知足の気まぐれトルコ紀行

目玉の木に下がっていたのは、トルコのいたるところで目にする目玉のお守り｢ナザール･ボンジュウ｣だ。アクセサリーや置物として、あるいは壁掛けなど、さまざまな種類の｢ナザール･ボンジュウ｣があり、トルコ人なら誰でもお守りとして身につけているものらしい。
 
主に青いガラスの上に目が描かれていて、この眼が｢魔力｣をもっているとされる。すべての悪いものが目の威力により打ち砕かれ、青いガラスによって撥ね返されるのだそうだ。だから、身を守ってくれるものとして信じられている。  ｢ナザール･ボンジュウ｣の起源は古く、3世紀頃のシュメール王家の墓からもメノウ製の｢目｣が発見されているとか。
 
もちろん、私たちが乗っているバスにも大きな目玉がかけられていた。何か買い物をすると目玉のついた安全ピンで留めてくれたり、さまざまな商品のラベルにもよく使われている。ホテルの部屋に用意されているお菓子も、箱に安全ピンで小さな目玉が留められていたことがある。私は旅の間、この貰った目玉をバックに3つ、4つつけていた。だから、無事だったのかな？
 
しょっちゅう売り込まれる｢10個で1,000円、20個で1,000円｣のストラップのようなもの(よく見なかったので、なんだかわからないけど)も、たいていは目玉である。一番トルコらしいおみやげといえば、これなのかも。しかし、毎日、あまりにもたくさんの目玉を見すぎて、おみやげに持って帰る意欲はかえって減退。いや、実は我が家には前に母親がトルコに行ったときに買ってきた大きな目玉が一つ、玄関で睨みを聞かせているのである(笑)。

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