ある小説の中に、世界を旅して「何を祀ってあるのかわからないんだけど、地元の人が拝んでいるものには手を合わせることににました。そうしたら、なぜか商売がうまくいくようになったんですよ」というフレーズがありました。SFだし、本筋とはまったく関係ないんだけど、心に残った一節です。そんなわけで(どんなわけで?)、日々の何気ないできごとを綴ってみようかと思います。
2009/03/14  (土) 

龍穏寺

時間つぶしがてら越生梅林の周辺を走り回っていると、鮮やかな赤い花が川沿いに建ち並んでいてとてもきれいでした。花に引かれて細い道を入り、奥へ奥へと入っていくと……、なんとなく甲斐の道を思い出すようにだんだん先細って……、その先に龍穏寺というお寺がありました。ちょっと広くなっているところにクルマを停め、ちょっとお参りしていくことに。まったく予備知識なしでしたが、なかなか立派な山門をもつ由緒正しいお寺のようです。
 
曹洞宗、長昌山龍穏寺。お寺の起源は奈良時代の山岳仏教にまでさかのぼり、室町幕府6代将軍足利義教が関東の戦死者の菩提寺としたという歴史のあるお寺でした。その後、曹洞宗の関東第一の道場となったそうです。そうですか、道元禅師のお弟子さんの流れだったのですね。小永平寺ともいわれくらいで、曹洞宗の関東三大寺の筆頭だったのだとか。室町時代の戦乱の中で衰退したものを、太田道真・道灌親子の力で再建されたそうです。
 
それで本堂の門前で太田道灌さんが出迎えてくれているのですね。本堂脇の小高い場所には、太田道真・道灌親子の墓所もありました。太田道灌の墓は殺害された地、神奈川県伊勢原市にありますが、ここはそちらから分骨してもらって葬ったものだそうです。
 
いかにも年輪を感じさせる二層の仁王門は「無相門」と名づけられています。越生町指定建造物です。なるほど太田道灌ゆかりのお寺らしく江戸城の外堀の石も置かれていました。江戸城外堀に架かっていた神田橋の橋台の石。首都高速建設の際に寄贈されたと書かれてあったので、ここに鎮座したのはそう昔の話でもないようですね。目を引くのはなかなか派手な経堂です。埼玉県指定文化財となっている建造物で、道元禅師の一代記が彫刻されています。「禅 ZEN」を見たばかりの私にはタイムリーな彫刻でした(^_^;)
 
人の気配のない静かな境内は起伏があり、ちょっとした散歩コースのようです。涸れた水路のそばにふきのとうが顔をだしていました。見回すとあっちにも、こっちにも。えーと、所有者はお寺だとは思いますが、数本だけ摘み取らせていただきました。ご利益のありそうな春のプレゼント。家に帰って天ぷらにしていただきました。ごちそうさまです。
 



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2009/03/13  (金) 

弓削多醤油、再び

昨年、越生に行ったときに発見した弓削多醤油の玉子かけご飯。今年もここまで来たのだからと、「醤遊王国」へと足を向けました。やっぱりおいしかったです、玉子かけご飯。昨年はテーブルの上に6本ぐらいの醤油ビンが並んでいて、「どれでもお好きなものを」という感じだったのですが、今年は「生しょうゆ」と「たまかけしょうゆ」のみ。たぶん、いっぱい置いてあっても、お客さんが使うのはこの2種類に限られていることに気づいたのでしょう(笑) 
 
「生しょうゆ」は、まさにその場で搾っている醤油。「たまかけしょうゆ」は玉子かけご飯用のダシやみりんなどが混ぜられたもの。う〜ん、どっちにしようかと悩み、両方をご飯の右端と左端にかけて味見。やっぱり「生しょうゆ」を選んでしまいました。しょっぱいのですが、なんと言ったらいいか、香りが高くてきりっとした味です。
 
食べ終わった頃に、「工場見学」のご案内がありました。せっかくなので工場をみせてもらうことに。ご案内役の方が、まずは大豆を蒸している大きなタンク、小麦を炒っている機械のある部屋へ連れて行ってくれます。そして、大豆を発行させている酵母なども見せてくれました。

 

普通の「醤油」と「丸大豆醤油」の違いを知っていましたか? スーパーなどで売っている普通の醤油は搾って脂分を取り出した後の脱脂大豆を使って醤油を作るのに対し、丸大豆は大豆そのままを使って醤油をつくるのだそうです。弓削多醤油は手作りの醤油屋さんの感じで、もちろん丸大豆。それも国産だけを使用するそうですが、国産は全大豆の3%しかなく、醤油業界に提供されるものは0.2%なのだとか。原料を手に入れるのもなかなか難儀なようで、農家と契約して栽培してもらっているそうです。
  
次の工程は、樽の中で十分発酵してどろどろになった大豆と小麦を搾るところ。特殊な布に樽から汲み上げた醤油のモトを広げ、何層にも重ねてプレスして醤油を搾り出します。外に「搾りカス」もありました。ちょっとちぎって食べさせてもらいましたが、ただしょっぱいだけ(笑) これは牛の飼料になるそうです。「牛が塩分を摂り過ぎになりませんか」なんてバカな質問をしたのですが、牛は塩をなめさせて育てるというくらいで、ものすごく塩分が必要な動物なので、ちょうどいい飼料になるのだそうです。なるほど。

 

工場の横にはきれいな湧き水があります。やはり、水のおいしいことも条件のひとつなのかもしれません。「生しょうゆ」を1本買ってきましたが、これは目の前で搾ってビンに詰めてくれます。「生」にリアリティがありますよね。生ではなくても、いろいろな種類の醤油が売店に売られていました。「生」は火を通していないので香りはいいのですが、日持ちがしないのです。要冷蔵で、なるべくお早めに。買いだめできないのが残念です。
  
工場見学は、一生懸命メモを取りながら熱心に聴いている青年と一緒でした。東京で弓削多醤油の玉子かけご飯を食べさせてくれるというラーメン屋さんで働いている人でした。その話、数日前にテレビで見たような。西武新宿線の都立家政にある「七彩」というお店? お店で弓削多醤油を使っているので、どうやって作られているのか勉強に来たらしいのです。最近の若い者は……っていうけど、熱心でまじめに修行している青年もいるものです。日本の未来も暗くない(笑) ラーメンもおいしいと評判のお店らしいので、食べに行ってみたいと思いますが、ちょっと遠い……。
 
「生しょうゆ」を「なましょうゆ」と読むのか、「きしょうゆ」と読むのか、という話になりました。弓削多醤油では「なましょうゆ」。搾りたて純生という感じで、ビールと同じ感覚ですね。でも、ほかの調味料などを混ぜたり、薄めたりしていない醤油を「きじょうゆ(生醤油)」という習慣もあります。もろみをしぼったままで、熱を加えていない醤油を指しても「きじょうゆ」と呼んでもいいようですが、きっと紛らわしいから「なましょうゆ」なのでしょう。混ぜ物のない醤油を生醤油というのは、なんとなく生真面目とか生粋とかいう言葉と相通じるところがあるような感じがしますね。「ことばおじさん」梅津アナに聞いてみたいなぁ。
 



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2009/03/12  (木) 

越生梅林

今日は越生梅林に行ってきました。おなじみの「みきデザイン工房」のステンドグラス作家のみなさんが、ガラスの買出しにいくというのでおつき合い。はやい話がアッシーです(^_^;) このガラス屋さん「ガラスランド」から越生梅林は徒歩1分。窓から梅林が見渡せるという好立地なので、みなさんがガラスを選び、お仕事をしている間に私は梅林見物としゃれこみました。
 

越生梅林へ行ったのは3回目で、初めてのときはもう花はほとんど終り、2回目は早すぎて開花は数輪。今年は3度目の正直で、ちょっと遅い感じではありますが、まあまあ、これまでの中では一番、梅林らしい風景が展開されていました。ぎりぎりセーフぐらいかな。
 
初めて越生梅林を見たときは「すげっ!」と思いましたが、吉野梅郷に比べると平らな地形なので、眼下に見下ろすアングルがないのがもの足りない感じがします。どこかに俯瞰する装置がほしいなぁなんて。梅の木の下をそぞろ歩く感じです。とはいえ、今日はお天気がよかったので、見上げると青空をキャンバスに白い花がくっきりと浮かぶのは絵画的です。
 
梅林の中では、いろいろな種類、いろいろな大きさの梅干を売っています。梅干だけではなく、梅の盆栽もさまざまな色や形のものが並べられていました。農産物やこのあたりの特産品も。手作りのタクアンなどもあり、ちょっとつまませていただきました、なかなかおいしかったです。梅干は、我が家にも趣味で漬けている御仁がいるので買わず、梅味のゴマのふりかけを購入してきました。まだ食べていませんが、おいしそうです。
  

吉野梅郷でもそうでしたが、公園とか梅林とかの区画の外側、個人のお宅の庭や畑、山林などに咲いている梅の木々がなかなかいいですね。ただ梅だけが並んでいるのではなく、畑の緑や、林の深い色などがあるために、かえってコントラストとして美しいのかもしれません。
梅のお花見もいいですが、朝が早いのがトホホ(笑) 自慢じゃ〜ないが宵っ張りの朝寝坊が持ち味の私としては7時前に起きなければならないのは大プレッシャー。目覚まし時計5個をセットして、やっとやっとです(^_^;) そして、クルマで幹線道路に出たら、なんと大混雑! 遅刻してはいけないと中央道に飛び乗ったら、こちらも渋滞。ああ、通勤時間帯であるのだと……。こんな時間に都内に出ることはほとんどないので、読みが甘かったようです。なんとか時間には間に合いましたが、やっぱり早寝は起きは重要な生活習慣かもしれないと、密かに凹んだのでした(笑) 帰ってきてご飯を食べたら、うっかり転寝。けっきょく宵っ張りの繰り返しに……。規則正しい生活は、あきらめたほうがよさそうです(^_^;)
  



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2009/03/11  (水) 

花粉はいつまで?

今日、すごーく久しぶりに会った友人が花粉症でズルズルしていました。「あの人はいま……」的な話も楽しかったのですが、見ているだけでもつらくなるようなグチュグチュです。帰ってきて、夕方、友人から電話をもらいました。こちらもズルズル。電話なのに、潤んだ真っ赤な目と、グチュグチュの鼻水が見えるようなお気の毒な状態。夜、別の友人から電話が。こちらもまた……。そういえば、明日、会おうとしている人も……。
 
5人いたら、3人は花粉症で苦しんでいるような割合ではないでしょうか。私は「花粉症にはならないことに心を決めておりますから」とか言って、「花粉症になるのは気合が足りない!」などと優位性を誇っておりますが、もはや冗談を言っている場合ではないくらいに花粉症が世の中を席捲していますね。ある意味、花粉症になっていないのは流行遅れ?(^_^;)
 
それにしてもみなさんの惨状を見ていると、「デビューしたくない!」と思います。デビューを果たした人も、なりたくてなったわけでもないでしょうが。こうなると、デビューはしていなくても、誰もがすでに舞台の袖で立っているようなものですよね。いつスポットライトが当たってしまうか……。今年はセーフでも来年のことはわかりません。
 
花粉を防御する鼻栓が発売されたそうです。外からはほとんど着けていることがわからないのだとか。もう、マスクじゃ間に合わないのですね。そして、ゴーグル状のメガネもはるそうです。大きなマスクをして、ゴーグルをかけて、帽子を目深にかぶり……、「まるで怪しい人みたいじゃないですか!」とモモタロウはいいますが、この際、恥も外聞もありませんよ。
 
職務質問でもされたら、マスクを取って、くしゃみの一つもしてみせれば無罪放免は間違いなしです。それより、そんな格好のできない交番勤務のおまわりさんの同情してあげたいもの。あと10日か2週間もすれば、花粉の嵐も収まるようですね。花粉症のみなさん、もう少しの辛抱。頑張って!
 



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2009/03/10  (火) 

吉野梅郷

青梅市にある梅園、吉野梅郷へ行ってきました。運動不足解消の意味もあって電車で行ったのですが、遠かった〜。中央線に揺られ、立川で青梅線に乗り換え、青梅で単線の多摩線にさらに乗り換え、「日向和田」という駅で降りて徒歩10分あまり。日向和田は「ひなたわだ」と読みますが、鄙の日向という感じで駅舎も可愛らしく、梅祭り開催時以外はきっとひっそりと駅をやっているのだろうと思わせるたたずまいです(笑)
吉野梅郷は丘陵地帯にあるので、てっぺんから見下ろす梅林の広がりは見事。桜は一面の薄ピンクという感じになって、それはそれで美しいものですが、梅は白、薄いピンク、濃いピンク、赤というさまざまなコントラストが緑の木々の間に広がるのがなんとも華やかな風景です。日本人は桜を好み、中国人は梅を好むといわれますが、いやいや日本人だってなかなかの梅好み。平日だというのにけっこうな人出でした(^_^;)
 
青梅市がもっている梅の公園には約25,000本の梅が植えられているそうです。普段は入場無料ですが、梅祭り開催中は200円。まあ、これだけの梅の木を管理したり、ご案内の人が出ていたりするのですから仕方がないですね。東京都内ですが、都心部より標高が高いからでしょうか、いまが満開! 露店やみやげ物店も出店していて賑わいを見せています。

  

日曜日には、郷土芸能や野点、琴の演奏などのイベントも行われるとか。間の悪い私にしてはタイムリーヒットでした。梅林の中に、「さんしゅ」も存在感を際立たせていました。ピンク系の公園の中に唯一、黄色い花が輝いています。

 
この公園のほかにも、オープンガーデンと称してお寺や個人のお庭が解放されていて、梅をはじめさまざまな花が目を楽しませてくれます。駅へ向かう途中のお宅の庭に咲いていた「みつまた」は、1本の木に白い蕾、黄色い花、赤い花と3色がちりばめられていてユニークな姿を見せています。なかなかおしゃれ心のある木で、道行く人の足を一様に止まらせるコツを身につけているようです(笑)

青梅や奥多摩には平将門の伝説が伝えられています。平将門の乱というくらいで、朝廷にとっては反逆者ですが、関東の人にとっては英雄。もっとも有名な伝説は金剛寺の伝説です。金剛寺に、夏を過ぎても青い梅がなっている梅の老木があり、将門が植えた梅と伝えられています。 戦に破れて青梅に逃れた将門が、一枝の梅をさして「私の願いが成就するのならば芽をふけ」と言ったところ、梅は芽をふいて成長し、成熟しても青いままで落ちない梅を実らせてたとか。それが、この地を青梅と呼ぶようになった由来だとか。青梅はマラソンなどで昨今、けっこうメジャーになっていますが、「あおうめ」だと猛毒ですよね(^_^;)
 

 
駅までの道筋には「着物博物館」もありました。武家の婚礼衣装や元皇族の衣裳などが保存、展示されているとのこと。着る物にあまり興味がないので、入館料800円を惜しみました(^_^;) 外に並べて売られている藍染めの衣類や小物だけを見て満足。草木染の作務衣に心ひかれましたが、こんな経済情勢ですもの、財布の紐は緩めるわけにはいきません。って、3,800円も入っていなかったかも(-_-;)

多摩川の上流の流れも清らかに春の訪れを喜んでいるような。写真には撮れなかったのですが、水の上を真っ白なゴイサギが羽を広げて優雅に飛んでいる姿は思わず立ち止まって見とれるほどです。

 



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春を探して
春何番?