知足の気まぐれトルコ紀行

イスタンブールで乗り継いでアンカラへ。空から見たイスタンブールの夜景は本当に見飽きないほど美しかった。宝石箱をひっくり返したようなという形容があるが、だとしたらスルタンの宝石箱だ。いつまでも、いつまでも続く。1500万都市だそうだが、本当に大都会の光の海だ。道路を埋めるクルマのライトで、道筋まではっきりわかる。ボスポラス海峡がくっきりと黒く沈む。新旧二つの橋もイルミネーションに輝いていた。なぜ｢世界何大夜景｣に数えられないのだろうと思ったら、見渡せる高台がない。たぶん、これが眺められるのは飛行機からだけではなかろうか。

初めて外に出たのはアンカラ空港。足を踏み入れて、まず感じるのはその国のにおい。なんと形容していいのかはわからない。香辛料に関係があるのだろうか？　オリーブかな？　日本にはじめて降りたった人は、きっと醤油のにおいを感じるのだろう。それがその国のソウルフードなのかもしれない。

それほど寒くなくて、すぐバス、そしてホテル。なんと汗だくでシャワーに飛び込むハメに。その上、液体は持ち込めないかもしれないと脅されて、捨ててもいいという覚悟で、成田空港で出国ゲートをくぐってすぐに買ったナイトキャップ用の酒をどこかに置き忘れ、意味ないじゃん！　バスはツアーの間中、同じバスを利用するとのことで、バスにあるといいなぁ。　

アンカラで宿泊するホテルは空港に近く、到着したのは現地時間の23時で、寝るだけ。日本との時差はマイナス7時間。到着は日本時間で午前6時ということになる。ちょうどいいことに私にとってはいつも寝る時間に近い(笑)

アンカラのホテルは周囲には田園が広がっている街の郊外。翌朝、まだ暗いうちに祈りを呼びかける声に眼を覚まされた。トルコの公用語はトルコ語だけだが、この祈りの言葉はアラビア語らしい。意味はまったくわからないが、美しい言葉の響きだ。この朝の祈りを呼びかける声は、これから毎朝、聞くことになったが、私は｢好きだなぁ｣という感じ。

朝起きたら、上の階から煙が……。｢すわ、火事か？｣と思ってこっそり非常階段で屋上へ上がってみると、暖房機のようだった。しかしまあ、黒い煙で……。着いた早々、脅かさないでほしい(笑)。事故に遭遇して日本の新聞になんぞ、載りたかないんだから。

廊下に出したバゲッジがバスに積み込まれる頃、とりあえずバスに走っていって置き忘れた物があるかどうか確認。ありましたね、私のナイトキャップ(笑)

そして、トランクの中に手荷物だったパソコンも入れてしまったために、すごく重くなっていたので、運んでくれている運転手さんにとりあえず「重くてごめん」と謝って、｢中にラップトップが入っているので、取り扱い注意願いまーす｣と伝えておいた。「ノー　プロブレム」というお返事。後で気づいたが、ドライバーは英語を解さない。わかっていたのかどうか(^_^;)

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