黒姫童話館
新蕎麦ツアーといえどもお蕎麦ばかり食べているわけにはいけないので、間にちょっとお茶がはさまります。今年は、「黒姫童話館」のティールームに案内していただきました。1991年にオープンした世界の童話をテーマとする文学館です。 「はてしない物語」や「モモ」の作者、ミヒャエル・エンデの2000点を超える作品資料が本人から寄贈されているほか、松谷みよ子の作品などが展示されています。
ティールームから見える庭には、黒姫を愛した作家いわさきちひろがアトリエとして使っていた黒姫山荘が移築されていて、いわさきちひろの暮らしと作家活動の一端を垣間見ることができます。
童話館の前には、冬になればゲレンデになる黒姫高原の景色が広がっています。あいにく天候が悪く、頂上付近に霧がかかって、山は全容を見せてはくれませんでしたが、どことなくヨーロッパ風で幻想的な風景です。童話館のエントランスでは、たくさんの木彫りの動物たちが出迎えてくれます。どれもユーモラスな表情をしていますが、私は入口の見張り番のようなたぬきが気に入りました(笑)
童話館の横には「童話の森ギャラリー」もあります。こちらは主に信濃町にゆかりのある画家や作家の作品を展示している美術館。どちらも建物自体がおしゃれで、風景によく溶け込んでいます。お天気がよければ、庭でぼんやりすごすのもよさそうですね。
ひとり旅らしい若い女性がそぞろ歩いていました。きっとロマンチストなのでしょう。そういう風情が似合う場所だなぁ〜と思います。売店で売っている絵本やカード、しおりなどもなかなか人気があるようです。
小林農園
鏡池にはご挨拶しただけで、そそくさと黒姫側に下りました。目的地は去年、案内してもらった小林農園さん。ほうれん草がすごくおいしかったので、今年もぜひ買って帰りたいと思っていました。去年より2週間以上遅い訪問なので、ひょっとしたらもう閉めてしまったかもしれないと心配していましたが、やはり今年は暖かいようで、まだまだたくさんの野菜が並べられていました。
今年も赤い大根、緑の大根、白い大根……あ、これは普通の大根ですね(^_^;) たくさんの大根と目当てのほうれん草を山のように買い込みました。冷凍しておいてもいいしと思っていたのですが、帰ってきたら、近所に所帯を構えている妹という名の略奪者に半分は持っていかれました。シメジも大根も、みんな半分は強奪されました。悪魔!(笑) 食べ盛りのオスのガキが2匹もいるんじゃしょうがないか……。来年は、それも計算してもっとたくさん買って帰らなければ!
たかさわ
新蕎麦ツアー、2軒目のお店は、昨年も行った「たかさわ」です。昨年、すごくおいしかったという記憶があるというので、再び訪ねることにしました。おいしかったのですが、「去年とちょっと違う気がする……」と連れたちは言います。食べる側の体調とか、お腹いっぱい具合とかも影響するかもしれません。それに、「去年、すごくおいしかった!」という記憶が、1年かけて熟成し、増長して、期待度が高くなりすぎているということもあるかもしれませんね。
本当に味が違っていたとすれば、蕎麦の味の違いはどこからくるのでしょうか。蕎麦粉の違い? 打ち手の違い? 気温の違い? 水温の違い? そばつゆだって、出汁のとり方、材料の質でだって変ってくるかもしれません。私は微妙なことにはこだわらない体質なので、十分、おいしくいただきました(笑)
ここでは限定で十割蕎麦も扱っています。まだ一人前ぐらいはできるというので、一つだけ頼んでみました。二八よりは、ちょっとコシが強い感じでしょうか。私は、十割にはちょっとぽそっとした感じを受けるので、二八のほうが好きです。今年はひめたけのこの天ぷらも頼んでみました。これはさくっとしていて柔らかく、おいしいたけのこでした。なぜかお蕎麦に天ぷらって合いますね。
繰り返し同じお店を訪ねるのも楽しいし、行ったことのないお店に飛び込むのも楽しい蕎麦ツアー。今年は2軒しか行かれませんでした。“しか”って、半日ぐらいで、いったいどれだけ食べれば気がすむんだ!という感じです(笑) 予定は3食でした。届かず残念(^_^;)
大久保西の茶屋
友人たちと出かける“信州新蕎麦ツアー”、今年で何年目になるでしょうか。すっかり恒例行事となってしまいました。今年は、戸隠高原の入口、「大久保西の茶屋」に立ち寄ってみました。ここは、数年前まで、けっこう頻繁にスキー場通いをしていた頃にはよく寄った店だったのですが、最近はずっとご無沙汰でした。隣に「大久保の茶屋」という店があって、そっちのほうが本店っぽい感じなのですが、なぜかそちらには入ったことがありません。駐車場もそっちのほうが広いのになぜ?(笑)
入口を入ってすぐの部屋に、今年の蕎麦粉の袋が山積みになっていました。このお蕎麦屋さんは自分のところで蕎麦畑をもっているということですが、それだけでは足りないので他からも仕入れているとのこと。片目だけ墨の入っただるまさんと一緒に積んである蕎麦粉の袋はほとんどは大町から来たもの、少しだけ群馬県産の袋が混じっていました。いずれにしても「国産だよ〜!」というアピールなのでしょうか(^_^;)
お蕎麦の味は、まあ、この辺り的な意味で普通。他の店に比べると、ちょっと量が多いかなとという感じです。お蕎麦が出てくる前に、野菜の煮たものなどを待ち時間を堪える用(笑)に出してくれます。今日はカレー味だったそうです。だったそうですというのは、苦手なタマネギがたくさん入っていたため、私はご遠慮申し上げてしまったもので(^_^;) お蕎麦のほかに小鉢もついてきます。野菜や豆など、これも地産のもののようです。
写真を撮っていたら、お店の方が「最近、お客さんがみなさん、写真を撮られるのですが、なぜですか?」と。「いや、その、ブログに……」「は? なにそれ?」というかみ合わない話になりました。最近はカメラつきケータイが普通になってきたので、とくにブログを書いていない人も写真を撮るのかもしれませんが、それにしてもブログ書いている人って、けっこう多いのでしょうね(笑)
女滝、男滝
黒山三滝あたりは古くから修験者の修行の場となっていて、むかしは滝の近くにたくさん修行道場があったそうです。「女滝、男滝」の名称は、越生町の出身で吉原遊廓の副名主だった尾張屋三平が、 この滝を男女和合の神として江戸に紹介したことによるとか。吉原では人気のある神様だったようです。
滝の手前には、茶屋が一軒ありました。おばあちゃんがひとりでお店番。朝から何も食べていなかったので、味噌おでんに惹かれるように座り込みました(笑) おばあちゃんに「ひとりで来たの?」と聞かれ、「はい」と答えたら、「えらいねぇ」とほめられました(笑) 「下から歩いてきたの?」と聞かれ、「はい」と答えたら、「えらいねぇ」とまたほめられました。徒歩15分ぐらいです(^_^;) お皿までなめたくなっちゃうようなおいしい味噌おでんでした。
途中に「関八州見晴らし台」という道標があり、「関八州」にちょっと心ひかれて、「どのくらいで行かれますか?」と聞いたら、「1時間半ほど登れば……」と。それは、ちょっと無理です(-_-;) 足元が滑る、獣道のような道でしたから(笑) 紅葉の盛りになるまでには、あと10日ほどとか。それもつかの間ですぐ冬がやってくる……。このあたりは雪はめったに降らないでしょうが、冬の間は、ほとんどお店は閉めているそうです。そんなに山奥というわけではないので、お正月などには、お参りに来る人もいそうですね。