら、さぞ美しいだろうと想像しながら、寂しい畑を眺めてきました。6月の後半から7月初旬ぐらいが見頃のようです。近年は、気候変動が激しいので、見頃も変わったりしますから、「咲いた!」というウワサを聞いてから、見に出かけたほうがよさそうですけれど。そんなに身軽にスケジュールを変更できない観光バスも数台は来ていて、例によって外国語が飛び交っていました。
 



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カニ、カニ、カニ
山本亭