プリンス・エドワード島に到着
トロント・ピアソン国際空港を10時に飛び立ち、時差1時間をプラスした午後1時にシャーロットタウン空港に降り立ちました。なんと50人乗りくらいのプロペラ機。たまたま隣の席に座ったのが所沢から来たという母娘連れのお母さんだったのですが、「飛べるの? この飛行機?」などと話したくらいちっちゃな飛行機です。でも、天候のよろしくない中、雲をかいくぐってちゃんとシャーロットタウンまで飛んできました。
プリンス・エドワード島、「赤毛のアン」のふるさとです。子ども時代(私にもあった!)に児童書でこのお話に出会い、私は文学少女(ホントか?)になったという、私にとっては、いわば青春の書とも言えます。今年の誕生日は、プリンス。エドワード島で迎えようと思い立ち、この旅にやってきたのです。が、今年は朝の連ドラで翻訳者の村岡花子氏が主人公となり、プリンス・エドワード島に訪れている日本人は1・5倍だそうで……。ありゃ、日本人だらけか?と思いきや、もともと分母が小さいので、1・5倍になってもたかが知れているようで(笑)
それはカナダの一番東で、日本からはもっとも遠く、来るのに時間もお金もかかるのですから、来るためにはよっこらしょ、どっこしょ並みの踏ん切りが必要だからでしょう。飛行機で隣り合わせた方は、ナイアガラの滝と抱き合わせツアーで、この島の滞在は1日。私はもうちょっと居座りたいので、日本発ではなく、現地手配のツアーに参加しています。
シャーロットタウン空港から、途中、スーパーマーケットで買い物をしたりしながら、キャベンディッシュ(物語の中ではアボンリーと名づけられた、作者ルーシー・モード・モンゴメリーのふるさと)のホテルにやってきました。なんといっても、ウリは赤毛のアンしかないという田舎町ですから(笑)、ホテルもアンの世界を意識したようなメルヘンチックなコテージ&ロッジです。ロビーには昔風のストーブ、あちこちに古い家具、アンティークといいますか(笑)、落ち着いた、風情のある造りです。昨日までいた、何の装飾もなく、ただ寝るだけのゲストハウスとは大違い(^_^;)
こじんまりしたベッドも木製で、いわば子ども部屋用みたいな趣です。古びた感じに作ってあるだけではなく、実際に古い!(笑) しかし、この古くて使い勝手の悪いところもなかなかいいです。もうちょっとグレードが高く、広くてジャグジー付きなどという部屋もありますが、私はこの部屋ですごす5日間が楽しみです。
ナイアガラの滝
ついこの間まで、ナイアガラの滝の正確な位置も知らないでいたものを、知り合いから「トロントまで行ってナイアガラに行かないということはないでしょう。とくにカナダ側からの景観はすばらしい」と聞いて、寄り道して見る気になりました。宿のオーナーに相談して、滝のほかに歴史公園なども回るという一日ツアーを紹介してもらい、朝10時頃、バスでトロントを出発。ドライバー兼ガイドは英語で、言ってることはほとんどわからないので、滝までは爆睡(笑) 滝が近づいてくると、右側に席をとったのが大正解とわかりました。滝はもちろん、入れ替わり現れる美しい景観はほとんどが右側に車窓から眺められます。
トロントから2時間弱。ちょうどお昼時に滝に到着しました。まずは、船に乗って、間近からの滝見物。どこからともなく現れたのは謎の赤い人々。さてはカープファンの団体?(笑) これは、乗船する人に配られる無料のカッパを羽織った人たちだったのです。乗船ゲートのところで、私ももらいました。船に乗ると、前方をまたしても謎の青い服を着た人を満載した船が通過。ベイスターズファン? いえいえ、カナダ側から乗船する人には赤いカッパ、アメリカ側から乗船する人には青いカッパが配られるのだそうです。アメリカ側には一部、黄色いカッパの団体もありました。意味はないけど、おもしろい(笑)
赤い人を満載した船が出発。下のデッキの端にいたのですが、しっかりしぶきを浴び、カッパから出ていた袖の部分はすぐにぐっしょり濡れてしまいました。夏だからいいけど、これ、寒い日だったら風邪ひきますよ! しかしながら、冷たいしぶきを浴びるだけの価値はある、間近から見る滝の景観です。急峻な川の多い日本でも滝は見慣れていますが、幅がまったく違うので、すごい迫力です。ふと、これはイグアスも見に行かねば!と余計なことを考えました(笑) 船の中から見える大きな橋の中央が、カナダとアメリカの国境。両国の旗が立っているだけで、検問はないようです。下船後に歩いて国境を渡ることができるようでしたが、お腹ペコペコにより、見送りました(笑)
ナイアガラは、ただ滝見物をするところかと思っていたら、カジノなどもある一大歓楽街になっています。むかしの熱海って感じ?(笑) 夜は滝のライトアップもあるそうなので、1、2泊して楽しむ人も多いようです。街を歩いて、最初に見つけたウェンディーズでチキンバーガーを買いました。日本再上陸してから、まだ食べに行っていないので、なんか懐かしいような。持ち帰りにしてもらって(ここはto goでした)、公園の木陰でゆっくり昼食というか、朝食というか。同じようなことを考える人は多いようで、空いている木陰を探すのにちょっと手間取りましたが、無事着陸。バスの出発時間まで1時間以上あるので、ゆっくりできます。
帰りは、オンタリオ湖の水力発電施設を見たり、とんびや鷹が飛び交うポイントで停車したり、カナダ開拓時代の遺物を当時のままに野外展示してある公園などに立ち寄り。この公園は、当時の英国軍の征服を着た人たちがガイドをしてくれたり、マーチングバンドを演じてくれたりします。1時間ぐらいの滞在でしたが、もう少しゆっくり建物の内部などを見て歩いても楽しそうです。内部もちゃんと再現されていて、台所のある建物では、昔の服を着た本物の女性が調理していたので、びっくり。よくできた人形かと思った!(笑)
トロント散策
朝は私にとっては早めの8時頃に目覚めましたが、街へ出るにはまだ早いだろうとグズグズ。出るのをやめて1日寝ていようかとさえ思いましたが、いくらなんでももったいないでしょう(笑) シャワーを浴びて、フロントでもらった地図を片手にのそのそと街へ出て行きました。名所旧跡もあるのだろうと思いますが、とりあえず街の散策ということで、ガイドブックは置いてきました。地図を見たところによれば、たぶん歩いて回っても1日もかからなそうです。夜は8時半頃まで明るいので、遅くなっても大丈夫。安全という意味では、日本の繁華街より、よほど静かで安全な感じです。警察はいらないんじゃないの?というくらい(笑) 1日歩いて、おまわりさんは1回しか見かけませんでした。どこかには、いるんでしょうけど。
ゲストハウスから歩いて1分でトロント大学に到着。誰でも入っていいようなので、中へ歩いて行きました。正面は何の建物でしょうか、歴史のありそうな建築物です。近代的なビルの合間、合間に、昔のヨーロッパをイメージさせる(行ったことはないですけど)建物が散在しています。トロント大学を通り過ぎると、なんだか漢字がいっぱいの街並みに。チャイナタウンだそうです。世界中にありますねぇ、チャイナタウン。その裏はコリアタウンだそうです。あいにく日本食の店はみかけませんでした。どこかには、ありそうですけど。
ずんずん歩いて、ハーバーに行って見ました。オンタリオ湖の遊覧船などが発着しています。海風ではないので、さらっとしたいい風が吹いています。鳥が飛び交っていないのがいいです(笑) 水辺のカフェは、家族連れや、たぶん観光客? いろいろな人たちでいっぱいになっています。もうすぐランチの時間です。まだ夏仕様でいいと思っていたのですが、上着を着てちょうどいいぐらいの涼しさ。街の温度計は、午前中は18℃でした。うっ、持ってきた服ではこれから寒いかも……。例年より早く涼しくなっているそうです(-_-;; 世界中が異常気象なんでしょうねぇ。とはいえ、体感温度というのはそれぞれで、街を行く人は上着着用からタンクトップまでさまざま。日本に来る外国人に言わせると、日本人はおおむね厚着だそうで。そうかも(笑)
歩きつかれたのでコーヒーでも飲もうかと思ったら、そこにスタバがありました。コーヒーを買って、外の椅子に座り、空を見上げれば、新宿と言われても、ニューヨークと言われても(行ったことないけど)、ロンドンと言われても(行ったことないけど)、わかならないような風景です(笑) どの硬貨がいくらなのか、見るのが面倒なので、じゃらっと手のひらに乗せて、必要なだけ取ってもらいました。どこまで不精なんだ! ごめんなさい。でも、これだとしゃべらないですみます(笑)
コーヒーで元気を回復して、別のブロックを歩いて見ると、大きな教会がありました。カテドラル・ジェームス。有名な教会なのかもしれませんが、説明書きは無視して、中へ。教会は、基本的に誰でも中に入れてくれるようです。昔ながらの信徒席が区切られていて、これが赤毛のアンにも出てくる家族席なのでしょう。三方を囲んでいるステンドグラスが見事で、しばし見とれました。技法としては単純なのかもしれませんが、細かい細工で、とても美しい輝きです。扉の開いていた席にちょっとの間、座らせていただき、首が疲れるまで、ぐるぐると見回していました。
教会に隣接して、いろいろな花の咲き誇る公園があります。どこかで買ってきたらしいランチをベンチに座って食べているグループもいて、のどかな風景です。私もしばしベンチに腰かけ、どこで食べ物を売っているのだろうとキョロキョロしたのですが、残念ながら、見渡す限りはそれらしきお店はないようです。残念。次の公園にたどり着く前に、私もどこかでテイクアウトしよう! って、テイクアウトは通じません(-_-;; オーストラリアではテイクアウエィだったので、試してみたのですが、へっ?という顔をされました。意味はわかったみたいで、お持ち帰りにしてくれましたが、発音が悪い? それともアメリカ方式でトゥゴーでしょうか? 統一してくれよ〜(泣)
トロント市庁舎
爆睡!
トロントに降り立った日は、もうクタクタでボロボロ。飛行機でほとんど寝ていたくせによく言うよ、という感じではありますが、寝たと言っても寝苦しいことではありますから(笑) 時差ぼけというなら、日本時間の朝方に到着しているので、目が冴えて……というのが普通でしょうけれども、時差には左右されない体質なのか、朝と言われようが、夜と言われようが、眠いものは眠い(笑) ゲストハウスに落ち着いて、しばらくグッタリし、10時間以上、何も食べていないことに気がつきました。ゲストハウスの並びにサブウェイがあったような……。知らない土地でも、サブウェイ、マック、ケンタ、スタバと、かって知っている店を見かけると安心です。言葉などわからなくても、買い方は同じだし(笑) そう思ってみると、みんなアメリカ資本だったりします。ドトールも進出してよ!(^_^;) とりあえず、サブウェイで、指差し確認により、好みのサンドイッチを手に入れ、ついでにペットボトルの水を買ってきました。お腹がいっぱいになるとまた眠くなって……。シャワーは明日にしようと、汚いままで改めで爆睡です(笑)
トロント散策は明日にしましょう。トロントは、今回の旅の目的地ではなく、ナイアガラの滝へでも行って見ようかと、ちょっと立ち寄っただけなのでまったく不勉強。どんな街なのかもわかりません。ガイドブックによれば、カナダで一番大きな街だそうです。そうなの? 体感では、仙台ぐらいの感じでしょうか。道路には、送電線?が張り巡らされています。これは路面電車のもの。景観はやや損なわれるかもしれませんが、その分、自動車の数は少なく、空気がきれいのではないでしょうか。街のあちこちにある公園の緑と花壇と相まって、いかにも清潔な感じの街ではあります。宿泊先の目印は時計塔。これは消防署のものなのだそうです。消防署はおしゃれですが、消防車の音は、かなりガサツで驚いちゃうような音です(笑)
トロントに到着
トロントでは、日本語OKという小さなゲストハウスに泊まることになっています。日本のビジネスホテルぐらいの宿泊費ですが、トイレとシャワーは共同ということで、条件はずーっと悪いです(-_-;; しかしながら、トロントは初めての土地なので、日本語OKを優先しました(^_^;) まず、そのゲストハウスまでたどり着かなければ、先に進めません。このゲストハウスのホームページから、英語と日本語のアクセスガイドを印刷してきました。タクシーだと5000円ぐらい、バスと地下鉄を乗り継ぐと、なんと250円ぐらいです。タクシーのほうが安全であることは間違いなしですが、落差が激しすぎる! というわけで日本語版を見ながら空港をウロウロしていたら、おじさんが英語版のほうを見て、あの黄色い看板のところで聞けと教えてくれました。黄色い看板のところにいたおじさんは、老眼鏡を取り出してじっくり英語版を読み、バス停の番号と場所を丁寧に教えてくれました。こうなったらバスで行くしかないでしょ(笑)
バスで地下鉄の駅まで行き、そこからタクシーという手もあると思ったのですが、地下鉄の終点にあたるその駅にはタクシーなんか1台もいません。しかたがないので地下鉄に乗り、7つ目の駅で降りました。そこからタクシー……なんか、いません。しかたがない、指定された路面電車に。さほど重くはないのですが、おっきなトランクを持ち上げたり降ろしたり、大汗をかきました。路面電車の駅からは、徒歩3分。なんとかゲストハウスにたどりつきましたV(^_^)V しかしながら、ここにはエレベーターもなく、廊下は迷路(笑) ほとんどバックパッカーのような人が泊まるところですから、トランクなんか引きずってる私はバカみたいに見えるのではないでしょうか(笑) ま、とにかくベッドと机が一つという部屋に到着。テレビもあるし、貧乏旅行には十分でありますね。