ある小説の中に、世界を旅して「何を祀ってあるのかわからないんだけど、地元の人が拝んでいるものには手を合わせることににました。そうしたら、なぜか商売がうまくいくようになったんですよ」というフレーズがありました。SFだし、本筋とはまったく関係ないんだけど、心に残った一節です。そんなわけで(どんなわけで?)、日々の何気ないできごとを綴ってみようかと思います。
2019/04/20  (土) 

フクシマ・ノート

写真家の小林恵さんから、「フクシマ・ノート」という写真集を頂戴いたしました。あの、2011年から、2018年まで、年に数回、福島を訪れて、ずっと記録し続けてきた集大成です。私も一度、連れて行ってもらったことがあります。線量計をもって。政府の設置した線量計測ポストの近くは、古い土が撤去され、新しい土が敷かれていたりして、静かなものでしたが、廃屋の雨樋のそばで計れば、おののくほどの数値が示され、「帰還、帰還」と叫んでいる人はいたけれど、「絶対、帰ってはいかん!」と思ったものでした。とくに、子どもや若い人は。
 
この写真集には、モノクロームの静かな風景が切り取られています。小林恵さんらしい世界。写真集はお値段も高いし、コンビニや駅前の本屋さんに並べられているものでもないので、「みなさん、ぜひ見てください!」とはなかなか言えないのだけれど、目を背けたくなるような風景も含めて、たんたんと表現されるあの日からの福島の写真は、一葉、一葉に訴えかけてくるものがあります。終わってないんだよということも、天災じゃないんだよということも。
 
小林恵さんとは、むか〜し一緒に仕事をしていたというお付き合いですが、いまでもたま〜に「元気か〜?」と言って連絡をくださり、お昼をご馳走してもらってます(^_^;; 写真展のときは必ず見に行くのですが、「先生」なんて呼ばれていて、びっくりしちゃう(笑) 私はいつも「ケイさ〜ん、お腹すいた〜!」なんて、言っているのに(^_^;; いくつかのテーマをもって、つねにレンズで追い続けている写真家は、戦場カメラマンだけではないのですよ。
 



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