知足の気まぐれトルコ紀行

霊廟は広々として、どこも等間隔に衛兵が立っている。｢人形のように動かない｣と言われたが、そんなことはない。カメラを向けるとにっこりしたり、教えてもらったばかりのトルコ語で「ギュナイドン(おはよう)」と声をかければ｢ギュナイドン｣と返事をしてくれる兵士もいた。廟へ向かう入り口には男性３人がそれぞれトルコの学業、農業、軍事を支えていることを象徴する｢独立の塔｣とアタチュルクの死を悲しむ女性３人の｢自由の塔｣が建っている。
  
アタチュルクはトルコ人にとってはとても大切な人。第一次世界大戦で負け、混乱の中で、列強に分割･植民地化されそうになったトルコを救い、トルコ共和国の成立させたのがムスタファ・ケマル、つまりアタチュルク(トルコの父)である。初代大統領になったケマルが、首都を西の端にあるイスタンブールから、トルコの中心部にあるアンカラに移し、徹底した政教分離、トルコ文字の導入(それまではアラビア文字だったらしい)などさまざまな大きな改革を行った。(下の写真は建国の言葉と安置されている柩、廟の装飾)
  
だが、観光客にとっては個人の遺品が並んでいるといだけのもの(失礼)。ただ、ここで、第一次世界大戦で敗戦して以来、トルコの人々がなめてきた辛苦と、共和国建設のビッグウェーブが物語られている。この国の近代史と愛国心の大きさを示すために、ここを観光ルートにするのだと思う。まずは、表敬訪問である。

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